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[141210]
PC110 表示不良液晶パネルを、剥してみた  (小修正追加)

きしもとさんから、追加で不良化したPC110の「液晶モジュール」を頂戴したので、今回は思い切って、幾枚か「液晶パネル」をバラして、中身まで調べてみることが出来た。(感謝!<(_"_)>)
(実は、手持ちの不良化パネルは、幾つか斑点があり均一には不良化していなかったので、ヤル気が起きなかったのだ)

今まではこの不良現象は「液晶層」が重症で、素人が改善出来るはずは無い!と思い込んでいたのだが、違った!...やはり、実際に自分で確かめてみるもんだ!

不良化していたのは、「液晶層」でもなければ、「偏光板」でもなかった。(図1)
「偏光板」の下に貼られた2層目、4層目シート(以下「?位相差板」と書いておくが不確実)変質(ビネガー・シンドローム)が原因だった。
この「不良化シート(?位相差板)」を露出させると“酢酸臭い”のだが、それに耐えながら剥離作業を進めた。(苦笑)
後には、綺麗な「液晶ガラス=パネル」と、傷んでいたり剥してくしゃくしゃの「偏光板」数枚が残った。

市販の偏光板を買って、「液晶パネル」と組み合わせて表示状態を見た。(125x125mm角 2枚\862送料込み)
不良化模様”は綺麗さっぱり無くなったが、この組み合わせだけでは、カラーがちゃんと出せない!(図2<クリック>
それは多分、(削ってしまった)「?位相差板」が無いからだろうと思うが、果たして、それを足せば上手く行くのか、適当な市販品が(安価で)手に入るのか?は不明。
幸い、「1/4波長板」の市販品があるらしいので、それを買って(ダメモトで)試してみようと思っている。
尚、きしもとさんからご紹介頂いたサイト(hp200LX修理) ここは、“白黒液晶”で色々苦戦された様子が良く分かり、参考になる。
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前面偏光板の剥離
左図は、分解・剥離作業をした後で、整理して描いたもの。(図1)
今回は、糊で接着され一体化された「液晶パネル」の上下(前後)の「偏光板」などを、全部剥してみたのだが、その剥し作業の話と、後で付加した「偏光板」の効果の話。(図2<クリック>

2層目、4層目の「?位相差板」は、一般の解説書には殆ど記述が無いようだ。
恐らく、液晶メーカのノウハウの属する箇所だからわざと省いてあるのだろうと思う。
もしかしたら、“「偏光板」との一体扱い”で、省略されたのかな?

だが、どうやら、このシートは“カラー表示”や“視野角拡大”には、不可欠なものらしい。
それが、やられているので、始末が大変だ!

後で気が付いたのだが、「偏光板」の中には“変質”していないものもあり、もし巧く綺麗に剥せたら、これを後で再利用出来そうな気がする。それに、(廉価な)市販品よりも、ずっと性能・特性が良さそうなのだ。

表2層目(?位相差板)削り
偏光板」剥しは、兎に角、表面から剥してみたのだが、最初は、カッターナイフの先で、シートの端から少し剥して持ち上げて、ラジオペンチで掴めるようになった時点で、そこを掴んで、ゆっくり引き剥がすのが良さそうだ。

左図(図5)は、先に「2層目」を確認しようとして居る様子だが、実は、先に「偏光板」を先に全部剥しておくべきだと、後で思った。

「2層目」も上手く剥せるかな?とやってみたが、不良化箇所まで来ると停まってしまった。
そこは、別途、“削る作業”をする必要がある。(図6<クリック>
それも、かなり硬いので、ガラス面を傷付けないようにしながらナイフを撓らせて削った。
ここは、もしかしたら、市販の「はがし液」を使って、軟化させてから拭い取る方法が使えたかもしれないが、当初は、兎に角、削れ削れ!の一点張り!

薄くなった後は、シンナーを付けた綿棒やトイレット・ロール紙で、しこしこと擦り取る方法・作業に専念。
その結果、やっと綺麗な「液晶パネルのガラス面」が出て来た!(フーッ!)

裏側の確認
表面は、綺麗なガラス面が出て来たが、そこから透かして見ると、先と似たような“不良化模様”がばっちり見える。

こりゃ、裏側から剥さないと片が付かない!(ここで一瞬躊躇したが、気力を奮い起こして!)
裏側の(厚くて白い)「導光板」を取り外し、「拡散シート」や「レンズシート」を取り出して、中を見た。(図7)

裏面(4層目)の“不良部分のパターン”は、表面のそれと同じように見えるが、まさかガラス層を通して不良化が伝染したわけでもあるまい?
多分、偶然の一致だろうが、それにしても良く似ていると思う。(理由はワカラン!)

この裏面から「偏光板」を剥したら、やはり、不良化した「4層目」が現れた。(図8<クリック>

裏面4層目の削り
何が何でも、不良化層を“削り落とそう”と気負っていたので、薄刃ナイフを使うためには「枠」が邪魔になる。
そこで、「液晶ガラス」だけを引き出して、「枠」を垂直に立てるようにした。
下に分厚い書籍を台として置いて、その上で切削作業をした。

カッターナイフでの荒削りで薄くなった層に、百均の「はがし液」を使ってみた。(図9)
厚い層は可能かどうかよく分からないが、薄い層だと割合早く軟化するようだ。

これを、トイペで拭い取って、硬めに残った箇所は竹串綿棒でこそげ取った。
これらの作業中に、周りの「駆動ドライバIC」やその端子群を傷めないように、ヒヤヒヤ気分で作業をしたが、そのお蔭か、表示に線欠陥などは出なかったのが幸いだった!
こうして、裏面も綺麗な「液晶ガラス面」が出せた。(図10<クリック>

表示の確認
上記のような作業の後、「液晶ガラス」と前後の「偏光板」だけで表示が出来るものかどうか、試してみた。
...結論から言えば、ダメ!(いや、不満足!というべきか)
「偏光板」同士の最適角度が狭過ぎるのだ。(図11)
それに、どうやっても、カラー全色がちゃんと出せない。(図12<クリック>

考えてみると、“液晶”って、光を捻じ曲げて通したり遮ったりするわけだが、その“捻れ方”は光の波長の長い・短いによって変わるはずだ。
ところが、“白色光”って少なくとも3原色(赤、緑、青)は必要だが、それぞれ波長が違うから、各々“捻れ方”も違えば、“遮られ方”も異なってくるわけだ。
だから、単純な「偏光板」と「液晶層」だけだと、どれか1色だけはちゃんと制御出来ても、3原色を同時に同じようには制御出来ないだろう。

帯域幅の拡大
ラジオ関係で喩えれば、単純な構成だと、“Qが高過ぎる(=同調がシビア過ぎる)”のだと思う。
だとしたら、“Qを下げる=帯域幅を拡げる”必要があるわけだ。

それが、2層目、4層目の役割(≒Qダンプ!)で、それらは多分「位相差板」または「1/4波長板」ではないかと思っている。
先程「1/4波長板」を注文したので、それが入ったら、もう少し様子が分かるだろう。(高い買い物だけど、どんな効果が見られるか愉しみだ♪)

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