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[二〇一七年十二月七日]

5000mAh大バッテリ・ジャンクを、買って調べてみた

ハンディ・ナビ機用に(そこそこの)大容量バッテリを背負わせて、長時間運用を目論んでいるのだが、時々、野外に持ち出した際、予想外に早く“バッテリ切れ”に陥ってしまう。
これは、充電時間が短くて“充電不足”なので仕方がないのだが、短時間で急速充電が出来れば、もう少し改善出来るはず。
それが出来る“制御回路”が欲しいのだが、(怖くて)自分では作れない。

そこで、最近、色々見掛ける巨大容量バッテリ(のジャンク品)の充電部だけを利用出来ないかと思い始めた。
ただ、モノの多くは中華製品だし、安全性に対しては“安かろう悪かろう”かもしれないから、(真面目に)使う場合は余程の注意が必要だろうと思う。
先回買った20000mAh(=20Ah)の制御部は、あの後なぜか?直ぐに「IP5306」というICが壊れて、出力を出さなくなってしまい、実験も何も出来なくなってしまった。セル群の方は使えるものが、2/6個。

で、今回は、TOPLAND M4510 (5000mAh)のジャンク品を買って、それの制御部の充電特性を調べてみた。(¥364送料込み)
この“モバイル・バッテリ”は、スマホなどへの充電(このバッテリ側からは放電)が上手く行かないということだったが、「押しボタン・スイッチ」を「スナップ・スイッチ」に付け換えたら、上手く行った!(図1)

兎に角、これの「バッテリ・セル(5000mAh Liポリマー)」と「充電制御回路」は、未だ活きているようなので、それらを利用することを考えた。
実験してみたら、この「充電制御部」は、やはり充電電流は1Aジャストで、5時間掛けて満充電にすることが分かった。(図2<クリック>
尚、バッテリの端子電圧は、時々4.2xVを超えていたが、また4.1xV辺りに戻っていた。(自家製データ・ロガーの値は、約0.1V程高目)

この制御回路は、スタンダードな充電方式で“安全”そうだが、充電入力が“5V、1A限定”では、“急速充電用”は出来ないだろう。もっと別のジャンルのジャンクを探してみなければ。
 
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ナビ機による放電

セルの“充電実験”をする前に、現在溜まっている電荷を全部吐き出させておかないといけない。
当初、「自作放電器(抵抗負荷)でやり始めたが、せっかくなので、消費の多そうなナビ機を使うことにした。

このナビ機は、セル電圧3.7Vのままでは働かないので、DC-DCインバータで変換(3.7V→5V)して供給した。
その取り出しは、「バッテリ端子」から直接で、スマホ充電用(実はバッテリ放電用)制御回路は通さなかった。(図3)

結果は、やはり充電不十分だったようで、約2時間半強しか保た/持たなかった。(図4<クリック>
(今回は、放電電流は測ってはいなかったが、おそらく、1Aを超えてはいないと思う)

長時間充電

充電側入力は、USB経由だから、5Vを超えないようにしないといけないだろう。
そのように設定しておいたら、「制御回路」の働きだろうが、“流入電流”はきちんと1Aになっていた。(図6<クリック>
この値は、充電完了寸前まで、律儀にずっと変わらず。

「データ・ロガー」で、“セル端子”の電圧変化を追ったが、30秒毎にプロットさせたが、これでも早過ぎ/短過ぎで、グラフが右端(208分間)まで行ってしまった。
充電が続いているので、[連続]を指定しておいて、再び左側からプロットさせているが、“急激な段違い”の箇所までが、新しいプロット部。
その時点までで、245分経過。縦線は、5分間刻み。(図5)

セルの端子電圧は4.0Vを少し超えて、電流の方は、1Aから次第に減少していて、0.5A位まで下がって来ていた。

充電終了時

“充電終了”は、[99]の点滅(図7)と、充電電流が(ほぼ)ゼロ(図8<クリック>)になることで分かる。

表示の点滅では、“注意喚起”されるだけが、充電電流が自動的にゼロになるのがいい!
これなら、安心して“放置充電”/徹夜で充電が出来そうだ。
これはこれで、充電道具/器具として、使ってみようと思う。
ただ、急いで充電したい場合、やはり、「急速充電器」が欲しい。

とは言うものの、「Li-ionバッテリ」の急速充電は難しいそうだし、様々な特許手法もあるそうだが、果たして工業化出来る完成形はあるのかなぁ?

まぁ、「急速充電制御(回路)」は、(有無は分からないが、)根気よく探そうと思う。


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