導育甘言集 2015.02   表紙頁]へ   我楽多苑 別亭 (真面目な愚痴)]へ

反ポピュリズム論 [0226]
『反ポピュリズム論 渡邉 恒雄著 新潮新書 2012年7月 1刷 \700+税』 (購入\108税込み)
この著者は、余程、“橋下(市長)嫌い”(?)だと見え、橋下氏を“ポピュリズムの権化”のような書き方をされている。
...著者の渡邉氏は、正統派ジャーナリストだったようだし、知識も豊富で、その理解度も優れているように見受けられるのに、なぜか?「橋下手法」が理解出来ないようだ。
...いや、それが分かっていて、悪い点、良い点を極端に書かれているのかもしれない。
私は、それは、“建前を重視する関東人”(渡邉氏)と“実態に合わせて柔軟に仕事をする関西人”(橋下氏)の違いではないかと見た。

確かに、今のマスコミや政界、産業界、教育界など、殆どの組織が“ポピュリズム(皆が俗物、リーダーすら俗物!)に毒されているのが実態だ。
リーダーが必要な組織であるにもかかわらず、リーダー不在で、名目上のリーダーは、少しも指導力を発揮せず|出来ずに、組織は、何事も成り行きに任せるだけの“烏合の衆”に成果てているのが現状だ。

それに対して、“関東の知識人”は、建前だけを唱えるが、実はそれが反って障壁を高くし、実現を困難にしている。
例えば、石原慎太郎氏の「憲法廃止&新設案」のような極端な手法がそれだ。“憲法廃止!”などと言えば、殆どの日本人が無意識に拒絶反応を示すだろうが、建前から言えばそれが正しいのだが。
一方、“関西人の橋下氏”の手法は、先ず(ポピュリズムに冒された一般大衆に上手く取り入って、そこでの賛同者・理解者を増やした上で、システム少しずつ曲げながらでも変えて改善して行こうとしている...そんな風に見える。
「“日本を少しでも改善したい”という目的」は同じらしいのだが、「そこへ行く手段・方法」が違うだけだろうと見た。

体制維新−大阪都 (追加) [0223]
『体制維新−大阪都 橋下 徹、堺屋 太一著 文春新書 (承前)
この本を読みながら、二つのことを考えた。
ひとつは、橋下 徹氏のこの本では、ご自分でやろうとしたこと、実際にやったことを種々書いて居られるのだが、以前に読んだ小沢 一郎氏の「日本改造計画」の方は、どうやらゴースト・ライタが書いたものらしい。
...道理で、“言うこと為すこと矛盾だらけだ!”という人達が多かったわけだ。
やはり、(国会)議員は地方行政を首長として経験した人物が、(“”でなく)“”があって良い!と思った。
他のひとつは、「改造の活力」のこと。
今の日本が抱え続けている問題は、「長いデフレ」と「膨大な地方や国の財政赤字」だが、その原因は、私達日本人皆の“ヤル気の低下”と“仕事の質の低下(収益性の低下)”だと見ている。
今の時代、無理して働かなくても食って行けるし、欲しい物は何でも他(人)から与えられれば、自らが苦労してヤル必要が無くなるからだ。
オマケに、指導者や上司がキツイ事をいうと、やれパワハラだ!セクハラだ!と仕事の出来栄えはそっちのけで、大声で泣き声を上げる連中が増えて来たことも、“仕事の質の低下”を招いている。
それらを考えると、この「大阪都構想」は、府民・市民の“ヤル気”を引き出す材料として、また目標として大変良いのではないかと思う。
実は、その昔、今の「関西国際空港」がビッグ・プロジェクトとして賑やかに議論され、賛否両論で沸いていた時期があった。
“必要が無い!”面倒臭いから、今のままでいい!)という反対の意見も多かったが、やってみた結果が現在の状況だ。
(尤も、「神戸空港」のように、やり過ぎて失敗した例もあるのだが、あれは受益者だけが見通しも無く先走りした所為だと思う)

体制維新−大阪都 [0220]
『体制維新−大阪都 橋下 徹、堺屋 太一著 文春新書 2012年1月 4刷 \850+税』 (購入\108税込み)
私は、日本人は、面倒臭がらずに、今の(気楽な消費一辺倒の)生活の仕方を少しでも改善し、国の赤字財政を好転させるべきだと思っている。
私達の日々の生活の滓(おり)が、全部、国の財政赤字に集約されているからだが。

本来なら、国全体で改革に取り組むべきだが、そのポリシースキルを持った政治家が少な過ぎるし、今の国会議員達は、自分(達)では、何も建設的な仕事が出来ない単なる(幼稚な)“強請・たかり屋”ばかり。それに、「地方創生」も、掛け声ばかりで、何がどう?進んでいるのやら?
やはり、体制改革は、先ず小回りの効く地方からだが、そのひとつが、「大阪都構想」だと思う。
成果は二の次でいいから、先ず、取り組みを始めることが重要なんだが、抵抗勢力が多過ぎ!

この本で紹介されている橋下氏の知事時代に行った改革のひとつ「全国学力テストの結果の公表」の所に、痛烈な逆批判がある!
その記述は、以下の如く。
『あれだけ「市町村別結果の公表をしたら過度な競争が生じる、不当な学校序列が生じる」と主張していた文科省教育委員会、そして有識者朝日新聞毎日新聞は、その後の総括をしていますか?今、大阪では、過度な競争も無いし、不当な学校序列もない。むしろ、これまで意識していなかった学力向上に向けて、全市町村教育委員会、学校現場が動いています。』

その他、国の直轄事業に大阪が負担金を出さねばいけない話とか、改革には“強いリーダシップ”が必要・重要なのに、それを“独裁者”と云われる話とか、様々な実話が一杯詰っていて、興味深い!
今(2015年2月時点)では、その試みが成功だったか、失敗だったかを知ることが出来るが、「概ね、成功中だ!」と言えそう!

魔女のオバタン [0217]
ぞくぞく村の魔女のオバタン 末吉 暁子作、垂石 眞子絵 あかね書房 1996年3月 28刷 \880税込み』 (半額特価購入\54税込み)
自分の読む本を探すために、BOOK-OFFへ行ったついでに、孫達に読ませる本を探すことも多い。
だが、分類の仕方が成人用とは違うので、好ましいのを探すのに苦労する。
今回は、偶々“半額セール”だったのだが、そうだとしても、手当たり次第買い込むことが出来ない。

懸命に探していたら、この本ともう一冊見付かった。二冊で\108だ♪
こちらの方は、『小太りの魔女オバタンが、太り過ぎて魔法の箒に上手く乗れないので、色々努力をする話』
このオバタン、努力の割には上手くならず、「やればできる」という自分用標語も白々しいが、逆にユーモラスで良い!

ところが、もう一冊の方(「ちびっこオバケ グー・スー・ピー」)は、同じ作者なのに、全然面白くないのだ。
どうも、先のがポジティブ志向なのに、後者のはイタズラばかりでネガティブ傾向が強いせいなのかも。
孫達が、いずれは、こんなのもイジメ対策用として、一度は読んで聞かせないといけないだろうが、今はまだ必要ないから、こちらは没!

将棋とコンピュータ [0214]
『将棋とコンピュータ 松原 仁著 共立出版 1994年4月 1刷 \1,494税込み』 (購入\200税込み)
近頃、コンピュータとの将棋にはまっているせいもあって、この本の表題を見て、即買った!
読み進めると、“参考になる考え方”が一杯出て来て、面白い♪
例えば、「水平線効果」 ・・・ 考え切れた段階のその先が、どうなっているかは分からない、実は、大変危険な断崖の手前なのかもしれないが、考え切れていないから、判断のしようが無いというわけだ。
他方、「週間天気予報」や「中長期経済動向予測」などでも、そうした考え方で見る必要がありそうなのに、何時も知らん振り!なのが、可笑しい!
また、なるほどな!と思ったのは、ある局面で、評価点が極端に大きい“この一手!”の時は、相手がワナを仕掛けて待っている可能性があるってなことも、考えておくそうだ。
つまり、“上手い話には気を付けよ!”ということだが、そんな場合には、更に深く調べるのだそうだ。ナルホド!ナルホド!...日常生活でも、それが出来れば、「詐欺」などに引っ掛けられないで済むんだが。
そうかといって、幾らでも「考慮時間」があるわけではないから、そこそこで打ち切る判断もさせないといけないから、プログラムを作るのも大変そうだなぁ!

長安から河西回廊へ [0211]
『長安から河西回廊へ NHKシルクロード 陳 舜臣、NHK取材班著 日本放送出版協会 1988年5月 1刷 定価\700』 (購入\105税込み)
この本は、始めの章では「唐の帝政」や「長安の成り立ち」などを“俯瞰的”に眺めさせてもらえるのだが、ある箇所、正確には、取材記から、がらりと平面的というか“映像的な描写”に変わる。
何気無く読んでいたらと、オッ!と声を上げるほどの落差を感じてしまった!
それは著者が違うから当然のことだといえばそれまでだが、映像を見て読み取れることは、多寡が知れているということでもあるのだろう。

“唐代”を俯瞰的に眺めるといえば、大変興味深い解釈(著者−氏の分析)のことだ。
則天武后(武則天)の治世では、権力の座を巡って凄惨な事件が数多くあり、武則天悪女だとみられていたそうだが、実は庶民の生活にはあまり影響が無く、楽ではなかっただろうが比較的穏やかな生活だったようだと書かれている。
な〜んだ!庶民が暮らしやすかったのなら、武則天は、庶民にとっては、むしろ良女ではないか!と思った。

昨今の中東のように、“独裁政権”が崩壊して民衆だけが放り出されると、群雄割拠で内紛や内戦が絶えず、反って一般民衆・庶民が割りを食ってしまうようだ。
だとすると、“民主主義”といえども、庶民にとっては、必ずしも良い政治形態では無いかもしれないと思う。
他方、共産主義者達の“一党独裁”も、“力による圧政”と“上層部の腐敗”は避けられないから、決して良い物ではない。
(ある賢者が言った“衆は愚だ”という言葉を考えると、...あ、民主党などその典型だが
南米のさる国(ヴェネズラ)のように“善政?を敷く独裁政権”の方が、低所得の一般庶民にとっては、むしろベターなのかな?
他方、高所得者層には大不満だそうだが、やはり「中庸」という言葉を思うこの頃だ。

安全国家 日本の終焉 [0208]
『安全国家 日本の終焉 不法就労外国人の脅威 高尾 栄司著 光文社文庫 1992年2月 1刷 \440税込み』 (購入\105税込み)
この本では、最近、また声が大きくなって来た「外国人労働者の受け入れ」について、様々な現場での実例を挙げて警告を発せられている。
一番問題なのは、朝日新聞などのマスコミを始めとした、人権運動屋(?家)達の暗躍(?)で、外国人労働者の不法就労を容認、促進し続けて来たことだ。
まぁ、その連中の論のひとつは、
...「出稼ぎ労働者自身の組織、運動づくりと、彼らをサポート(支援)する受入国側の運動と、その二つがこれから必要だということね」...だそうだ。
ところが、“出稼ぎ労働者”の多くは、実は、適法を装わせた(合法に見せ掛けた)不法労働者達なのだが、彼女たちはそんな事はお構い無しってことのようだ。

それ以上に問題なのは、外国の犯罪組織の手引きが活発化していることや、日本側の雇用者達の“欲と愚かさ”で、なかなか“法規制”で抑えられない状態になって来ているという。
...つまり、雇用者や協力者側が、“法規制”を如何に上手く逃れるかに腐心しているそうだから、日本も救われない。
挙句に、どんどん外国人(不法)就労者が増え、それに伴って、逆に日本人労働者が離職を余儀なくされているのが現実らしい。
(この本は、1992年発行版だが、2015年の現在では、更に状況が悪化しているだろうと思う)

“法規制”などなんのそので、増え続ける外国人労働者達だが、その“法規制”とてザル法だし、後始末(例えば、労災保険金や本国への強制送還費など)にも多額の血税(私達の税金)が使われているのが実態だそうな。
その彼らの救済?などに、朝日新聞や怪しげな市民団体、NGOなど人権主張屋が、後押しをしているという。(私達日本人が返せそうも無い程巨額の借金を抱えながら、彼ら外国人を支援しなければならない道理は無いのに)

そして、彼らの給料は何処へ行くのか?...それは、後ろの組織や仲介屋が吸い上げているケースも多いのだとか。
オマケに、“法規制”を更に緩和しようという動きもあり、益々日本は、“外国人(不法)労働者達の天国”になって行くのであった...てんこ盛りのオマケで、日本は“スパイ天国”だそうだし、やはり“日本人の地獄−日本の終焉”は近い?!(苦笑...いや、笑い事ではないぞ!)

WinXpレジストリ [0205]
『WinXpレジストリ ポケットリファレンス 阿久津 良和著 技術評論社 平成17年12月 1刷 \1,780+税』 (購入\108税込み)
もう今は、Win7へ移行しつつあるので、今更WinXpなど不要かもしれないとは思うのだが、“道具の一つ”のつもりで買ってみた。
しかし、さらさらっと見たのだが、かなり、もの足りない。
...というか、私の求めるものが、(自分の実力以上に)複雑かつ深過ぎるので、こんな「ポケットリファレンス」に載せられるような内容ではない?あるいは私自身が読み解けない|活用出来ない?せいだろうと思う。

実力以上”ということに関連して、先日、“日本人人質脅迫・殺害事件”の後で、「もっと何とか人質を救出する方法は無かった?政府の努力は十分だったのか?」とかいった(愚)論があったようだが、あれなどは、自分や自分達日本国の実力・スキルのレベルを知らないか、あるいは期待が(妄想的なほど)過剰なのだろうと思う。
勿論、自分(達)のスキルを高める努力はしないといけないとは思うが、自分(達)の実力以上のことは、それが出来る人達に任せるか、それとも諦めるかのどちらかだ。そして、(つい、云いたくなるのだが、)タラレバは云わない”ようにすべきだと思う。
孫達には、“常に、そうした姿勢で努力しなさい!”と教えようと心掛けている。

日本人改造講座 [0203]
『日本人改造講座 在日外国人が本音で語る 桐山 秀樹著 東洋経済新報社 1994年12月 1刷 \1,300税込み』 (購入\108税込み)
この本も、最後まで読む気にならなかった。 ...表題は面白そうだったのに!
まず、序文の内容からして、日本人や日本文化がどのように育てられ|育って来たかの分析が、ちょとオカシイ!中途半端で浅薄な感じ。
それに、取り上げている内容も、単に(外国人の)個々人の嗜好や習慣・風習の違いに過ぎないものが多い。
例えば、...『外国人が気にする電線は、日本人の眼には映らないのか』というテーマなどは、日本の敷設当時の経済力やその時の美意識を無視した(お金持ち特有の?)話だ。
この節で分かるように、どれも外国人たちの愚痴だけではないか?!ってこと。
その他、風俗(俗にいう下ネタ?)に近いテーマも多いので、読んでいて飽きて来る。
勿論、私達日本人自身、あれこれ改善したい項目(不合理、不経済な習慣や言動)もあるけれど、それとて程度問題だし、あまり参考になるような内容は無さそう。どれも話が限定だったりして、深耕性や汎用性が無い。
こんなのを読む暇があるなら、もっと、面白い“小説”や“漫画”の方がマシ!だと思う。子供や孫達には薦めたくない本だ。

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