導育甘言集 2015.09   表紙頁]へ   我楽多苑 別亭 (真面目な愚痴)]へ

機会不平等 [0930]
『機会平等 斎藤 貴男著 文藝春秋 2001年1月 3刷 \1,619+税』 (購入\200税込み)
元々、この本を買ったのは、“不公平”とか”差別”とかの本質が、何処にあって、どのようにすればそこから派生する色々な問題を解決出来るか?という“命題”に役立つかな?と思ったのだが、残念ながら期待ハズレだった。
単に、現存の事象をあれやこれや一杯!取り上げて解説(?)してあるだけで、この著者は、確かに“事情通”ではあるかもしれないが、ただそれだけの話のようだ。
物事の本質を根幹まで煮詰めてあって、そこを根気良く改善して行けば、実際に(世の中が)良い方向へ向くだろう!...と思わせるようなものは、何も無い。
私の今のテーマは、「どうすれば、借金の無い日本国を孫達に渡してやれるか?」を調べ、考えることだが、その問題を追及し、解決策を考え、実行するには、やはり“有能で活発な人材”が率先してことに当たらないと解決が難しいだろうと思っている。
その時、人物の“能力差”や“優劣差”と、それを“認める意識・良識”が重要な要素になだろうとも思う。
この本は、“不平等さ”ばかりを論(あげつら)っていて、“不平等を認める重要さ”には殆ど気が付いていないようだ。(役立たず!)

日本と世界はこうなる [0927]
『日本と世界はこうなる 日下 公人著 WAC(株) 2009年12月 1刷 \1,238+税』 (購入\108税込み)
この著者は、最近益々円熟されて来たのか、それとも世俗を超越され始めたのかは、よく分からないが、この本の前半の内容は、以前に比べ益々“禅問答”の話のような感じがした。
前半は、あまりにも“日本礼賛、日本文化礼賛”の感じがあって、“じゃあ、私達日本人や日本国が、これから意図しては、何もしなくて良い、しなくて済むってことか?”と問いたくなるような内容だ。
だが、後半では、やはり日本人はこうすべきだ!こうした方がずっと日本は良くなる!ってことを書いて居られるので、安堵した。
(やはり、透徹した批判精神をお持ちの日下氏だった!)
日本人が、これから積極的にやればいいこと|やるべきことのひとつは、「ディフュージョン=普及」だそうだ。
早く言えば、“日本(文化)は優れているから、自身を持って、積極的に自己宣伝をやりなさい”ということ。
やがて、米国が、そして世界が、日本の真似をするようになるって♪(...皮肉なことに、韓国人達は、もうそれ-自己宣伝を、バカ丸出しでやってる!)

[落選確実]選挙演説 [0924]
『[落選確実]選挙演説 ビートたけし著 新潮社 平成6年6月 1刷 \1,214+税』 (購入\200税込み)
この著者は、芸人とはいえ、世相を切る腕前はかなり鋭いものがある。感心した!
(家人は、この人物の下品な処が嫌いだという。昔から、女性の殆どは汚いものに言及したり、汚い言葉を使うことを毛嫌いするから、当然なのかも)
この本を読み進めて、途中までは“そうだ!そうだ!なるほど!”と大いに賛同していたが、次第に、どの項目にも「答え=まともな解決策」が殆ど無いことに気が付いた。
例えば、「女と学生からは選挙権を剥奪します」とか、「国連は脱退します」とは書いてあるものの、そうする|出来るまでの“ステップ”が、全然見えないのだ。
...謂わば、民主党の古い公約と同じで、無理夢想ではないか?!
最後の捨て台詞は、“結局なるようにしかならないんだ!”としか読めない|聞こえないが。(私の誤解か?) 失礼だが、やはり、この本の内容も“一種の芸”ではないか?!と思ってしまった...話はどれも面白いけれど、読み終えて、“何となく、日本の行く先の道が見えた!”って感じがしない。

私は、やはり日本も(知能的)発展途上国であり、まだまだ成長しないといけないと思っている。
そのためには、皆に、幼年時からちゃとした教育をして行かないと、更なる成長はないだろうと思う。
近頃は、「公文式、七田式、ヨコミネ式の融合方式で、幼年学習の流行を作り、それに皆を乗せる策(国策)」が、比較的上手く行きそうな予感がするが、果たして、誰がやって下さるか?(苦笑)

本家ゴーマニズム宣言 [0921]
『本家ゴーマニズム宣言 小林 よしのり著 ワック(株) 2010年11月 1刷 \1,143+税』 (購入\108税込み)
この著者は、思想家であってマンガで主張をされる方なのか、それとも漫画家であって思想をお持ちなのか、その両方なのか分類が難しい。(笑)
いずれにしても、その主張されている処・意味は、明快に分かるし、面白い!
幅広い知識をお持ちだし、良く考えた上で、ご自分の立ち位置を決めて“結論”と“目標”とを定められているから、思考・思想に無理が無い。
昔の会津藩の家訓(?)「ならぬことは、ならぬのです」と同じ精神で主張されているようなので、読んでいて爽快感すら覚える。
私と意見が違う項目・問題でも、むきになって反論や否定をする気にはならない。
それはそれ、これはこれ!個々人の見方・意見の違いだ!とすっきり分けられるからだ。
勿論、私の方の知識不足なら、私も反省し、考え方を修正しなければいけないなと思わせられる事もある。
例えば、沖縄の基地問題で、連中が騒ぐほど、一般人の重い負担になっている様子が見られないらしい。
つまり、“反基地論”なるものは、もう「観念的感情論」になっているという。
一部のお騒がせ連中達の(身を挺した行動)に、皆が振り回されているのが実態らしい。
こんな生々しいレポートを平然と書けるってのも凄い!と思う。
この著者の「戦争論」、「天皇論」や「靖国論」なども読んでみたいものだ。また、探して来ようっと!

無私大道 [0918]
『無私大道 竹平政太郎の軌跡 青野 豊作著 ダイヤモンド社 1992年11月 1刷 \1,500税込み』 (購入\108税込み)
この本は、富山県出身で、地元に貢献するための幾つかの事業を起し、最終的に「三協アルミニウム工業」を設立、現在(1992年)に至った竹平氏の立志伝だそうだ。
この人物の“優れた資質”には羨望を覚えるが、私のような凡才には“その軌跡”は、役に立ちそうにないと感じた。
“本来持って生まれた資質”(というか、幼少時の環境)は、後天的に変えられるものではなく、教育的にも利用価値が少ないからだ。
私はむしろ、教育によって子供達を良い方に変えるには、どういう素材を利用すればよいか?を考えたいのだが、この本はそれには向かない。
(私の誤解?もあるかもしれないが、)手早く言えば、“ご当人の手柄話”ばかりだからだ。
まぁ、こうした話から、参考になる情報を得ることが出来る人も居るだろうが、他方、“感心、感激”ばかりしていても、教育的な情報にはなり難いとも思う。

月の魔力 [0915]
『月の魔力 バイオタイドと人間の感情 A.L.リーバー著 藤原 正彦、藤原 美子訳 東京書籍 昭和60年9月 6刷 \1,500』 (購入\108税込み)
月の運動が、地球の潮の満ち引きに関係するから、当然、その力は人間にも影響を及ぼすだろう...ということを、科学的に解明したいというのが、この著者の狙いだったそうな。
だが、残念ながら、定性的なお話ばかり、つまり沢山の影響事例は挙げられているのだが、それらはどれもこれも一過性の現象・事象ばかり!
(科学的研究で必要な)「再現性のある、定量的な分析」はあまり為されていない。
一見、数式やグラフらしきものは示されているが、それで、全ての現象をきちんと説明出来るか?あるいは再現性があるという証拠になっているかと言えば、甚だ怪しい。
謂わば、(写真や動画の沢山ある)“UFO話”や(囁かれる)“都市伝説”のようなもので、(再現性良く)科学的に証明出来る手段が無い話らしい。
科学的でないということは、“お話”としては面白いが、(ミリ単位、マイクロ単位で測らねばならない)“技術”として人間社会で役に立つものには、し難いってことだ。

教科書が教えない歴史 [0912]
『教科書が教えない歴史2,3 普及版 藤岡 信勝、自由主義史観研究会編 産経新聞社 平成17年7月/10月 2刷 各\500税込み』 (購入各冊\108税込み)
私達の時代(いや、今でもかな?)社会科・歴史に関しては、もう“授業の時間切れ”で近現代史などは殆ど“自習しとけよ!”で終わりだった。
私の場合、真面目に学ばなかったのが幸いしてか、後年になってから欲が出て来て色々な書籍を読み漁ったせいで、日本の近現代史をかなり知るようになった。
この本にもある「東京裁判」は、(日本が受けた大きな冤罪だが、)A級戦犯(?)だけを処刑する裁判を1回やっただけで、後のB,C級戦犯(?)を対象にした2回目以降の裁判は行われず、うやむや終えてしまったそうだ。
これは、諸国の知識層、特に米国の学者達からの(強い?)非難が多かったためで、本来、“すべきではなかった裁判”だったから、素早く引いたのだという。
しかし、私達日本人は、あの裁判を「正義を裁いた裁判(平和に対する罪?)」だと思い込まされていたわけだ。
結局、あれらの嫌疑の殆どがウソで、...主テーマだった「南京大虐殺」も“捏造された嫌疑”らしい。その明らかな証拠(!)は、弁護側の(真実の)反論・反証が、ひとつも採用されなかったことからも分かるという。
この本を読んでいると、実は、私達日本人は、...本当に単純で狭い人間観や世界観しか持っていないことが良く分かる。
本来、裁かれるべきでない人達が、他国人によって断罪されたのを見て、(同じ日本人同士なのに、)A級戦犯は犯罪人だ!と決め付ける“考え方”って、真に“幼稚”で“単純”というべきか。
(先般から、自民党・政府が進めている「安保法案」をネタに、安倍首相を名指しで非難する連中なども、この類だろうな。軽蔑!)

太陽と風の航海誌 [0909]
『太陽と風の航海誌 葦舟ウル号の冒険 キティン・ムニョス著 金子 一雄訳 翔泳社 1999年9月 1刷 \1,900+税』 (購入\108税込み)
この本は、翻訳が優れているのだろう、大変読み易かった。
内容は、新造した大型葦舟ウル号で、“南米ペルーからポリネシア・タヒチ島までの航海”の記録だそうだ。
その“やってみたい!何とかなるだろう!何とかするんだ!”という挑戦意欲には敬服したが、その努力の多くが、まず建造のための“資金集め”や“船大工達の作業支援”に費やされたようで、やはりこうした冒険には“多くの支援者達”が欠かせないようだ。(古代人達も、そうだったのかな?)
実際の航海では、先にトール・ヘイエルダール氏が筏舟コン・ティキ号で、南米−ポリネシア間航海を実現しているので、“未知の恐怖”などは無かっただろうと思うし、特には感じられなかった。
以前読んだ、生きるか死ぬかの漂流だったスティーヴン・キャラハン氏の「大西洋漂流76日間」ほどの迫力・緊迫感は無いが、それでも嵐で舵が折れたりする事件などは、実際に遭遇したら、その大変さは良く分かる。
いずれにせよ、こうした意欲には、羨ましさと妬ましさを感じるが、自分自身にも多少はあるかもしれないものだな。

ド素人力 [0906]
『ド素人力 ちょいワル社長 世界標準に挑む 山田 眞三著 東洋出版 2007年5月 1刷 \1,600税込み』 (購入\200税込み)
この著者の“生き方”は、羨ましい!
始めに学習や学問ありき...ではなくて、最初は素人で良い!学習は必要になった時、猛烈に徹底的にやれば良い!という考え方の持ち主だ。
そうしたやり方を武器に、幾つもの事業を立ち上げ、成功させて来たそうだ。

例えば、著者が本当に豪華な(?)庭付きの日本風家屋を建てようとした時、始めに学問(?)を持っている一級建築士などは、“新しい発想の日本家屋”を建設依頼しても、全然分かってもらえなくて困ったそうだ。
はなから、依頼主である筆者の考えを聞くなり、“それは難しい!出来ない!”と否定した上で、一方的に安かろう悪かろう(?)という建築物を押し付けようとしたという。
(そいや、今の「安保法制」に違憲だ!反対だ!と唱える憲法学者と“類似パターン”のようだ。笑)
旧い知識しか無いと、“新しい組み合わせの物”は、当然浮かばない。
逆に、知識が無くて、真剣に広く現状を調べてみると、「意外な材料」や「意外な組み合わせ」が見付かるという。
それが「ド素人力」だそうだ。つまり、“勉強するのは、今からでしょ?!”ということ!

阿比留のブログ [0903]
『阿比留のブログ 阿比留 瑠比著 産経新聞出版 2007年2月 1刷 \1,300+税』 (購入\200税込み)
この著者の記事は、産経ニュースなどで良く拝見しているし、仰っていることは、私も大いに共感しているのだが、まさか「BOOK-OFF」でお目に掛かるとは♪(笑)
で、迷わず買って来た!
そして拝見したが、書かれている内容は、情報源の確かさとその情報の収集力の強さ・広さゆえに、大変重い!
朝日新聞毎日新聞の記者・編集者達の記事の“根拠の薄弱さ”や“上滑り内容の記事”と比べると、雲泥の差だと感じる。
通常なら、3日もあれば読み切ってしまえるはずが、その重さゆえかまだ半分しか進んでいない。
それにしても、やはり“報道プロの筆捌き”は、私のような素人の記事と違って、分かり易くて、読み易くて、上手い!...(私も、もっと精進しなければと思う)
ま、それは兎も角、「何でも反対の連中」の“大声・罵声・シュプレッヒコール”が、もう時代遅れで、決して世の中の大勢ではない...(いや、実は...そうした運動は、“時代の先取り”で、世の中は既にベッタリ染まりつつあるらしい)ってことを、暴き出してくれている点で、この著者のこの本や(元の)ブログは、有意義で貴重だ!

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