[110908]
10年目の拡張メモリを、製作しました
いよいよ当苑も10年目に差し掛かりました...が、相も変わらず同じようなことを繰り返し記録し続けています。
今回は、PC110の16MB拡張メモリのこと。
偶々、ある方から拡張メモリについてのお尋ねがあり、「改良型16MB板」ならまだ製作出来るかもしれない、との返事を差し上げました。
で、(劣化中の)腕の再研磨も兼ねて、作ってみました。
やはり、失敗作が2,3件(左上写真<クリック>)もあった!大分、腕力&注視力が落ちてますねぇ...でも、3枚出来た♪(左上写真)
もし、“PC110活用意欲に燃えている”方が居られましたら、この内の1枚を、無料または裸基板と交換で差し上げますので、「一言板」の「私信」で、尋ねてみて下さい。(ダメな場合は、潔く諦めて下さい)
If you crave for the 16MB expanded memory of IBM PT-PC110, please ask me for just 1 piece (free) through "Ichigon-ban" of this site by the [Private] button. Until end of Sept. 2011.
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簡易回路図
(相変わらず替わり映えのしない)回路図/実体図ですが、今回も確認用として、作業机上に並べておきました。
以前と違うのは、ANDゲートの代わりに、ショットキー・ダイオード(3個入りパッケージ品HN2S01)を使った箇所。
丁度、ピン間隔がメモリのピン・ピッチと同じなので、直接半田付けが出来て便利なのですが、小粒過ぎて作業が厄介!
でも、これに替えてから、以前のものよりずっとコンパクトになりました!
実物写真を、後述の「仕上がり」の項に掲げておきます。
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また、以下は、備忘用としての作業抄録。
道具類は、セラミック半田鏝30W、ヤニ入り糸半田0.3mmφ&0.6mmφ、ペースト、ピンセット、精密ニッパ、ヘッド・ルーペ2〜3倍、小型ルーペ6倍、爪楊枝、アルミ板(約20cm角)等、両面テープ。
裸基板にチップ搭載
16MB拡張メモリを製作するには、4MB拡張メモリから4MBチップを外した「裸基板」を使う。(左写真)
(チップが載っていても、「高温度ブロワ」で簡単に剥がせる)
この「裸板」は、まず、(アドレスの配線替えをするために、)A8,A9(裏面)とA10,A11(部品面)を適所でカットしておく。
(その「裸板」は、重みのあるアルミ板等に、両面テープで貼り付けておくと、後の作業がやり易くなる)
次に、メモリ・チップのピンの半田付け用ランドを半田吸取り線で、綺麗に吸い取って、表面を平らにする。
メモリ・チップのピンNo.13、No.14とNo.37、No.38は、空中配線をし易いように、先に水平にまで持ち上げておき、残りのピンは「基板上のランド」に半田付けする。その際、ペーストを適量塗り付けておく。
この時、ピンの位置ズレが生じないように、注意深く四隅から固定!(左上写真<クリック>)
ショットキー・ダイオードと半田付け難所
ダイオードは、論理回路として使うので、極力順方向電圧が低くて、高速スイッチングが出来、小型のものという条件から、東芝製ショットキーバリア・ダイオードHN2S01FU(10個\100税込み)を選んだ。
これは、ピン・ピッチが0.65mmで、3個内蔵。(左写真)
どの2個を使っても良いが、半田付け時は裏向けるので、極性を間違えないように注意!因みに、今回は3度ほど間違えた。(極性は、通常のテスタで確認可。黒棒を*OE側に当て、赤棒*UCAS/*LCASで導通があればOK!)
今回使用した配線材は、0.25mmφの樹脂被覆銅線。(熔融半田の熱で、被覆が剥げせるもの)
途中の配線で、最も難しいのは、コネクタCN1のNo.15(A11)、No.16(A10)への細線接続で、ここは、熱容量が大きい上に、隣同士が近いので、半田付けがかなり難しい!(左上写真<クリック>)
(その他の箇所の半田付けは、比較的容易)
仕上がり
細線の先を“熔融半田の玉”の中に浸せば、自然に“半田被覆”に置き換わるので、それをそのまま半田付けに利用出来る。(これは、一種のコツで、練習が必要)
線の長さは目分量でカットするので、場所々々で長い短いが出来てしまうが、これは愛嬌!?
動作が確認出来たら、線を固定するのに、速乾性ニス(透明)をたっぷり塗り付けるが、これは気休め?!
(引っ掛けたら簡単に剥がれる。ただ、やり直しをする場合には、邪魔にならないので、good!)
尚、チップ表面のマークがかすれていて気になる場合は、白色の水性ペイントを塗り込み、後で表面を丁寧に拭えば、掘込文字部分だけ白く残る。
拡張メモリの装着
PC110の裏蓋は、7本3種のビスを外すが、ちょっと長めのが1本あって、これはモデム端子の傍で用いる。
短い2本は、裏面コネクタの台座を留めるためのもの。
これらのビスは、なかなか市場では見付からないので、無くさないように注意。でも、何本か無くして、困った事がある。
それはさて置き、拡張メモリを載せる場所に、絶縁用の紙切れ(左上写真)を置いてあるが、これは以前“2段重ねメモリ”などを実験していた時の名残で、今はもう不要。
コネクタに、拡張メモリを挿すのは、常に“手探り”なので、毎回配線部に触らないよう気を使う。(左上写真<クリック>)
動作確認
メモリの動作確認は、OS-Win95、及びWin98を立ち上げて、サウンドがちゃんと出るか?インターネットで当苑が正常に表示出来るか?どうかで判定した。(左写真&クリック)
チップ不良で、サウンドが正常に出なかったことがあり、チップを交換したケースがある。
(出来れば、“FD読み書きテスト”もやればベターだが、今回は省略)
また、何度やっても、拡張メモリが認識されないケースもあり、チップを入れ替えてもダメで、これは基板不良(ランド剥がれで断線か?)として除いた。