[070813]

HDC-301 SLIMを、仮修理しました.

(何故か、敢えてマイナー・モデルを触ってみたくて)HITACHI製 HDC-301 SLIMのジャンクを、(無駄に高かったのですが、)買ってしまいました。(\1,340送料、手数料込み)

これには、“表示が出ない”という不具合があって、デフォルトで「撮影」は出来るものの、表示が出ないので「再生」は勿論、「各種設定」が全然出来ませんでした。
当然、不具合原因は、単純なフレキ抜けなどではなかった!

無い智恵を絞って不具合追跡と処置をしてみたら、表示は出るようになりましたが、明暗や色が反転してますね。

もう少し弄ってみたいのですが、これ以上やると完璧に壊してしまいそうなので、一先ずここまでで、纏めておきます。

話は違いますが、これのソフト・ケースは、“銀ピカ地”で趣味が良くないですね。薄汚れると、更に汚らしい。
DCS-355用のような布製なら、まだマシだったかも。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
バックライトのテスト.
電源を入れると動作状態に入るし、メディア(SD)を取り出してPCで見ると、ちゃんと撮影も出来ています。
液晶表示だけが出ないのですが、透かして見ると、微かに影・形が見えます。更に、押しボタン・スイッチを押すと、画面が一瞬白くなる時も。

そこで疑ったのがバックライト不良ですが、液晶パネルだけ取り出して様子を見たのが、左写真とその<クリック>。

これ位明るいなら、バックライトに問題は無さそうです。
次に疑うとしたら、液晶パネルに印加される信号電圧の不整でしょうか?

液晶関係回路の探索とテスト.
微かな淡い影・形が見える事から、液晶パネルには画像信号が入っているのだろうと推測出来ます。影が薄いなら、加える電圧を底上げすれば、もう少し見易くなるかも知れません。

そこで、液晶パネル関係のコネクタ付近で電圧を調べていたのですが、テスタ針を当てるだけで“表示が明るくなる”場所がありました。どうやら、テスタの内部リークが影響したらしい様子。

で、テスタの代りに可変抵抗器(VR)を繋いで、調べる事にしました。(これは、底上げではなくて、底下げになりそう)

適当な箇所探しと抵抗値変更をしながら、表示がある程度ちゃんと見える場所を探しました。「表示」は、明る過ぎて影が尾を引いたり、逆に暗すぎて文字が読めないのも困りますからねぇ。

調節抵抗の付加.
当該箇所は、左写真の中央下やや右寄り。<クリック>で、そこの局所拡大。
R29(22KΩ)の箇所が効果的で、そこへ並列に調節用抵抗(100KΩ位)を付加するのがベストでした。(≒18KΩ)

この箇所では、並列抵抗が数十KΩ位だと明る過ぎて白く(?)飛んでしまうし、逆に数百KΩだと暗くて現状と変わらず。
(実は、この抵抗値、あまり極端でなくて良かった。大き過ぎるのは不安定さの証拠だし、小さ過ぎると過大電流などが心配)

(この100KΩの表面実装用抵抗は、以前廃棄ノートPCの基板から高温ブロワで剥ぎ取ったもので、今回役に立ってくれました!)

結果.
表示文字などがきちんと見えるようになったのはいいのですが、何と!これ、明暗/白黒が逆!従って、色も補色で、ヘンな感じ。

左写真には、緑色のマットが写っているはずなのですが、これが赤色系に見えますね。でも、文字などはくっきり!だから、...各種の情報表示や設定には、これで充分でしょう。

勿論、これでは正常からは程遠く、全然「修理完了」とは言えないのですが、“使おうと思えば、使える”状態にはなりました。
(自分で納得。f(^^; ...うむ、もう少し改善の余地はあるか?)

考察.
液晶表示の明暗の反転は、液晶を斜めから見た時にも起きますが、今の場合は、当然液晶パネルに印加されている電気信号や電位の異常が原因でしょう。
“トランジスタが壊れていて、信号が反転しないまま漏れ出しているのかな?”と思いましたが、近傍にはダイオードしか無い!(これがトランジスタだったら、即座に交換してみるのに)
表示は結構鮮明なので、何処かの信号反転を上手くやれば、正常表示に出来るような気もするのですが。

もう少し弄ってみれば何か分かるかも。が、今までの苦い経験から云えば、途中で壊してしまうでしょう。
でも、触らずにそのままにしておくほど“無駄高な買い物”は無いと思うので、必ずや骨まで!... (当苑は、愉しく壊してナンボ!ですから)
[表紙頁]へ  関連記事の目次へ  [一言板]へ