[080531]
EX-V7ジャンクを、分解してみました.
ジャンク市で買った物のひとつで、一番面白そうで愉しみだったのが、この(レンズが出張らない7倍ズーム機)CASIO EX-V7のジャンク。(\3,000税込)
筐体下側の両角に当て傷と凹みがあり、落下させた形跡があるものの、周りは比較的傷などが少なくて、まぁ良い状態でした。
(で、かなり、期待したのですが)
清浄化後、試しに仮電極(左写真<プッシュ>で)を突っ込んで電源を供給してみたけれど、どうもはっきりせず。遂には、専用バッテリ相当品NP-50を買ってテスト。(総費用\1,198)
結果は、電源入らず、動作せず。(嗚呼無念!かなり未練が残りました)
数度分解して見ましたが、回復せず、また原因も突き止められず。止む無く、分解要領の記録だけ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
前カバーを外す.
この機種も一種の寄木細工or木組みからくりで、外す順番を違えるとなかなか外せません。
まず、見える/隠れているビスを全部外したら、最初は前カバーで、三脚孔に近い側面に少し隙間を作り、そこにドライバの先を噛ませて、シーソーに要領で下側を押しながらレンズ側を持ち上げるようにして、外します。(一度でダメなら、二度三度。支点は上へ上へと)
主・副基板を見る/外すだけなら、前カバーを外すだけでOKで、以下の3ステップは不要だったのですが、LCD交換などの場合は、後ろカバーも外す必要があります。
飾り板を外す.
後ろカバーを外す前に、飾り天板と側板を外します。
これらは、単に嵌めこみになっているだけで、スライドさせて抜き出します。
無理に抉じ開けようとすると、へそが千切れてしまうので、慎重に向きを確認してから、抜きに掛かります。
天板は手前へ、側板は三脚孔の方へ抜き出し。
(実際は、ごそごそ触っているうちに、ひょいと抜けたのですが)
(外す前は相当悩みますが、外した後で眺めると、なーんだ!こんな構造か!と)
後ろカバーを外す.
もし、LCDが割れていて交換したいとか、押しボタン部が不調の場合は、この後も続行しますが、LCDあるいは押しボタン類に用事が無ければ、分解はこの手前までで、止めておく方がいいかも。(何故なら、見ても大して面白いものではないから?!)
で、後ろカバーを外すには、ビスを上面1本、側面2本を外します。(これらは、見れば直ぐ分かる!)
LCD部を外す.
後ろカバーを外して見ましたが、何とまぁスッキリ!
押しボタン部には裏板があり、開けたらバラバラとボタン類が零れ落ちるって事もありません。
LCDは、上角2箇所で止められていて、止め板を先細ペンチで少し広げてやると、簡単に外せます。
左写真<クリック>で、LCDを外した様子...赤丸印が止め板。
(それにしても、裏側もスッピン!で、特に見る程のものも無し。逆に、構造としては、よく出来ていると思いました。でも、コスト高の要因になりそう?)
主基板を外す.
さて、トラブルの所在を探すため、副&主基板を外します。
まず、上の副基板は、2箇所のビスとフレキ・コネクタ1箇所を外して、フレキ・コネクタの下辺りにコネクタがあるので、そこを持ち上げれば外せます。
主基板を外す際、右端のフレキ・コネクタはあまり見掛けないタイプで、留め方も要注意!(左/上写真、赤丸印。これは、戻すのも苦労しました!ホント、この留め方でいいのかなぁ?)
不注意に跳ね上げたせいで、一度押え板を飛ばしてしまい、探すのに一苦労。それに、片側のちっちゃな支点も壊しちゃった。
また、基板を抜き出す時、下側のクレードル接続端子が引っ掛かって抜け難いので、ここを押し出すようにして抜き出します。(左上写真<クリック>で)
主基板の表.
抜き出した主基板の表側が左写真。<クリック>で、その拡大。
「落下」のショックで、何かパーツが外れていないかと、ルーペで探し回りましたが、それらしき箇所は何所にも無し!
左側のLSIの表面の引っ掻き傷様の跡は、半田鏝で加熱してみた時のペースト残渣。
これは、ボール・ボンディング外れを疑ったためです。(こんな位では無理なのですが、藁をも掴む想いで...やはりダメだす)
下左端の小さな2孔ソケットが、蓋スイッチからの接続口で、テスト時は、この端子の両端を接続/開放していました。
主基板の裏.
主基板の裏面は左写真。<クリック>で、その拡大。
こちら側には、主に電源関係のパーツが載っていたので、テスタなどで追跡してみたのですが、バッテリ端子の直ぐ近くで、煙に巻かれてしまいます。(+3.7Vの行方や、何処に?)
多層基板だし、パーツも小さいので、追っ掛けるのは容易ではない、と云うより、ほぼ不可能!?
尚、コイル類は、いずれも断線や剥がれは、無いようでした。
RTCは活き.
中央上やや左側の小さなボタン電池の両端電位差が、0.13Vとかなり低かったので、試しに3.6V程を直接加えて、充電してみました。(左写真)
そしたら、RTC(リアル・タイム・クロック)の発振(32.768KHz)が現れました。(左写真<クリック>で、発振波形:主基板表の細長いパッケージ「EAG1」が発振器)
しかし、それ以上のものではなさそうで、メイン電源の方は一向に通じず。(せめて、何処が悪いのかが分かるだけでもいいのですが、今は皆目見当が付かず)
探索の果てに.
「電源入らず」の原因が、よく分かりません!落下時のショックで何が起きそうか、色々考えてみたのですが、手段も少ないので確認が難しい。(もしかしたら、落下ではなくて、別の原因かも?)
x フレキ・コネクタ類の抜け、ずれ
x コネクタ端子の剥がれ
x パーツ類の剥がれ
? コイル類の断線、内部ショート、コア割れ
? IC,LSIボンディングの局部剥がれ、内部の断線
? 多層基板内部の断線
? 水晶発振子の割れ
今回は、レンズ部は、「電源入らず」には直接影響しないだろうと思ったので、分解はしませんでした。
それにしても、電気・電子周りは大変スッキリと作られていて綺麗だし、ルーペで詳細に観察しても、何処も悪くないような感じを受けます。
こんなのは、密かに不具合が発生しても、容易に発見し難い/出来ないですね。
(後もう少し調べてみて、進展が無ければ、お蔵入りだな!)
[表紙頁]へ 関連記事の目次へ [一言板]へ