[070826]

μ-mini(ジャンク)を、壊してしまいました

μ-mini DIGITALのピンボケ・ジャンクをオークションで買って、直してみようと弄っていて、遂にはレンズ・バリアを“お邪魔板”にしてしまいました。(購入費用\1,410送料、手数料込み)

先日、C-770の不具合があっさり直ったので、それに味をしめたわけでもないのですが、他にどんなフォーカス・ミスがあるのか興味があって、スタイルが素敵で面白いこの機種を選びました。

分解して見たけど、ピンボケは直せず、その上再組立て時のミスが因で、レンズ・バリアが正常に開かず、更に実用に適さなくなってしまいました。(左写真、<クリック>で、問題箇所)
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フォーカシング
これの素性は、“通常ピンボケ、マクロのみ使用可能”との事でした。(外装は、2箇所に小さい刻傷あり、程度は中の上)

確かに、電源投入直後は、風景など綺麗に見えているのに、シャッタを半押しすると、一度ピントが合う瞬間もあるのですが、落ち着くとピンボケ状態に。ズーム・アップすると、更に酷くなります。
ピントが何処に合っているのかと調べたら、常に百数十mm近辺です。(何だ!こりゃぁ?何でも百五均!ってか?)

他方、マクロの場合も、ピント・ズレは生じますが、“モニタと腕伸縮”で合わせられるので、そこそこちゃんと写せます。(左/上写真の<クリック>で、「スルッとKANSAI」をマクロで撮影した例)

改善の検討.
この原因としてソフト・エラーを疑ったのですが、残念ながら、この機種にはC-770のような大幅変更ソフト(該社案内の例)は提供されていないようでした。マイナな「言語追加」は、やってみたが効果無し!
(これのファームウェア・ソフトのバージョン・アップでもあればいいのですが、PCとは違いますからねぇ)

次に考えられるのは、LSIのセンサ入力部や内部回路の不具合。でも、これは考えても、どうにもなるものではないので、パス!

後は、(起こりそうも無いけど)レンズ系のセンサの位置ズレ?を仮定して、分解して見る事に。

分解(ばらばら→粉々?)
このカメラは、フロント・カバーがビス1本で留められていて、レンズ・バリアを掻い潜らせ、上手くスライドさせて抜けば、楽に外せる、実に巧妙な細工です。
開けてみると、レンズ・バリアも華奢ですが、なかなか凝った造りです。そして、これが後で災難に。

本体は、5,6本のビスを外すと、2つに分解出来ました。

レンズ部は3本のビスで止められていますが、内1本は2枚の基板を外してしまわないと、見る事が出来ません。
その2枚の基板類も、上はフレキと裏側のコネクタ、小フックだけで固定。下はビス3本で固定されているだけで、大変簡素。

基板が小さいせいもあって、全体の構成は素直で分かり易い。
フレキ類の再装着も楽そう!(分解屋には、大変有り難い構造で、こんなの好きですね!)

左上写真の<クリック>で、レンズ側のみ、ばらせる所は全部ばらした様子が見られます。
(また電撃を喰らうのが嫌だったので、今回は前以て、コンデンサの端子をドライバでショートして放電。毎度の事ながら、強烈な破裂音に肝っ玉が縮みます。(><;)

レンズ・ギアの歯軋り
レンズ周りをじっくり眺めたのですが、何も発見出来ず
すごすごと、引き返しに掛かりました。
組立てを終えて、動作テストを始めたら、大事件発生!?!

レンズ・バリアが引っ掛かってしまって、大騒動。やがて、レンズは自動的に引っ込んでくれましたが、その後で、レンズ出入りの度に、ギリギリと歯軋りが聴こえるようになりました。

原因は、レンズ胴横の軸押えプラスチックのブレ止めが弾け飛んだようで、ブレ出したギアが相手から離れて空回りしているらしいのです。
そのためでしょう、ギア(真鍮製)が削れて周りに金属粉(真鍮粉?)が散乱していました。(左/上写真とその<クリック>で)
余分な仕事が増えてしまいましたが、ここはレンズ・バリアの駆動系の大元に近い所なので、まだ壊れて欲しくない場所だし、放っておくわけにも行きませぬ。

これは、軸押え部を速乾性接着剤で固定してお茶を濁しましたが、目下の処は?...OK!

レンズ・バリア駆動系の再調整.
上のような手当てと歯車の嵌め直しで、一応歯軋りは納まりましたが、今度はレンズ・バリアの開閉が上手く行かなくなりました。
止む無く、何度も分解して調査。

左写真のような“左右に動く摺動板”があって、これがスライドして表に通じる回転軸を回すようになっているのですが、この板の裏側には、かなり強いコイル状バネが入っていました。
多分、これがレンズ・バリアをカチン!と戻す原動力なっているのでしょう。

そのため、ギアや歯車などは、かなりの力が掛かるようで、もし系の何処かでズレが生じたり無理な状態になると、相当深刻なダメージが生じる恐れがあると見ました。
(例えば、迂闊に、作動中のレンズ・バリアを途中で止めたりなんかすると、只では済まない?!)

内側はちゃんと組み直したものの、やはりダメでしたねぇ。時々、何処かが外れたりスリップしている様子。
それに(何時の間にか)回転軸の表側=レバーの留め部がグズグズになって、レンズ・バリアの開閉機構が機能しなくなっていました。
よく見たら三山が潰れていて、更に留めビス孔も大きくなってますね...うーむ。
(今の処、手動での開閉なら何とか可能なので、もうこれ以上触らない事にしました)

結末.
やはり、ピンボケは直せませんでした。その代わり?レンズ・バリアの自動開閉機構をダメにしてしまいました。それに、各所のビス孔も、何度も開け閉めしたせいで相当ゆるゆるになっています。
これは、もう人手に渡る事もないでしょう。(渡せば、むしろ罪です!) それに、スタイルが結構気に入ったので、静かに?飾っておく事にします。
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