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[二〇一六年十月二十五日]
バッテリ放電器を、試作した

Li-ionバッテリ18650の容量(放電能力)を調べるのに、実機(ポータブル・ナビ)ではなくて、多少、汎用的な「放電器」を作ってみた。(図1)
以前に、単3型Ni-MH用「充電器」を改造して、抵抗器で放電・放熱するものを作ったが、データが採り難いし、サイズ的にもこれ以外には使えないものだった。(図2<クリック>

今回は、18650の容量確認が主目的だが、放電用の抵抗値を切り替えられるようにして、放電持続時間が把握し易いようにした。
自作の「データロガー」で端子電圧を(長時間)記録して、その低下状態から容量を推定するつもり。

これに、「端子電圧」、「放電電流」を目視出来るように、「デジタル電圧計(2.7〜30V)」(¥390送料込み)と「電流計(0〜10A)」(¥838送料込み)を組み込んでみた。
ケースには、外から目視出来るように「百均はがきケース」を使い、基板には、加工がし易い「発泡プラスチック(ポリフォーム?)板」を使ったが、実は、抵抗器の発熱・放熱に耐えられるか否か、全く自信が無い。(図1矢印 苦笑)
(冬場は何とか保ちそうだが、夏場はどうかな?)

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回路と部品類

当初は、放電を「パワートランジスタ」などを使って、“電流制御”をしながらやろうか?と思ったが、其処までの必要性も無いだろうし、やる気も無い。

そこで、手元にあった大きなタップ付き抵抗器(3.5+5Ω)を使って、この二つの組み合わせで、4段階に切り替える方法を考えてみた。回路図は図3の如く。

バッテリ1本で調べる時は、最小値2Ωであれば、2A近くは流せるだろうから、何とか「放電」の“加速試験”モドキは出来るだろう。
バッテリ2本直列にして調べる時には、これ位でも良さそうだ。

回路の大体は決めたが、部品類(図4<クリック>)の内、「バッテリ・ホルダ」は日本橋で新たに買って来た。(2個¥305税込み)
また、デジタル電圧計、電流計は、以前に幾つかヤフオクで買ってあったもので、それらをあれやこれやに利用した残りだ。

「タップ付き抵抗器」は、昔ラジオ・無線機などを弄っていた時、何かの機器に付いていたのを外しておいたもので、今では安価な物は入手出来ないのではないかと思う。...(これが無ければ、“パワートランジスタでの放電”を優先したかも)

組み立て

こんなに簡単な回路だから間違えることもなく仕上がる...はずだったのだが、切換スイッチの端子を間違えたため、期待通りの抵抗値にならなかったりして、結構梃子摺った。

配線は全て裏側で行ったが、中継点には「卵ラグ板」を使った。(図6<クリック>
原則は、1A以上の大電流を流す系では、出来るだけ太い配線を用いるようにと、(若い頃に)教わったのだが、こうした「消耗性の系」では、“配線途中でのロス”などは、むしろ歓迎すべきではないかと思う。(まぁ、程度問題だけれど)

ただ、“あっちの電圧計の指示値”と“こっちの電圧計の指示値”とが、約0.3V程違っていて原因を探し回ったら、「卵ラグ板」と「ナット+ビス」との間に“妙な電位差”が生じていた。
Li-ionバッテリの満充電近くでは、0.3Vもの差を見間違っていると、大変危険だからなぁ。
この電位差発生の原因は、「卵ラグ板」と「ナット」の間に挟んだ“金属ワッシャの材質”が問題なのかも知れないが、取り除いただけで原因究明はせず

最終的には、箱の左後ろに、外からクリップで摘める“電圧取出用&充電用”の「長ビス端子」を立てた。(図1左上部)
それにしても、“放電実験”は、結構時間が掛かるし、その後でまた、充電しないといけないので、手間が掛かりそう。



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