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[二〇二一年九月十七日]
LCD カウンタを買って、旧い自作ディップメータで、確認した 

1MHz〜1.2GHzの範囲が測れるという小型・組込用「LCD表示カウンタ」を買った。(図1 $7.33+送料$3.4 ¥1,157送料・手数料込み)
行く行くは、これを使って、(簡易型の)"LCD表示付き信号発生器(+周波数カウンタ)"を作ってみたいと思っているのだが、その具体案は未だ無い。

そのカウンタを検収をする為に、1MHz〜35MHzの範囲の"確認用信号源"として、戸棚の奥に押し込んであった古〜い自作の「ディップ・メータ」を使ってみた。(図2[クリック]
(35MHz以上は、「ADF4351 Signal Generator 35M〜3GHz」の出力信号を使えば、簡単に確認出来るのだが、それ以下の周波数帯は、大型の"信号発生器"を、奥から引っ張り出さないといけないので、面倒なのだ)

この「LCD表示カウンタ」の1MHz〜190MHzの範囲のカウント機能は、確認は出来た。
面白かったのは、こんな真空管式の古い「ディップ・メータ」が、まだ元気よく働いていることだ。
ちょっと、分解して、昔を振り返ってみた。

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+++ 低周波数帯の確認 +++

残念ながら、この「ディップ・メータ」の下限周波数は約1.5MHzなので、「LCDカウンタ」の下限を確認することは無理だったが、"表明下限:1MHz"は、まず間違いなかろうと思う。(図3
他方、この「ディップ・メータ」の実質上限:187MHzも確認出来た。(話が、逆ではあるのだが。笑)

当然だが、低い周波数になると、検出用"ワンターン・コイル"は密結合にしないと、信号が"正しく"検出出来なかった。(図4[クリック]
疎結合だと、誤動作して、あらぬ周波数を表示してしまう。
それも、安定して表示しているので、うっかりその値を読み取ってしまい、間違いに気が付かないこともありそうだ。


+++ ディップ・メータの中身 +++

元々は、L(コイル)とC(キャパシタ)とで構成した"LC共振回路"の"共振周波数(または、同調周波数)"を調べる為に造ったもので、"弱い電波発信源"なので、その"共振回路"に電波を吸い取られて、発振強度がピクリと減少(Dip)する(微妙な)現象を利用している。

発振に使っているのは、高周波増幅用真空管9002」(「6AK5」に類似だったはず)で、ヒータだけは6.3V,0.3Aのトランスを使い、高圧側はAC100Vをそのまま整流して利用した"トランス・レス方式"だ。(図5

この筐体は、そのまま持つとビリビリ(電撃)が来る時が(稀に)あるので、その時はACコンセントを差し替えてグランド側を同じにする。
そのグランド側にマジックで黒く塗ってあるのも、懐かしい♪(図6[クリック]左上側

また、アルミ・ケースの蓋のビス止めが難しい。タップを切ってあるのだが、幾度も開け閉めしている内に、段々緩くなって、バカになってしまう。
それで、ナットを仮止めするのに、補助金具として卵ラグを切ったものを半田付けしておくのだが、余り上手く出来ていなかったようで、今では、幾つも欠けている。(図6[クリック]右下側
今考えると、卵ラグを逆向きに使って、ビス孔が2か所出来るような"補助金具"にすれば良さそうに思うが、当時は(手廻しの)「ハンド・ドリル」しか持っていなかったから、多分、卵ラグの穴開けに苦労したのではないかな。


+++ 実回路 +++

回路は、標準的なモノで、コイルは、周波数帯毎に差し替えて使う方式。(図7
高い周波数帯では、バリコンの容量を小さく(FM用だけに)するように、コイルの接続方法を工夫してある。(図2
そのコイルの巻き線は、ボビンの先端近い所に巻いてあり、被測定対象に近付けて電磁波を吸収させ易くしてある。

また、これを"RF信号発生器"として使う時には、変調信号として、ネオンランプの発振周波を使っている。 (が、何やら、改良してあるようだが、これは出来るだけ少ない小さい部品で、色々なことをやらせようという魂胆だった。私は、今でもその癖が抜けない)

ノートの見開きに、ダイヤル目盛と周波数の対照表も、残っていた。(図8[クリック]
何で校正したのかは、よく覚えていないが、あの頃は、「RFオッシレータ」を持っていたような記憶があるので、多分それを使ったのだろう。
これの使用目的が、L(コイル)やC(コンデンサ)のおよその値を知る為に使っていたから、高精度ではなくても済んでいたようだ。

+++ 単一周波数の信号発生 +++

こうした(アナログ的な)"LC発振回路"は、波形を歪ませない限り綺麗な正弦波、つまり"単一周波数"の信号を出し易い。
他方、デジタル的な信号発生回路は、そのままでは歪が多く、基本波以外に高調波や低調波を含んだ信号しか出せないので、色々な細工をする必要があるはず。

なので、自作の"信号発生器"を作るなら、"LC発振回路"を使うに限るのではないかと思う。(ま、腕に依りけりだが)
それの発振周波数を、"(デジタル)カウンタ"で表示すれば、素直な"単一周波信号発生器"が出来るだろう。
...実は、この「LCDカウンタ」を利用して、机上に置いて直ぐに使える(小型の)「信号発生器周波数カウンタ」を作りたい。
(でも、前面は格好良くしたいので、ある既製品を巧く流用出来ないかと、色々物色中)


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