[060531]
LCDモニタ・キットを、組立てました.
軽便・小型のモニタを入手/作成するのが、昔からの念願でした。
近頃では、14型以上の中古品やジャンク品など容易に入手出来ますが、10型以下のものは殆ど見掛けません。
(以前、うっかり買った9型モニタ(4000PCI)は、簡単には使えそうにないので、そのまま放ってあります)
自分で書込み可能なゲートアレイ(FPGA)や1チップ・マイコン(MCU)を使えば自作出来るらしいことは知っていましたが、そこまで手を伸ばす気力も無いし...
それで、ダウン・コンバータ+TVを使った紛い物などでお茶を濁そうかと色々試していましたが、一向に満足出来ず。
今回、思い切ってAitendo社「基本キット LVDS出力タイプ B-200N」を買って作ってみる事に。(\4,820税込+送料\1,000+振込料\315)
相当苦戦するかなと思っていましたが、コード書き換えの難関をクリアしたらあっさり完成。
但し、一度、該社サポート・センタのお世話にはなりました。(デフォルトの制御コード/制御プログラムをメール添付で送って頂いた)感謝!
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キット購入・組立て.
該社のキットの値段が一万円を超えていた頃は、“これだったら、中古ディスプレイの方がいい”と、横目で眺めていた程度でしたが、それが五千円近くになって“高目のジャンク”の範囲に入って来ました。
ちょうど、ダウン・コンバータを弄っていた事もあって、物は試しと買ってみました。
店のレスポンスはよくて、品物は送金の翌日送られて来ました。
キット品を並べてじっくり眺めていて、ハードウェアは値段の割にはよく作ってある。と言うか、少量生産品だとすると、(生産場所が何処であるにせよ)よくこの値段で出来るものだ!と一頻り感心。(ま、販売台数がもっと多ければ、それ程感心するほどの事でもないかな?)
他方、ドキュメント類は大変オソマツ!基本的な接続図だけで、“後は勝手にやりなさい”的。(その分、コストを下げているのかも知れませんが、端子名を書いた1枚物のシートなどを「仕様書」と云うのは、ちょっとおこがまし過ぎるなぁ)
まぁ、ジャンク品(の修復時)などもこれと似たようなもんだから、あまり期待はしていなかったのですが、サポートがあるだけまだ良い方でしょうか。
補填加工作業.
使う予定のパネルは、SS3010/3020から外したLTM10C286(TFT-SVGA 800x600 LVDS結合タイプ)で、表示は汚いのですが動作は正常なもの2枚。
これを働かせる上で準備しなければならないのは、まずは、コネクタ+ケーブル類です。
キットのLVDSケーブルはピン数が合わないのでそのままでは使えないし、改造してしまうのも勿体無いので、元々LTM10C286パネルに使われていたコネクタ+ケーブルを加工して、間に合わせました。
一方のキット側の2mmピッチ・コネクタは曲者で、単品を日本橋で探し回ったけど廉価なのが見付かりません。(あっても自棄に高い!)
そこで、ジャンク箱にあったmobioNXの2.5"HDD接続用のコネクタを改造して間に合わせました。(いずれも、切断時は断腸の思い。合掌!)
蛍光管用高圧端子も、細口型で、合わないので、手持ちの蛍光管から外して付け替え。(左/上写真のクリックでその端子)
動作状況.
接続完了後、電源を入れたら、素直に画面が出て来ました。でも、何だかおかしい?SVGAパネルなのに、SVGA画面がちゃんと納まらずはみ出している!なのに、XGA画面でも、はみ出しながらも同期乱れも無く表示出来ています。(左の写真)
理屈が分からず、かなり悩みました。(既述記事)
これは、対象パネルがXGAであるとして制御/設定されていて、本来は表示異常になるところが、コントローラgmZAN3Lの機能に助けられ(?)、さも正常であるかのように表示されていたみたい。(ま、これはこれで正常なようですが)
それが判明したのは、該社サポセンへ“現在キットに書き込まれている制御コードを教えて欲しい”と請うて、「1024x768-LVDS.TXT」なるコードを送って貰った時に、やっと合点が行った次第。
シリアルISP(In-System-Programming)端子.
このキットを買った理由には、勿論「価格」もあったのですが、それよりもシリアルで制御コードを書き換えられる「ISP機能」があったからで、もし、これが無ければ購入は、未だ躊躇していたと思います。
LCDパネル固定や別途プログラマ/ライタの必要なキットでは、手持ちのジャンク・パネルを使ってみる事が出来ないので、あまり面白味がありませんから。
シリアル書き込み用ソフト「GProbe 4(もう、無い?)が無料で使えるもいいですね。でも、何処かに不具合もあるようで、期待通りには反応してくれません。時々NVRAMの内容の読み出しが上手く行かない事などもあります。
(そんなはずはないのに)よく「Invalid massage」と云う応答が返って来たりします。(これはシリアル通信方式か、仲介役MCUの問題?)
今の処、最低限必要なコマンド「DebugOn」、「DebugOff」、「Batch」は正常なので、書き換え作業には使えます。
シリアル系のレベル変換用ICは、今回は少し廉価なSP232ACPを買ってみました。(\250税込)
尚、シリアル・インタフェース回路については、京谷さん処の記事を参考にさせて頂きました。感謝![(_"_)]
制御コードの書き直し.
表示不具合を治すには、いよいよ制御コードを書き直すしかない!
(何だか物凄く不安でしたが、)え〜い!やっ!と書き換えを敢行!・・・ アァ、画面が出ない。・・・ いや、横線1本だけだ。
(“慌てまい!慌てまい!”と自分を励ましながら)送って貰った「XGA用コード」で書き直したら、ちゃんと最初の状態に戻りました!
これで二つの事が確認出来たわけです。一つ、書き換えは上手く行っていること。二つ、元の状態に戻せること。
それからは、その「XGA用コード」を頼りに試行錯誤の連続。(作業途中、それら数値の順序が上下逆だったりして、七転八倒&七難八苦&七転八起)
最後に、幾つかの数値を別のSVGA用から引っ張って来て置き換えたコード群が、当たり!でした。
上のリスト、<クリック>で、LTM10C286に使えた制御コード(LTM10C286.txt)全体が出ます。
結果.
そのコード群で書き直したら、やっと正常表示(SVGAパネルに、SVGA画面が目一杯)になりました。
オマケに(?)、XGA画面でも、滲みはあるもののちゃんと表示出来ます。これは便利だ!
PC本体からXGA信号しか来なくても乱れや欠け無しに表示出来るから、小型のSVGAパネルでも使えるって事で、当方の希望(軽量・小型モニタ)に近付けそうです。
該社の仕様概要によると、「自動拡大(from VGA)と縮小 (from SXGA)表示機能」があるそうなので、きっとSXGA画面も表示出来るのでしょう。(でも、文字は、滲んで読めないかな?)
雑言.
(それにしても、OSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)の言語メニューには、英語や中文の選択項はあっても、日本語がないですねぇ・・・ やはり、このキットの主市場は米国でしょうか?・・・ いや、中国かも知れませんね)
(板を重ねて作ってみたこの試作モニタ、まだまだ大型です。・・・何とかなりませんか?・・・まぁ、SVGAでももっと小型のパネルが使えればねぇ・・・そう云えば、Fiva501のパネルもSVGAでしたね?・・・一度、調べてみますか)
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