[表紙頁]へ 関連記事の目次へ
[130421]
ADVANTEST 光パワー・マルチメータ TQ8215を、買った
“野鳩追払い用”の光線銃の“トリガ・ボタン”を押し続けていると、やたらレーザ光の輝度が上がるので、本当にmax 5mW (5MWではない!Mega-とmilli-とは、大違い!)なのかどうか気になって、出来れば調べてみたいと思った。
手持ちの「光パワーメータ」は、max 1.99mWまでだから、これはもうお呼びでない!
偶然、ヤフオク!に、「光パワー・マルチメータ」の出物(TQ8215+TQ82010+TQ82017)があったので、それを祈る思いで入札、辛うじて落札!(総費用\2,558送料込み)
(あちらこちらに傷や汚れのある)ジャンクだが、比較的程度が良く、「光出力」だけでなく、「電圧」や「電流」なども測れるので、大変良い買い物だったと思っている。(左写真&クリック)
机上の棚を片付けて、取り出して来て使うテスタの代わりに、これを常置して使うつもり。(...使わないのに、時々意味無く電源を入れてみたりして。笑)
ところで、これで測った「レーザ・ポインタ」の「光出力」は、公称1mWと5mWのものだが、驚いたことに大変な値を示した。
こんなパワー値?!昔なら、大騒ぎ?...でも、私は(注意して使って、)“野鳩”や“カラス”を上手く追払えれば、結構だと思っている。
日本では(売る上での?)法規制(消費生活用製品安全法)があるそうだが、...こんなのは自己選択&自己規制&自己責任で、各自が注意して買って使うべきもので、もし、これらが犯罪や迷惑行為に使われた時にだけ、国でビシリと抑えて貰えばいい!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メータ購入の経緯
(買ってある)「レーザ・ポインタ」の光出力の表示値|公称値は、シナ|中華からの輸入品だということで、どうも信用が置けない。
日本国内法では、生活用品は「1mW以下」と規制されているから、“<5mW”なんて、妙な表示にしてあるようだが、どうも、このキラメキ具合だと値が違うのでは?と疑問が湧いたので、自分で測ってみたくなった。
そう思って廉価な測定器を探していたら、丁度タイミングよく、しかも程度の良いジャンク品が、ヤフオク!に、数台出品されていた♪(左写真&クリック)
幸い、その仕様概要については、ネット上にカタログ(ADCMT資料)が存在したので、大体必要な特性−「測定最大パワー」、「波長補正機能」が確認出来た。(資料、感謝!<(_"_)>))
こうした測定器類は、最近は高目だし、この類の需要がどの程度か良く分からず。
で、恐る々々、目一杯?掛けておいたのだが、何とか程々で落札出来た!幸運♪(尚、その終了時刻には、こちらは健康維持のため、白河夜船zzzZ)
発光波長とセンサの波長依存性
今時の「レーザ・ポインタ」には、それぞれの発光波長が明記されたラベルが貼ってある。(左写真 “パワー値”の方も表示されてはいるが、これはかなり曖昧だぞ!)
(でも、これを張り替えたりすると、別途、波長の確認が必要になり、面倒・厄介だ!)
光パワー測定の際は、測る色|波長によってセンサの感度が違うので、補正が必要になるが、このTQ8215は、「波長の設定」をすれば、自動的に出力値を補正してくれるようだ。
付属していたセンサ部TQ82017は、標準的な「Siフォト・ダイオード」で、これの波長依存性は、左写真<クリック>の図(青線)の如くだそうだ。(ADVANTEST資料より抜粋)
やはり、(緑色が最高感度の)人間の眼と違って、赤色から赤外の辺りにピークがある。
ビーム径の問題
ところで、センサ面にレーザ・ビームを当てる際、出来るだけ垂直に当てるよう注意しているが、「レーザ・ポインタ」によってはビーム径や形状が異なるものがある。(左写真)
そんなものの影響があるのか無いのかが気になったので、調べたら、余程ビーム径が小さくない限り影響は無いらしい。(左写真<クリック> ビーム・スポット径の影響:日置技報 VOL.26 2005 NO.1 「3664 光パワーメータ」 多羅沢 公一氏の論文から拝借)
ただ、実際にセンサ面を照射しながら出力を見ていると、面上の場所(位置)によって、多少出力にバラツキがあるようだ。
だから、出力最大値を調べる時、無意識にビームを動かして最大点を探している自分に気が付く。(苦笑)
(バラツキを考慮した正しい測り方は?といえば、メーカでの校正時と同じ方法にすべきだろうが、それは無理!次善の方法は、面内9箇所の平均値を採る事かな?...でも、そんな精度が無意味なほど、レーザ出力の変動の方が大きいのが、現実だった!)
光出力を測る
[緑色 5mW光線銃]と[赤色 5mW光線銃]の最大出力を調べてみた。(左写真&クリック)
条件は、[緑色光線銃]の方は、電源が公称3.7VのLi-ionバッテリ1個。
同様に、[赤色光線銃]の方は、新しい単3型アルカリ電池2本。
これらの出力表示を見ると、飛んでもない値である。
まぁ、これらの“キラメキ度”から考えると、そんなものかなぁ!...とも思うが。
確認のため、以前買った単4型アルカリ電池入りの[緑色 1mWポインタ]では、これで測るとおよそ1.7mWと出る。
(ただし、これは一時的な数値であり、点灯する毎に、かなりバラツク。以下同じ)
また別の[赤色 5mWポインタ]ではおよそ5.4mWと出たので、この測定器が、異常にオカシイ値を表示しているとも思えない。
もしかしたら、これらに使用している"電源への依存性”はどうかな?と思い、(「ポインタ」の)電池ごとケース|筒を入れ換えてみた。
(「ポインタ」の電池を入れ換えただけで!)これ(赤色)の光出力がおよそ9.5mWになっちまった!...ひゃー、物凄く“電源依存性”があるってことだ!(ナンタ〜ルチ〜ア♪)
オマケに、電池がヘタって来ると、ビーム出力も弱くなってしまう。(そりゃまぁ、当然かも!)
電圧を測ってみた
(丁度お誂え向きなので、)物凄いパワーを出している[緑色 5mW光線銃]の電源電圧を、このマルチメータで測ってみた。(左写真クリック)
満充電後の電圧は約4.4V(左写真)で、これを抵抗など介さずに直接、電源端子に繋いであるから、やはり、これがハイパワーの原因になっているみたいだ!(...納得!)
これで、やっと“キラメキ”の謎が解けた!「中華製レーザ・ポインタ」のダイオード(LD)駆動回路は、いい加減な制御しかやっていなくて、電流は流し込み放題ってことらしい?!(脅)
お蔭で、私の方は、鳩やカラスの撃退がやり易くなっているから、むしろ歓迎なのだが。
だけど、うっかりして、遠くの飛行機などを撃ち落とさないように気を付けねば!(冗談)
[表紙頁]へ 関連記事の目次へ