[130916]

ヘルメット受信機(AN/PRR-9)の電池を、入れ替えた

偶々、上の棚に埃だらけになって乗っていたこのヘルメット装着型受信機[AN/PRR-9]を見付け、埃を払って動作確認を試みた。(左写真)

以前、アマチュア無線をやっていた頃は、数種の米軍放出の通信機器を持っていたが、無線局の廃局後は、それらの殆どを、ジャンク店へ持ち込んで(見切りで)処分してしまった。
これはその名残りで、小さいから邪魔にはならないだろうと、残しておいたもの。
「受信周波数」は、「ハムバンド 51.0MHz(?多分)」にしてあって、FM信号受信のみ。

専用電池が駄目になっていたので、単5型電池を買って来て入れ替えた。(\210/4本)
受信出来るようにしても、室内ではコンピュータ・ノイズが酷くて、殆ど実用にならず。
勿論、屋外へ持ち出して使う機会も無いだろうから、「保存」のためだけの保守になる。

左上写真<クリック>は、実際の操作&動作例の動画だが、室内ノイズが多いため、「スケルチ」が開きっ放しになっている。
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電池部の分解
元々、これの電源仕様は標準6Vらしいが、電池が3本だから、ちょっとヘン?
でも、もしかしたら、3Vリチューム電池3本、電源電圧は9Vだったのかもしれない。(左写真)

ということで、外部可変電源で調べたら、どうやら3V〜9Vの範囲で安定に動作するようだ。
以前、先輩格の人から教わったのは、単5型が丁度太さが合う!ということなので、単5型を探して、ダイソーにあったので買って来た。4本で6Vだから、丁度良さそう。
ただ、良く売れているらしい単3型や単4型と違い、2本で\105なのが、少し癪の種だが。

合わせて見ると、確かに!紙スリーブの内径も単5型にぴったりだし、4本で長さも丁度良さそう!(左写真クリック)
因みに、単4型を3本だとケースからはみ出してしまうし、2本だと短過ぎて、旨くない。
単3型はスリーブに入らず。やはり、単5型が最適だった!

電池入れ替え
電池を入れ替えるのは、難しくは無いのだが、1本の方の円筒型電極が両方ともすっぽ抜けて出て来てしまったので、再装着に、ちょびっとだけ慌てた。
これは、適当な芯棒を伝わせて|通して押し込んだら、スムーズに再装着出来た。(楽勝♪楽勝♪)

電池の後部は、次回も面倒を減らそうと、「半田付け」で留めた。(左写真)
これだと後ろ側にカバーが無いから、ちょと寂しいが、動作確認だけが出来ればよいから、無理に綺麗に覆う必要は無いだろう。

これで、本体に挿して、電源SW(音量VR兼用)を入れてみた。(左写真クリック)
OK!ちゃんと動作した♪(左最上部写真<クリック>で、その動画)
−−−−− 余談 −−−−−
内部構成
こうした軍用機器の放出品は、防湿、防振対策が丁寧に施されているので、外観は傷だらけだったりしても、中身はしっかりしている。
そうした所が、マニアには堪らないらしく、(高値ででも)収集する方も居られたようだが、私は、只管(ひたすら)感心するのみだったが。

この受信機の構成は、確かダブル・スーパだと思ったが、第1中間周波数は10.7MHzか?
受信周波数を決める水晶振動子は、周波数変更の際、抜き出し易いように下に紐が通してある。(左写真<クリック> これは、40.300MHz)

受信は「FM方式」で、目一杯増幅してあるので、信号が無い時には物凄い雑音が出る。
(勿論、コンピュータの出す雑音/ノイズなども、“一種の受信信号”として聴こえるが)
それを抑えるために、「スケルチ機能」(受信信号が無い時、音声出力を停止させておく機能)が設けられているが、可変抵抗VRを一杯まで廻し切れば、SW(スイッチ)が入りその機能をキャンセル出来る。

特長&特徴
これには、色々な工夫が凝らされている。
まず、アンテナは、受信周波数に適した長さ(50MHz帯だと約1.5m)があるのだが、ヘルメットに装着するには長過ぎるので、約46cmに抑えてある。
残りの約1m分は、ローディング・コイルを挿入して補っている。(左写真)
これを廻して見た事はあるが、効果は良く分からず。ちゃんとした計測器で調べながらやれば、ピークが見い出せたのかもしれないが。

また上述したように、電源ON/OFF兼用音量調整用VRに、「スケルチ機能」を停めるためのSWも設けられている。(左写真クリック)
こうした、ちょっとした工夫が兵士達の命を救ったかもしれないし、あるいは救わなかったかもしれない。(笑)

しかし、この「カタツムリ型拡声器」は面白いけど、実用的にはどうなのかな?と思う。
...密やかに使う時には、現在使われているような「耳孔式」が良いと思うのだが...それって、“非実戦的”なのかな?

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