[080616]

一眼レフ用レンズのジャンクを、修復しました.

先回のレンズ修復成功に味をしめて、PENTAX一眼レフ用レンズのジャンク品漁りをしていたのですが、オークションでジャンクのズーム・レンズを見付けたので、買って修復を試みました。(総費用\1,250)

物はMC COSMICAR ZOOM(28-80mm)で、不具合症状は、“WIDE側に回り切らない(80-70の範囲しか動かず)”。

ほぼ完全分解までしたのですが、それでは原因を突き止められず、再組立の途中で「内部レンズの動き」をじっくり観察して原因が分かりました。

絞りを制御する長いレバー腕(?)が、(中を移動する)「絞り部」の横の空隙を通り抜けられず、そこで突っ支えていたせいなのですが、ワッシャが回転してずれていて、必要な空隙が無くなってしまっていたのが大元の原因だったようです。(左上写真<クリック>で、元凶部品達)

50mm辺りに酷く硬い通過点がありますが、何とか28-80mm全域で使えるようになりました。w(^-^;w
(しかし、単独の写真で見た感じよりも、ずっと大きいし、重いなぁ!)
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外しの最初.
不具合原因が分からないため、今回も“外せ!外せ!”でバラバラにしましたが、再組立が結構大変で、最後はやはりビスが3本残ってしまいました。
で、以下は、最短コースで問題箇所へ行く場合の手順。

兎に角、前レンズ群/ブロックを外す必要がありますが、それにはまず、リング状ネーム板(?)を前に抜き出すのですが、これは薄刃のドライバで隙間を抉って浮かせればOKです。
(時には、椅子脚用のゴム・キャップ(36mmφと60mmφ)などが有効らしいのですが、今回は無用でした)

次に、前筒(距離調節用カバー(?)/ピント・リング?/フォーカス・リング?)を外しますが、留めビスはゴム・カバーの下に隠れているので、それを無理に捲りながらビス3本を外しました。(左/上写真<クリック>で、それらを外した状態)

前レンズ群を外す.
この後、アルミ筒(?)を外すのですが、その前に、止め位置をきっちり記録しておくべきでした。(これを怠ったばかりに、後でフォーカス距離調整に難儀しました)

また、前レンズ群も単体ではなくブロックで外した方が良かった。
これは、アルミ筒を外した後、時計回り/逆ネジ方向に廻すと浮き上がって来ます。(逆に、嵌める時は結構梃子摺る)
(尚、アルミ筒の役目は、1mと∞の両端ストッパです)

(蛇足:各レンズは、外したレンズ・ブロックから簡単に取り出せるので、カビや曇りを取るのは、比較的容易か?)

問題箇所.
左写真の「問題箇所」では、ワッシャの切り欠き部から長レバー腕の頭が見えていますが、不具合時にはこれが、(位置ずれした)ワッシャに邪魔されて見えていませんでした。
(つまり、ワッシャの切り欠き部が、丁度ここには来て居なかったようです)

ワッシャは、左写真<クリック>で見られるような形状で、これでシャッタ部がすっぽ抜けないように、またシャッタ部が勝手に回転しないようにしていますが、固定位置が決まっていず、かなり自由に動かせるので、ちょっと厄介です。

今回は“絞り径の可変の状態”を見ながら、「最小絞り径」と「ワッシャ切り欠き部と長レバー板との位置関係」を考えて、以下のようにセットして、固定。

最小絞り径」は、可能最小径まで絞れるようにしておかないとダメ!適当にセットしたら見事に足払いを喰って、自動露光(AE)で撮影したら露出オーバになり、ダメでした。(左上写真は、拙かったセット状態例)
ワッシャ切り欠き部」は、レバー板を通過させる空隙が出来るような(適当な)位置にセット。(正しい位置ではないかも知れませんが、今の処不具合は無いので、良しとしましょう)

後調整.
問題箇所を修復した後、一ニ問題が残りました。

ひとつは、ストッパのアルミ筒の位置決め、つまり目盛1mと∞でのレンズ位置の割り出し。(始めにきちんと印をつけていなかった罰ですが)
これの修復には、カメラの助け(PENTAX SFXの合焦検知機能:合焦するとピピッと鳴く)を利用しました。

また、筒を固定するビスを間違えたため、アルミ筒が広がってしまい、外筒(距離調節用カバー?)が差し込み辛い事がありました。ここは、鍔付きビスを使うが正解のようです。

もうひとつは、マウント部の接点ピン(?1個だけの電気接点)で、これが現状ではすっぽ抜け状態。元は何か鍔が付いていたのでしょうが、今は何も無くて留めようにも止まらず!(裏に所定のバネを入れると、飛び出して来て、そして何処かへ転がって行く...)(左上写真<クリック>で、問題のピン部付近)

止む無く0.5mmφの細銅線を1回巻きして「」代わりにしましたが、これで何とかピンが所定位置で留まりました。

因みに、レンズ側にこの接点ピンが無いと、カメラ側の「AE:自動露出機能」が働かないようです。

別の難儀.
更なる問題は、50mm付近で回転が物凄く硬く/重くなる事。
これは、中のスライダ群(?)が丁度“山を越える”、かつ、上向きから下向きへ“方向転換する”所で起きているようです。
これは仕方が無いのかな?...が、それにしても重過ぎ!

こんなのに注油などをしても、あまり効き目は無さそうなので、そのままにしてありますが、これはまだ異常なのかな?と、多少疑念もあります。
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