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[二〇二一年九月七日|2021/09/07]
FT-280 廃ジャンク、買い

先回、「ICOM IC-290で、「アップ・コンバータ(SA602A)」を使った「VHF帯受信機」での"HF帯受信"が、上手く行ったので、他の機種ではどうかを調べたくなって、「YAESU FT-280」の廃ジャンクを2台買ってみた。(¥3,180送料込み、¥3,460送料込み)

片方は、一応、周波数表示は出て、ノイズは威勢良く聴こえるが、アンテナからの信号は、まるっきり聞こえず。つまり、受信能力無しの状態。
もう一方は、145.000の表示は出るが、そのままで、ダイヤルを回しても表示は変わらず。ノイズ音にも変化は無し。これも、受信能力は皆無。

どちらも、"(高度な)修理"が必要なジャンクだった。(図2[クリック]
(それにしては、高く付いた。今時の"古物愛好ブーム"で、高値は止むを得ないのかもしれないが)
私は、"PCジャンク選び"に関しては、多少の経験は積んだつもりだが、この"アマチュア向け送受信機"のジャンク品の選定には経験が無いし、本格修理の経験も皆無だからなぁ。

結果から言えば、今回の"廃ジャンク選び"は、ほゞ失敗に近い
只、1台だけは、「アップ・コンバータ」を使えば、弱いながらもHF帯信号の受信が確認が出来たので、それだけが成果かな。(図1
ノイズが多く受信信号は微弱なので、性能的には、上述の「IC-290」とは雲泥の差だが。

今回の"ジャンク購入"で分かったことは、安価で良質の(ジャンク)VHF送受信機は、最早、偶然でしか入手出来そうにないこと、また、修理の手間や費用を掛けるほどの価値は、(ジャンク)VHF送受信機には無い、ということ。
まぁ、余程思い入れのあるモノでなければ、修理する意欲が湧かないから、過去に使った経験の無いモノは、やはり選ぶべきではないなぁ。

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+++ PLLユニットの入れ替え +++

兎に角、どちらも受信能力が無いので、先ず周波数表示が変化する方の「FT-280」を調べてみることにした。
"手持ち道具"は、120MHzまでしか出ない「信号発生器」、UHF帯まで出る「ディップ・メータ」、それに「オシロ・スコープ(30MHz、100MHz)」、500MHzまで測れる「汎用カウンタ」の、至って豊富な機器類!(苦笑)
(それに、「nanoVNA」もあるが、今回は殆ど使わず)
資料として、「OPERATING MANUAL FT-280」を該社サイトからダウンロードさせて貰った。(感謝! でも、写真が黒く潰れていて見難いのが、残念!)

RF信号を入れて、音声出力を聴いていると、どうやら10.81MHzの"中間周波数増幅段"以降は、ほぼ正常らしい。
でも、"信号強度表示"は変だ。相当、大きい入力でないと反応しない。
やがて、どうも"PLL内部"が異常らしいことが分かった。所定の電圧が出ていない箇所がある。

多分、修理は"部品の交換"になるだろうが、それもかなり面倒だ。
思い切って、他方(表示が固定している側)のPLLユニットとの、丸ごと交換を試みた。(図3
結果は、ほゞうまく行ったのだが、面白いことに、実は、中身の部品数が違っていたし、コネクタのピン数も違っていたのだ。
新しい方は、(改良されて?)部品点数が少なくなっていたが、これが不良化して、発振停止の模様だ。
旧い部品点数の多い方は、所定の電圧が出ていて動作しているようだったので、それ使うことにしたわけだ。
余ったピン端子は、そのまま放置した。それがどのような影響があるかは分からないが、取り敢えず、"外部信号の受信"は出来たから、今もそのままにしてある。


+++ 無駄な小細工 +++

オシロで見ると、PLLからの局発信号("CARRIER OUTPUT")が、本来の170〜230mVよりも低い感じがしたので、「豆粒アンプ(BGA2851)」で、仮の増幅回路を作って入れてみた。(図5
少しノイズが増えただけで、受信信号の増強にはならなかった。
もしかしたら、PLL回路のもっと根源的な処の問題かもしれない。(が、良く分からん)

試しに、アンテナ入力部に、その「アンプ」を入れてみたらどうだろうかと考えた。
でも、雑に作った回路では、ダメだった!(図6[クリック]
強烈な"ノイズ増幅器"になってしまった。

多分、アンプへの"電源供給方法"の拙さや、"電磁シールド"が無い為、などだろうと思うが、これ以上、"外部アンプ"に手を掛けても無駄な気がしたので、止めた。
(必要なのは、受信機内の増幅部の個別チェックだろうと思うが、この一週間、ノイズの聴きっぱなしなので、それにも少々飽きて来た。

...注文していた「水晶発振器(140MHz、125MHz)」が来たので、良く聴こえる「IC-290」の方で、試してみようと思っている。


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