[表紙頁]へ  関連記事の目次へ

[2018年12月08日]
SonyTek.335ジャンクの修理 其の壱

−−−「PC110表示のTFTパネル化」は、“Fn+F7キー”のプログラムの“改善作業”は行き詰まっていて、ネットで資料・情報漁り中だが、暫く停留状態。−−−

その途中で、以前から保有希望だった小型オシロスコープ「SonyTektronix335の不良ジャンクを見付け、(直せるかどうかも考えずに)“欲しい!”だけで買ってしまった。(図1 ¥1,080税込み)
この機種は、帯域幅は35MHz程らしいが、大きさは通常のオシロスコープと並べると親子みたい(図2<クリック>)で、狭い場所にも置けるコンパクトさが、魅力♪

このジャンクは、トリガが効かず/働かず、「AUTOモード」でないと輝線が現れないという不良品だった。
動態保存が望ましいので、修理検討を始めたのだが、途中で詰まらぬ失敗をしてしまった。
後ろの長いビス群を短い代用ワッシャを付けただけでねじ込んだ為に、負の高圧回路(-1960V)系をショートさせたようだ。
結果、“FOCUS機能”も駄目にするという“余計な不良”を追加してしまったわけで...あぁ、二重苦!

でも、以前やったシンクロ/オシロ「IWATSU SS-5711D」(図2の右側)の修理は、幾度も苦戦したが、最後には“辛勝”したので、今回も執念深くやってみようと決めた。
幸い、「SS-5711D」の方は、現在も実働中なので、これを援用しながらの検討が出来るだろう。
しかしなぁ...このオシロスコープ(「SonyTek.335」)は小さいだけに、実装が密なので、(開腹しても)チェックが難しそう!
...果たして、これらの不具合をちゃんと修理出来るだろうか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−− トリガ効かず −−−

当初、「NORMモード」で幾ら(トリガの)「LEVEL」や「SLOPE」を調節しても、“輝線”が出ず。
でも、電源SW「POWER」をON/OFFすると、画面の端の方で緑色にピカッと光る時があるので、“CRT系”は活きていることが分かった。
ツマミ類を弄り捲くって調整していたら、「AUTOモード」で、やっと、輝線が出るようになった!

この機種には、「VOLTS/DIV」に「5 DIV CAL」という“感度切替ポジション”があり、それで直、矩形波を見ることが出来る。
また、プローブを使っても、「0.5V CAL OUT」の出力を観測出来た。(図3)

しかし、如何にツマミ類を調節しても、「NORMモード」では、トリガを掛けて、波形を安定させる事が出来ない
これでは、殆ど使い物にならないので、修理の為に中の回路を調べることにした。

横側と下側のビス2本ずつ計4本(だけ)を外して、本体をケースから抜き出した。(両側のハンドルは無関係だった)

ネット上から、マニュアルが入手出来たので、それで回路を追っ掛けてみているのだが、図では分かっても、現物の“トリガ信号系”が未だ、どれがどれかが良く分からない。
全体の「ブロック図」と照合しながら、もう少し丁寧に、“トリガ信号の経路”を調べてみようと思う。

−−− 途中の出来事 −−−

現物を調べている途中で、うっかりあるトランジスタを触ったら、グラリと動いたので、引っ張ったら抜けてしまった!ウヘッ?(図6<クリック>
まさか?思っていたら、全部のトランジスタ群が、こうした“ソケット保持方式”らしい。(図5)
それを固定するのに、接着剤を使っているようだが、もう風化して固定力は落ちているようだが...ん〜!こんなので“電気接触”の方は、大丈夫なのかなぁ?

まぁ、“プロの仕事”のはずなので、素人が心配することは無いのかもしれない。
それに、もし、“トリガ系の不良原因”が“トランジスタ不良”なら、交換は容易だろうし。

次なる課題は、奥に有る「トリガ生成ボード」にどうやってアクセスするか?だが、上側の基板を外実場なら無いとしたら大変だ!...なので、まだ着手はしていない。

−−− FOCUS用回路の傷 −−−

中のボードにアクセスする前に、後部の脚部が4つ共、モロモロになって取れていたので、其処を綺麗に掃除をしてから、1cmほどの手製ワッシャを噛ませて、長ビスを締め込んだ。(やらなければ良かったのだが、それが裏目に出てしまったようだ)

電源を入れて、画面を見ていたら、何か塗料の焦げる臭いがして、輝線がぼやけて来た。(図7)

これはきっと、長ビスを締め込んだ所為だろうと気が付いたのだが、時既に遅し!?

後ろ側の留め具を全部外して、「FOCUS」のVR接続部を見たら、見事に“ビス痕”があった!(シマッタ! 図8<クリック>
ここは、高い負電圧が出ている所らしいが、輝線の輝度は落ちていないから、フォーカス調整用だけの電圧らしい。
しかし、パターンが切れているようなので、補修をせねば!

−−− 無駄な! −−−

1cmほどの手製ワッシャでは短過ぎたようだ。
長ビスを締め込んだら、後ろの基板にまで届きそうだが、こんなに締めなければよかったのに!

でも、長ビスの後ろに裸のパターンが来るような設計ってあり?
もしかしたら、後ろ脚が折れて、長ビスが当たるかも?とは考えなかったか?
...私も悪いが、機構設計者も悪い!
交通事故回避と同じで、“...安全だろう!”ではなくて、“...かもしれない!”運転を心掛けるべきでは...というのが、一般常識らしいが。(苦笑)

配線パターン切れは、補修はしたが、今の場合、これは余り意味が無かった。
大元の負高圧電源を調べて、その系を復旧させないと、輝線のボケは直せないだろう。
...さて、大事でなければいいがなぁ。
(続く)


[表紙頁]へ  関連記事の目次へ