導育甘言集 2014.07   表紙頁]へ   我楽多苑 別亭 (真面目な愚痴)]へ

国債累増のつけを [0729]
『国債累増のつけを誰が払うのか 富田 俊基著 東洋経済新報社 1999年3月 1刷 \1,800+税』 (購入\108税込み)
この本も、詳細な経済的用語や動向を取り上げて解説してはいるが、結局、誰が払うのか?については、ストレートな指摘はしていない。
ま、それほど世の中の経済の仕組みは簡単ではない!と言いたいらしいのだが。(苦笑)
ただ、最後の最後に次のように述べているのは、正鵠を得ていると思う。

巨額の政府債務は、経済的にサステイナブルでないばかりか、わが国の民主主義が危機に陥っていることを示すものと受けとめねばならない。この認識が広く共有されることによって、財政構造改革が進展し、わが国の二一世紀に新しい展望が開けてくるのである。

如何にも抽象的で貴方任せの、学者言葉なのが、つまらない!
もっと、「日本の民主主義の問題」にまで切り込んで見たらどう?って言いたくなる。

この本では、大蔵大臣(財務大臣)に強権を持たせて打開を図る案が示されているが、現実には、責任者が大鉈を振るって、赤字財政を黒字に変えるなんて動きは、既に、とてつもなく困難になって来ているのだ。
地方自治体で、優れた知事や市長(達)が出ても、それに協力すべきはずの議員や議会の質の劣化・退化は、眼を覆いたくなるほどだし。
得てして、リーダーが、財政で改革の大鉈を振るっても、袋の底が穴だらけ(市民や職員達自身の意識が変わらない限り)では、何も実質的な改善は為されないってことのようだ。
リーダーに従わない|従えない部下・配下が多くなり、(たとえ51:49でも、兎に角、皆で決めたことは必ず成功させよう!という類の)日本の民主主義思想・体制には、もう、相当ガタが来ているってこと!

原子力潜水艦 [0726]
『兵器最先端[2] 原子力潜水艦 戦略/攻撃原潜の全貌 読売新聞社編 読売新聞社 昭和60年12月 1刷 \1,200』 (購入\200税込み)
この本は、約30年前に発行された世界の原潜の話だが、最近のものと比べて、武器や運用システム以外はそれほど大きな違いは無いらしい。
動力は原子力核反応の発熱で蒸気タービンを回して動力とし、また並行して電気を発生させて、海水の電気分解で飲料水や空気を得るのだが、基本は、今もそれほど変わってはいないらしい。
興味のある点は、退役艦の後始末で、原子炉の後処理が問題になるはずなのだが、軍事機密ということで、コンクリート詰めにして、秘密裏にあっさり深海に沈めてしまうらしい。
これが、何百年後にどうなっているかは、誰にも分からないだろうな。
元々、地球上にあった放射性物質を、使ってコンデンスして戻すだけだから、別にどーって事は無いのだろうと思うが、ある程度学問的に解明出来ていれば安心なのだが。

これを読みながら、近頃は、日本がこれまで蓄積して来た科学研究・技術を、流行の宗教≒原発廃止講などが、“素人常識、素人感情、素人勘定”で、賑やかに潰そうとしていることを、私は怖れている。(これは、「技術立国」が、「人情立国」になる前兆だ)
こうしたことが、「政治」や「地裁」までをも巻き込んで、日本の経済を徐々に低下、劣化させつつある。
“貴少なエネルギー源”ですら“優しくて、怖くないもの”に変えて、経済的な効率をどんどん下げているのだ。(挙句に、日本国の借金が増える!)
もし、死人が多く出て危うくなれば、(どれだけ、“集団的自衛権”が重要だとの国際常識を丁寧に説明しようが、また、どれだけガソリン代が上がろうが)石油シーレーンですら放棄しようとするのではないか?...だが、そんな“内向き根性”ではダメだ!

昨今流行の“優しい♪”や“可愛い♪”は”、確かに“良い物”だろう、だが、一方の“汚い(お金の話)”や“怖い(原発や軍隊)”も必要なものなのだし、それから決して眼を逸らせてはいけないのだ!
(子・孫達には、すべてを正しく覚えさせよう!そうした知識・智恵を活かして、逞しく生延びてくれることを望みたい!・・・ 自分が分からなければ、賢明な人物に託せ!...愚か者は、先が読めないから、“足元の分り易い恐怖 ”だけを云うはずだ。それは無視せよ!)

国債を刷れ! [0723]
『国債を刷れ! 「国の借金は税金で返せ」のウソ 廣宮 孝信著 彩図社 2009年3月 2刷 \1,524+税』 (購入\200税込み)
私はずっと前から、「日本国の国債」は法律違反の借金で、「日本国の収支バランス施策の失敗の結果」だと思っているのだが、多くの人は“我関せず状態”なのが、何とも歯痒くて仕方が無い!
(そのくせ、「脱原発」だとか「非正規雇用の正規化」だとか、目先だけ格好の良さそうな“無駄遣い話”には、結構人気があるようだが。...アホくさ!)
この本も、「収支バランス」が、「資本=国民の財産(預貯金や動産)」と「借入金=国債」とで釣り合っているから、“何も問題は無いのだ説”を披露してくれているのだ
これは無責任にも“借金が必要なら、どんどん国債を刷ればいい!”という話で、“まだまだ、日本の資本力は大丈夫!”と安心させる“楽しい話♪”になっている?
だが、ちょっと待て!..、私には“巧妙な詐欺”にしかみえないぞ!
日本人は昔から、“自分で稼いだお金”を自分の住む土地や建物、家具、高級な装飾品などに費やす生活力・文化力(?)が無いので、只管、(うじうじと)“貯金”の形で残して来たわけだ。それを、国の借金のカタにするなど持っての他だ!けしからん!
その「国の借金」の話だが、私達国民は何でも国に負担(支払い)を求めるし、政治家達は儲からない慈善事業ばかりやるし、官僚達はお手盛りの無駄な仕事を一杯作るし、産業人達は効率の悪さに罪悪感を感じながらのお金儲けだし、おまけに少子高齢化で生産力や量は減る一方だから、国の支払いは膨らむ一方で、収入は減る一方だ。 ...全部一方通行だから、借金も驚異的な一方的伸びを示すわけだ!
...今時の日本では、逆方向は望むべくも無いから、「国の借金」は、いずれ“日本国を身売り”でもしないととてもじゃないが返せなくなる時が来るってことだ!

実学と虚学 [0720]
『実学と虚学 学びは人をどう変えるか 保阪 正康著 プレジデント社 2001年11月 5刷 \1,500+税』 (購入\108税込み)
...実は、私が、こうした本を買い漁り、読み漁るのは、“何かの結果・結末を得たい!”...というわけではない。 ...さりとて、“何も得たくない!”わけでもない。
強いて言えば、もっと「別の手法」とか、「別の考え方」とかを知りたいと思うからかな。
というのは、自分の当面の課題、“孫達に生き易い世の中を残してやりたい!”のだが、その為には、“世の中がどのように変化して行くか?そうした世の中で、孫達個々人がどのような力を持ないと生き抜けないか?”が、まだ良く分からないから。
一応は「賢く・優しく・強く」と決めてはあるが、現実にはそれほど上手く話が進むわけでもない。・・・ となると、その時々に応じてガイドしてやる内容や方法も、逐次変えなければならない。そうなると、手持ちだけでは直ぐ品切れになってしまう。
色々な本を読み漁るのは、謂わばその補充用だ。
(因みに、事例集やノウハウ本などは、現場では殆ど役に立たない。常に、二者を天秤に掛けて、一瞬々々でどちらかを選ばなければいけないからだ)
で、この本は役に立ったか?...残念ながら、私の役には立ちそうにない。orz

キューバ医療を手本に [0717]
『世界がキューバ医療を手本にするわけ 吉田 太郎著 築地書館 2007年9月 1刷 \2,000+税』 (購入\200税込み)
この本から、私は二つのことを知った。
ひとつは、国が発展する途上で、優れた指導者が居て、その人民・民衆が真面目について行けば、安定した良質の医療制度が根付くらしい。
もうひとつは、日本のように金儲け主義?が先に立って発展して来た国は、不均衡で不安定な制度になってしまうようだ。
この違いは、社会が発展して来ると抜きがたい欠陥(医療制度の崩壊)が出て来てしまうだろうと思う。(お金がある人は浴びるほど治療が受けられ、そうでない人達は大赤字の医療保険制度に寄り掛かりながら、ひたすら薬剤に頼るだけになる)
興味深いことに、この本では、「キューバの憲法第九条」というコラムがあって、そこでは「治療を受けない患者はあってはならない」と“国家が医療を保証する”ことを義務付けていると紹介されている。
一方、日本国憲法の第九条を見ると、「戦力を持たない」という“捨て置き思想”が盛られていて、国民の生命や生活、健康や財産を守るために、その「道具」を放棄することを先に宣言しているわけだ。
キューバは、「国がやるべき目標・目的」を明確に定めているのに、日本のそれは、「手段の放棄」にしか言及せず、“目標実現は世界の国々頼み、神頼み”というお粗末さだ。

子供の知力を伸ばす [0714]
『子供の知力を伸ばす300の知恵 [kobo電子書籍] 七田 眞著 PHP文庫 2006年12月 7刷 \580?』 (購入\500-500=0)
(これは、魔流さんに紹介して頂いた(無料)クーポンで入手したもので、購入費は\0だった)
近頃、(親でもないのに)孫娘、孫息子の“育て方”が気になって、(悩む程でもないが、)少し迷ったりしている。
私の方針は、少し無理かな?と思うことでも、“それ!やれ!”ってけしかけてやらせるようにし、出来たら大袈裟に褒めてやる方式を採っている。
それで、自信が付いて来たのか、何にでも物怖じしなくなったようだが、逆に“我が儘”や“傍若無人”の傾向が強くなりそうな気配なのだ。
例えば、ブランコを一旦確保したら、他の子供が“代わって!...代わって!”と懇願しても、なかなか譲ろうとしないし、強く言って代わらせたら、さも不満そうな台詞を吐いたことなど。

そこで、この本(電子書籍)に、何か改善のヒントでもないか?と買って読んでみた。
...あー、残念!2歳くらいの時に、ものの貸し借りや上げたり貰ったりの練習をしておく必要があったそうな!
...うぇ、もう直ぐ5歳だから、遅いではないか!...と、まぁ、こうしたノウハウ本は、一応時系列的には書かれてあるが、時期を逸してしまった事柄については、解法が示されていないという欠点がある。

私は、こうした感情的な問題?の処理は、“徳育で”というより、“知力で抑えさせる訓練”をして行くのがベストではないかと思っている。
大人の世界にある、例えば“民族紛争”などは、“宗教心”や“感情”のぶつかり合いだから、“徳性”などが噛み合うわけが無い。
抑えられるのは、やはり(損得勘定が出来る)“知性・理性”だろうと思うからだ。

上記のブランコの話の続き:後で、こう説明してやった。
代わって欲しい!といったのは、貴女が楽しそうに乗って遊んでいたから、あの子も寄って来たのだ。その内、あの子も飽きるだろうから、ブランコは空くよ。待ってなさい! ・・・ ほら、空いただろ!さぁ、乗りに行こう! ・・・ それ、行け!
(このやり方が最適解だったのかどうかは、分からない。だが、次にもまたチャンスがあるはずだと分かれば、我慢はし易くなるはず)


クビにして何が悪い!! [0711]
『ヤル気のない部下をクビにして何が悪い!! 国吉 拡著 出版文化社 2007年11月 1刷 \1,429+税』 (購入\200税込み)
この本は、仕事なんかしたくない人間や、何でも反対・何でも嫌なネガティブ人間が、幾ら丁寧に読んでみても役には立たない。
ポジティブに仕事をする人達のための激励書だと思う。
だが、日本の社会は、そうした(元気印の)人達の働きや指導によってのみ推進されているのだということを、知っておいて損は無い!
逆に、サボるの大好きな私達の多くは、そうした指導を真面目に受け入れて、どのように懸命に働くべきかを、学ぶ必要があると思う。
皆が“一端の指導者もどき”であっては、誰も低賃金の仕事など、しなくなるからだ。
もう今は、外国人労働者を、安い賃金で奴隷の如くに、こき使える時代ではないのだし!
ただ、昨今の日本では、就労者・労働者の人格権?とやらで、仕事が出来なくても、臨時雇いから本雇いにしなければならないし、仕事の成果が上がらなくて、評価は下げられない“不正義な世の中”なのだ。
ということは、どう足掻いても、“生産の質の低下、効率の低下”は避けられないわけだ。
・・・ それを避けたいなら、働き手に(静かに)ハッパを掛けて、高効率、高収益な仕事をさせないとペイしないのだ。
これの本は、そのための参考書になる...はず!

魔女の宅急便3 [0708]
『魔女の宅急便 その3 キキともうひとりの魔女 角野 栄子著 佐竹 美保画 福音館書店 2000年10月 2刷 \1,600+税』 (購入\500税込み)
夏休みに、姪が娘と来阪するというので、その児用に何か面白い児童本・書は無いかな?とBOOK-OFFで見ていたら、偶々出会ったのがこの本。
「魔女の宅急便」(1)は、宮崎 駿監督の映画などで見て知っているのだが、“その2”でなくて“その3”とは、どんなのだろう?と興味が湧いた。
少し読んで見て、(自分が)気に入ったので買って来たが、その児に受けるかどうかは、分からない。(まだ、日数はあるから、他に絵本なども探しておこう)
これは、今まではコリコの町で一人天下だったキキに、ライバルらしき魔女がひとりやって来て、ちょっとした騒動が起こり、キキがちょっとしたキキ、いや危機に出遭うって話。
女性は、得てして“自分だけの世界”を持ちたがるようだが、其処へ(好/悪?)異物・異者が乱入・闖入すると、頭では分かっても気持ちの中では、なかなか整理が付けられなくて、悩むらしい。それも、事の次第が分かる|分かろうとするにつれて、ほぐれて行くらしいが。
子供達が、話を楽しみながら、そうしたことを“第三者的な眼”で見ることを知っておくと、後々役に立つのではないかな?と思った。

月のえくぼを見た男 [0705]
『月のえくぼを見た男 麻田剛立 鹿毛 敏夫著 関谷 敏隆画 くもん出版 2009年6月 3刷 \1,400+税』 (購入\105税込み)
くもん出版」の児童文学書は、当苑では、これで2冊目。(1冊目は、「伊能忠敬」の方は良だったが)
うーん、この本の方は、確かに、優れた人物の態度やその業績をそのまま描いてはいるのだが、私には物足りなかった...というより、不満だった。
というのは、この人物が、“既に、幼少から出来上がっていて、その能力を発揮して行くだけの話”だからだ。
もし、子供達から、「この人物のようになるにはどうすればいいの?」と問われたら、返事のしようが無いのだ。
“親にそんな風に生んで貰えばよかったのに!”...なんて、返事も出来ないだろうし。
“いや、この人のような能力を身に付ければ、君もきっと優れた業績を残せる!”...などと言ってみても、白々しく聞こえるだろう。
(ピンからキリまで能力差のある)子供達に指し示すのは“絶対値”ではなくて、相対的な“不断の努力”などを描いて見せるべきではないかと思うが、どうだろう? ... あるいは、“生まれた時からの能力の絶対差”は、甘受しないといけないという教訓として教えるかな?

日本巨人伝 山田顕義 [0702]
『日本巨人伝 山田顕義 佐藤 三武朗著 講談社 2011年3月 2刷 \1,429+税』 (購入\105税込み)
以前、良く聞いた文句に、“明治は遠くなりにけり”というのがあったが、「明治維新日本」という新しい国創りを始めて、それが首尾よく行った後、停滞してしまった現状を嘆く言葉(?)として響いていたように思う。
それ以降の日本は、戦後の「東京裁判」を境に「国」が壊れてしまい、しっかりした「米粒」の集まりだったものが、ぐずぐずの「お粥」状態になって、今に至っている。
これを、元のような状態に戻そうと思うと、“よゐこ”(芸人)の二人が、「粉から“ちねって”米粒を作った」よりも、もっと大変な作業だろうと思うが。(笑)
この本の主人公−山田顕義伯が、太政官に上げた建白書には、軍事、法律、教育の三つを挙げていたという。
元々は軍人だった伯が、木戸孝允公の勧めで、法律を整備し、やがて教育体制の整備も手掛けた。そうして、日本全体として、体系的、組織的な動きができるようになった。
云わば、粉のような状態の日本から、秩序だった米粒群が練り上げられたわけだ。
改めてそれを思うと、昨今の日本は丸で逆!...民主化はとっくに通り越して、今やミソもクソもずべて“人権の名の下”に「機能差」も「能力差」も無視して、「粒」を「粉」にしようという動きが止むことがない。
それを留めて、好ましい方に向けるには、“粉をちねる”ほどの馬鹿々々しいが困難な作業が必要だろう。
でもやるとなれば、まず教育改革で、特に真っ先にやるべきは「男女共学の損得の再評価とシステムの組み直し」をすべきではないかと思う。

漁師ファンドへの出資 [0701]
先日「4人の漁師ファンド」の急激に達成率が上がってから、その後少し停滞気味だったので、また“貧者の一灯”?|“焼け石に水”!なのだが、更に2口追加投資をした。(\21,216)
今の二万円は少し痛いのだが、我慢して振り込んだ。しかし、手数料が\216も掛かるのはアホ臭い感じもする。
それに、目標金額が大きいから、二万円ぐらいなら“雀の涙”ほどしにしかならない。
つまり、押し上げ率は0.1%以下ってことだ。(苦) (6/30時点で、98.4%になっていた)

でも、数日で0.2%ほどアップしているから、他の方達も応援して下さっているのだろう。
(別に、何も私が感謝することでもないのだが、つい、有り難いな!と思ってしまう)
まぁ、出資が100%に届いたからって、そこで終わりではなくて、そこから出資事業が始まるわけだから、まだまだ先のある話ではある。

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