[2005/05/03]
直行方式32MBを、実験してみました
PC110は、拡張メモリとして32MBなどを載せると、電源投入時、素直には立ち上がってくれません。そこで、今までは立ち上がり時に拡張メモリの一部(16MB分)をBIOSに見えないようにマスクする回路(時間遅延とゲート)を入れました。(図2<クリック>)
結果は良好で、期待していたようになりました。(図1)
入れた時間遅延・ゲート回路は、図2下部の赤丸印のもので、これの固定が難しかったのですが、太目の線を使ったり、足ピンを基板に直付けしたりして固定しました。
へろへろさんによると、その余計な(?)回路は省く事が出来るとの事でしたので、今回新たにFPタイプの65160チップ2段重ね(亀々)の32MBメモリ板を製作して、内蔵メモリ8MBの本体とで実験してみました。
(実際は、128Mbits13165チップを使った拡張メモリ板でもいいらしいのですが)
尚、この方式の良い呼び方を思い付きませんので、取り敢えず直行方式またはストレート方式と呼んでおきます。(他に良い呼び方がありましたら、ご教示下さい!)
メモリの構成
この直行方式は、本体および拡張メモリの構成は、大体次のようになっていればいいそうです。
メモリ\バンク | Bk0 | Bk1 | Bk2 | Bk3 |
レジスタ値 | B | 3 | C | D |
量 | 4MB | 4MB | 8MB | 16MB |
勿論、立ち上がってからは、メモリ・レジスタの値を変更してソフト・リセットを掛ければ、メモリ総量の変更は可能でしょう。
実際に幾種か試してみたら、設定通りになっていました。それらについては後述。
32MB拡張メモリの結線
結線後のメモリ板の写真を、左に揚げておきます。
配線には、0.25mmΦの被覆単線を使いました。足ピンや配線パターンと寸法の適合性が良いのと、割合い固定し易いからです。
下図は、(適当に省略してあったりして随分粗っぽい図面ですが)その結線図です。
殆どの足ピンは亀々チップの上下(BU,BL/TU,TL)で接続してありますが、A11と*RASは上下で分離してあります。
8MB分だけを使用するため下側チップのA11は未接続にしてあります。(多分、ライン上でHかLになっているのかな?本来はピンをどちらかに固定しておくのが正しい処置法なんですが。(-^;?)
また、上下のチップはバンクを違えるため上下チップの*RAS端子には、それぞれに*RAS2、*RAS3を接続。
その他のピンは、16MB拡張メモリなどの結線と同じです。
実験結果:PC-DOS
PC-DOSとWebBoyを入れたCFを装着して、電源投入後、画面に32,384の表示が出て、いともスムーズにPC-DOSが立ち上がりました。
memコマンドで調べたら、全メモリ量は(無事!)32MBになっています。(左写真、<クリック>で、その画面)
また、無線LANやWebBoyも問題無く動作しますし、WebBoyを256色モードで働かせて当苑の写真類を見たら、16色で無理々々描いた絵ではなくて、奇麗な256色の写真になっています。(左の写真)
実験結果:Win95
しかし、Win95を入れたCFと差替えてやってみたら、残念!やはり、32MBでは立ち上がり途中でエラーになります。16色に設定しておけば32MBででも立ち上がるのかも知れませんが、それでは面白くありません。
現状では、over16sを使ってメモリ・レジスタを書き替える必要があるようです。
メモリ\バンク | Bk0 | Bk1 | Bk2 | Bk3 | 全量 |
レジスタ設定例1 | B | 3 | C | C | 24MB |
レジスタ設定例2 | B | 0 | C | D | 28MB |
レジスタ設定例3 | B | 2 | C | D | 30MB |
レジスタ設定例4 | B | 3 | B | D | 暴走 |
左表中の太赤字が、変更した箇所です。
設定例2は、「本体内のバンク1の4MBをゼロにする事」なのですが、折角増設したのに何とも悲しい事態です。
バンク1をゼロではなく、2に設定してみました。これはいけそうですね。全メモリ量は30MBになっています。勿論、表示は256色。
実験結果:4+4+4+16
設定例4は、残念ながらエラーで立ち上がりませんでした。
これは、以前に作ってあった20MB拡張メモリ板(4MB+16MB)の手直し品でもやってみました。エラー発生時期・内容は違いますが、やはり正常に立ち上がりません。どうも、バンク2は8MB以上でないといけないようです。
雑感
初期の各バンクのメモリが適正量で埋まっていないと、上手く行かないようです。
以前、BIOSを逆汗してメモリ・チェック・ルーチンらしき箇所を眺めた事があるのですが、何をしているのやらさっぱり?でした。
でも、かなり手抜き手法らしい事は、何と無く感じられたのですが、それが関係しているのでしょうか?
状況から見ると、設定例3の4+2+8+16MB構成(30MB)なら無手勝流(補助回路無・補助ソフト無)の直行起動が可能かも。(でも、再度、内蔵メモリに小細工をする必要がありますね)