[050125/0127]

廃6球スーパ・ラジオを、買いました   *追記あり  *廃棄.

(一言板でのさくらさんのアドバイスよろしきを得て(^-^;?)遂に念願?の新型2バンド・スーパ・ラジオ(ゴミ捨て場から拾ってきたようなジャンク)を買いました。(\2,700税込)
買った目的は(自分でも)あまりハッキリしませんが、何となく昔の機器の修理をしてみたくなったから、かな?

「未チェック」と書かれてありましたが、“ブーン”と云うハム音とFM音声の崩れが酷いのを除けば、一応動作はしました。ハム音はかなり退治出来ましたが、潰れたFM音声はまだ治せていません。
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経緯.
幼少の頃、回路図の低周波段が同じパターンの繰り返しに見えたので“球を1本減らせないか?”と好奇心満々で親父のラジオを弄った記憶があります。“壊したか?”って、いやいや音は小さくなったけど見事に鳴りました!(これに味をしめたために、道を過った可能性も・・・)
しかし、それ以降既製品のラジオを触った記憶は薄いのです。なので、今回購入したラジオに懐かしさを噛みしめるなんて事はありません。
今回のは参考品という位置付けです。

分解.
何をさて置いてもまずは分解して、降り積もった塵の掃除をしたかった。

PCを分解した経験があればこんな機器は(赤子の手を捻るような・・・いやそんな事をしてはいけません!それは犯罪です!)至極簡単です。前のツマミを(思いっ切り)引っこ抜いて、前パネルを留めている6箇所のビスを外します。指針は上に抜けばいい事は一目見れば分かります。

裏側は蓋を外して、シャーシ下部の4個(写真では1個欠)のビスを外します。(ウッカリ筐体底のビス4個を外しましたが、これはまったくの無駄でした)後は、掃除機、濡れ雑巾、ちり紙、綿棒、細ドライバを大活用して、徹底的のゴミを取り除きました。(ゴミは上表面だけで、内部は比較的奇麗)

部品寸評.
部品の取り付けは“ガッチリと、だけど、雑に”って感じ。

経年変化で半田が外れないように、丁寧に線同士を撚り合わせたり巻き付けたりして半田固定してあります。
でも、部品の向きなどは“ショートしなければ、それでいい”ってな具合。
(やっぱ、ひたすら量産に励んだ時代の製品ですかねぇ...)
妙なのは、違う種類の真空管ソケットを使っている事。コスト・ダウンに関係していたのでしょうか?

部品を節約するためでしょう整流用にダイオード(緑色の丸SD-1)を使っています。(これは正解だと思います。整流管しか無かった時代は仕方がなかったのですが、ダイオードが使えると球以外にソケットが不要になりますし、スペースもうんと節約出来ます。経年劣化も少ないはず)
それにしても、左側の赤い小さな25Ωの抵抗、所々白くなって(骨まで見えて)いるのは何とも哀れ。多分電源が入れられる度にラッシュ・カレント(突入電流)で身を焦がして来たのでしょう。(スペース・シャトルの底部に貼り付けられた耐熱レンガを思い出しました)

手入れ.
電源を入れたら、ヒータは赤くなってるけど何も音が出ません・・・?ん、壊れてる?・・・そうだ!傍熱管は時間が掛るんでした。(電池管は比較的速かったんですが)
その内音が出て来て、ボリュームを触ると、「バリ!バリ!ガリッ!・・・ブーーーーン。」

慌てて最初にやったのは、ガリオームやガリスイッチ類に接点復活剤を垂れるほど吹き付けた事です。
次は物置へ(出掛けて?)行き、耐圧300WV100μFの電解コンデンサを探し出して来て電源部に付け足した事。これで、さしもの物凄い騒音も多少静かになったようです。

中波放送は普通に受かるようになりました。しかし、FM放送の方は何やらモガモガで音が壊れてます。
ディスクリ部12AL5の不良を疑って、代わりに1N60をいれてみたけど、変わり無し。それに付いている5μFの電解コンを外したら音が俄然大きくなったけど、モガモガ・グジャグジャは相変らずです。弱い局なら普通に聴こえるんですが、強い局だとノイズも混じって聴くに堪えない音。
AM部や低周波部は問題無さそうなのでFM検波段だと思ったのですが、どうも違うみたい。この件は、交換出来る真空管も無いので暫らく様子見です。

回路図.

筐体底に回路図が貼り付けてあります。(きしもとさんのご指摘通り。d(^-^)
でも、もうボロボロになる寸前。剥がしてみようとしましたが、とてもとても!

勉強も兼ねて、これを書き写してみました。1,2点不明な箇所や実物と違っている所などもあります。
ヒータ直列部の50Ωなどは図面にありませんが、きっと真空管の寿命が問題になって急遽後から追加したものでしょう。(左上写真の赤いのがそれ)
(ふむ、この抵抗値はもっと大きくしてみようかな)

ロータリ・スイッチ部は巧く描けなかったので、代用スイッチで誤魔化しましたが、FMモード時の12BE6の扱いが、今一つよく分かりません。ダブル・スーパの第2ミクサなのか、それとも単なるIFアンプなのか?・・・元の回路図をよく見たら、FM IF & AM CONVと書いてありました。f(^-^;;;

FM部を除けば極く標準的な5球(いや整流管が無いから4球)スーパなのですが、実際動作させると「感度は低いが、ゲイン(利得)は高い」といった感じ。だから、何やらガサゴソと騒々しいんです。(コンデンサや球を入れ替えて、ちゃんと調整すれば感度も上がるのでしょうけど)

一先ず終了.
汚れを落としたらFMの音も良くなるかな?と思ったけど、やっぱ変わりません。f(^-^;

それにしてもこのラジオ、無茶苦茶大きな音が出ますね。ボリュームを少し上げただけでも、喧しいのを通り越して耳がビンビンする程鳴ります。
何故こんなに大音量を出す必要があったのでしょう?昔の人は耳が遠かった?いや、そんなはずは無いし...
(家人曰く、広い場所で大勢で聞くためでしょ!って・・・んー、そうかも)

と言う事は、自作する場合、低周波増幅にパワー管は必須ではないようですね。それとトランス・レス機でのヒータ回路へのラッシュ・カレントは要注意みたい。もっと電流を減らすとどうなるか調べてしてみたい。(静かになって、寿命も延びるかな...)


*追記 [01/27]
FMが、ほぼまともに受かるようになりました。どうやら、IFTのずれのせいだったようです。特にT5(シャーシ底面側/図面では多分上側)が曲者。これらを耳勘で合わせ込んだら、まあまあ聴ける状態になりました。
これで分かったのは、「FM受信は難しそうだ」と云う事。信号が弱いあるいは受信機の感度が低いと、ノイズ混じりになったり歪が多くなって、AMより酷い音になります。
つまり、FMを良い音で聴きたければ、感度の良い受信機とちゃんとしたアンテナを用意すべきだと云う事になりそう。

それから、SD-1保護用抵抗を25Ωから300Ωに、電源の平滑用抵抗を150Ωから500Ωに替えました。これで気分的に安心感が増しました。
しかしそのせいで、FMの感度が落ちたようなので、FMチューナ部(17EW8)のB電源だけはSD-1の直ぐ後ろから取るようにしました。
他方、AMの方はB電圧を落としたのに、相変らずガンガン鳴ってます。

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