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物事追及集 二〇一七年十月版



北方−岳飛伝(八)  「十月二十八日」
『北方−岳飛伝(八) 北方 謙三著 集英社 2014年2月 1刷 ¥1,600+税』 (購入¥510税込み)

詰まらぬ愚痴だが、まず、本の値段のことについて書いておく。
残念だが、この巻以降は、もう(「BOOK-OFF」でも)“中古本並み”の(定価の半額に近い)値段でしか手に入らないようだ。乱読気味の私には、最早不適当な値段なので、この巻で暫く打ち止めだ!


この巻の内容は、勿論多様なのだが、その中で興味深く思ったのは、岳飛が一人の部下と共にメコン川の中流域にまで落ち延びるのだが、そこへ元の部下が我も々々と集まって来て、再び「兵家軍」を構えられるほどになったという。
これは、岳飛が持つ“強い意志や腕力”と“節操の確かさや強さ”と“それに魅せられる人達”というものを、著者は描きたかったのだろうと思う。
喩え、“夢”ではあっても、やはり、人々がそうしたものに集まる傾向は、誰もが認めるものではないか。

それに就けても、先般の衆議院選挙での“希望”という党の代表の小池東京都知事の下に集まった人達/輩/連中は、一体何を望んで集まったのだろう?人物の魅力?それとも、その政策?あるいは、その仮想的な評判?それとも、単なるマスコミの煽り?

元々、小池東京都知事は、“都政”の問題・課題すらきちんと片付けられる能力すら持って居なかったはずだ。
にも拘らず、さらに“国政”にまで手を出そうとしたわけだが、どうも、それは当人の“意思・意向”というよりも、周りや、特にマスコミ・マスメディアによる“煽て(オダテ)”、または“茶化し”に乗せられてしまった感がある。
任期途中の東京都知事として、今は“国政”などに出るべき時期ではないにも拘らず、マスコミ・マスメディアの連中が、やたら“国政への進出”を問い掛け/唆していたのが目立った。
...あれなど、明らかに、マスコミ・マスメディア連中東京都民に対する背信行為ではないか?!
乗せられたといえば、元滋賀県知事の嘉田氏も、そうだったが、性根が定まらないまま、操られてしまっていたわけだ。
(今回の国政参加の選挙では、落選だったらしいが)

そうしたことを考えると、(安倍首相の後の)次期首相候補として、昼行灯の岸田氏や、軍備オタクの石破氏などは“真っ平ご免!”だな。
ダークホースとして期待したいのが、河野外相辺りか。
安倍首相も、そのつもりで、(愚かな親父サンのような)失敗はさせないように、彼を丁寧に育てれば?!
北方−梁山泊”が、明確な見返りを何も期待せずに(?)、岳飛を助け、バックアップしたようにだ!(笑)



セルフヒーリング入門  「十月十八日」
『セルフヒーリング入門 高塚 光著 飛鳥新社 2010年4月 1刷 ¥1,200+税』 (購入¥972送料・手数料込み)

店頭では見付けられず、やっと、ヤフオク!で見付けて買ったのだが、送料・手数料で、元の本代の3倍にもなってしまった。(愚痴)
今だに、“アトピー性皮膚炎”を自力と市販薬で治そうと頑張っているのだが、なかなか綺麗には片付けられない。
“あちらを抑えると、こちらが出て来る”ってなのが現状だ。両腕は綺麗に治ったが、今は唇周りと、左耳の中が問題。
ま、それはそれとして、「自己治癒力」を増せば“病気”や“疾患”などは、自ずと解消するのだろうが、それを実際にどうやるか?が目下の難題!...で、参考として、この本を買ってみた。

全体的・文章的には、“もうひとつだなぁ...”と思ったが、具体的な手法として、二点が大変参考になった。
 +“右脳”を使うには、目玉を右上方向に向けて、静かに目を瞑る。
 +ゆっくりと10秒掛けて息を吸い、息を吐く。
右脳」を活用するという話はよく聞くし、それを利用せよという説明も納得出来るのだが、それを使おうとしても、実際には上手く出来ないし、使えているという感じすらしない。
でも、「目玉を右上に」とやると、何となく“右脳”に加重が掛かる感じがするので、これはいい方法かも!と納得。
まぁ、「右脳」を働かせるのって、並みの人間なら、“忍耐強い修行”が必要なんだろうと思うが。

呼吸に関しては、10秒間も掛けた呼吸など出来ない。
“短く早く”が(モットー?でもないが)、常で、どうやっても“浅い呼吸”にしかならないのだ。
特に、パソコンを前にしていると、前屈みになるので、必然的に浅い呼吸になる。
まぁ、それで酸素不足になることもないが。
ところが、“ゆっくりした呼吸”を試してみると、面白いことに、嫌でも「深呼吸」になってしまう。
これがなぜ、必要なのだろうか?
普通は、精神を落ち着かせるためというのが、一番分かり易い。

だが、「深呼吸」というものを物理的・身体的に考えてみると、実は、内臓に影響を与えているのではないかと思う。
「深呼吸」によって、横隔膜を押し広げることで、下にある臓器にまで刺激を与えることが、好い影響を及ぼすのではないか?
...深く息を吸って、身体の隅々まで酸素を行き渡らせようということでもなかろう。
肝臓や副腎などは、常日頃は“ほったらかしの日陰者扱い”なんだが、深呼吸時に軽い刺激を与えて、(奥の臓器達を)“認知”してやるわけだ。
今までは、「深呼吸」なんて“精神的な効果だけ”だろうと思っていたが、実は、「(下働き)内臓への刺激」と考えたら、納得出来るような気がする。(笑)
これからは、出来るだけ、“内臓刺激&活性化”を意識した「深呼吸」を試してやろうと思っている。



楊令伝(九)  「十月十日」
『楊令伝(九) 北方 謙三著 集英社 2009年4月 1刷 ¥1,600+税』 (購入¥200税込み)

やっと、九巻目まで読み進めた。
北方水滸伝」全十九巻を含めると、この「楊令伝」九巻を含めると、実に二十八巻目となる。
毎日平均一巻ずつ読んで来たが、“飽きる”ということが無かった。
各節ごとに登場人物が異なるので、話の内容も“人生色々、向きも色々”となってしまうのが普通なのだが、この小説にはきちんとした中心軸・芯があって、それがぶれないので、“飽きない”のだと思う。

そして、この話は九巻目で、第二の“大詰め”を迎える。
第一の“大詰め”は、「水滸伝」の終わりで「梁山泊」が宋軍によって攻め落とされてしまうところ。
第二の“大詰め”が九巻目では、残り六巻もあるので、ちょっと早過ぎではないか?と思ったが、少し読み進めると、”次のステップの始まり”であることが分かって来た。
これまでは、「宋軍」と「梁山泊軍」との“戦いが中心の話”であったが、これからは、“梁山泊国造り運営”(民生・政治・経済)の話に変わって行くわけだ。
今までの「梁山泊」は、全体が“戦闘集団”でしかなかったが、これからは、別の“組織”に成長して?行くのだろうと思う。
それが、後の「岳飛伝」にも繋がって行くらしいので、愉しみは尽きない♪



新・水滸伝(一)  「十月二日」
『新・水滸伝(一) 吉川 英治著 講談社 2005年3月 31刷 ¥740+税』 (購入¥108税込み)

北方謙三氏の「水滸伝」は、大変面白かったが、実は原作から大幅に改作されたものだと知って、元の原作はどんなものなのかに、興味が湧いた。
吉川英治氏の「新・水滸伝」には、少しその経緯が書かれてあるようなので、そのシリーズを、取り敢えず4巻だけ買ってみた。(4冊¥432税込み)

勅使として派遣された宋朝の臣・洪信が、龍虎山でパンドラの箱ならぬ、石窟の上の石亀を取り除いたために、封印されていた百八の悪星を世に中に出してしまったために起き始めた事だという。
この本の一節にこう書かれている。
−ここに、百八の“けい惑星”が、封を破って地上に宿命し、やがてその一星一星が人間と化して、かの梁山泊を形成し、ついに宋朝の天下を危うくするという大陸的構想の中国水滸伝は、以上の話を発端として、じつに、この年代から物語られてゆくのである。...

“百八”といえば、つい、“(百八の)煩悩”を思い出すが、多分それにも関係するのかもしれない。
飛ばし飛ばし読んでみると、登場人物が怪しげな仙術・魔術を使ったり、豪傑が意外に饒舌(おしゃべり)だったりして、興醒めする箇所もある/多い?ようだ。(この吉川「新・水滸伝」だからなのかな?)
やはり、原本に近い方は、別の話として読む方が無難だな。


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