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[二〇十六年十二月十四日]
PC110用LCDの改変を、試行

先回、「液晶パネル」表面両側の“腐った層”(位相差補償層+糊?)を剥した後、標準的な「無色偏光板」を入手したので、それを「液晶パネル」前後に宛がって、確かめてみた。(125mm角2枚 総費用¥806送料込み)

“改変”前は、まったく見えなかった表示内容(図2<クリック>)が、期待していた程には良くならなかったが、今回の“改変”で何とか見える/読める状態になった。(図1)

ところが、(寒かった)翌朝、電源投入後、表示がぜんぜん見えない!...あれっ?
...液晶が“温度変化に弱い事”を思い出して、「液晶パネル」を前面からドライヤで温めてみた。
すーっと(文字)表示が出て来たのには、驚いたというより、少々呆れた。
よくもこんな、ギリギリの境界状態になったもんだなぁ!って。
Fn+Ins」キーで、「コントラスト」を目一杯まで上げてあるのだが、更に環境温度まで上げないと表示が出ないとは!
しかし、“色味”は兎も角も、以前に実験していた時の“コントラスト”(その例)よりもずっと悪いのが気に懸かる。

・・・そこで、試しにヘアドライヤで、「液晶パネル」を暖め続けてみた。
そうすると、「Fn+Ins」キーで目一杯だったのが、「Fn+Del」キーで、逆にレベルを下げないといけなくなって来たし、“コントラスト”方もやや改善された状態になって来た!
ただ、この状態を安定化する方法を見付けねばいけないのが、次の課題だ。(電熱器などを入れておくわけにもイカンしなぁ!苦笑)

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偏光板の切り出し

入手した「偏光板」は、剥した元の偏光板の「偏光方向」に合わせて...というか、そのまま各辺に沿って、縦約77mm、横約100mmのサイズで切り出した。(図3)
今回は、「位相差補償層」が無いので、「偏光板」の置き方を調整する必要があるかな?と色々角度を変えてみたが、“効果変わらず”だったので、上記のような切り出しとした。
実は、私には、これの「偏光方向」が、垂直か水平かは分からないのだが。笑

これを、「液晶パネル」の裏側に宛がって、その上から、「レンズ・シート」2種2枚と「拡散シート」1枚を重ね、「蛍光管付き導光板」を置いた。

表側の「偏光板」は、後で表示状態を見ながら、適当な角度を決めようと思っていたのだが、あれこれ廻しながらやっている内に、廻し易いように角を削り落としたヘンな形になりつつある。(苦笑 図4<クリック>

温度変化で

前夜の実験では、見えていた表示が、翌朝には見えなくなっていたので、ちょっと慌てた。

でも、これはきっと“室温の違い”だろうと見当を付けて、ドライヤで表示面を炙ってみた。
案の定、温めるに従って表示が出て来た。(図5、図6<クリック>
尚、温度計は「撮影用デジカメ」がフォーカスし易いように置いたもので、液晶の実温度を示すものではない

実は、液晶(分子)は斜め方向の配向性を持たせられていて、外部電圧印加によって、斜めになっている分子群が皆揃って立って来るそうだが、温度を上げるとそれが乱されて、今の場合の条件に適した傾きの分子が増えて来る為ではないかと思う。

通常なら、温度を上げることなど“もってのほか”なのだが、兎に角、表示が出ているという確認は出来たわけだ。
後で、もう少し「液晶パネル」の加熱と温度上昇でどう変わるかを見た。

測定端子と実験状況

本来なら、これ位の温度変化に対しては、「Fn+Ins/Fn+Del」キーで調節出来るはずなのだが、現状では「Fn+Ins」キーで目一杯まで上げてあって、これ以上どうにも出来ないのだ。
そこで、コントロール基板上の不具合の有無などを調べてみた。

といっても、それ程詳しいことが分かるわけでもないが、少なくとも、「Fn+Ins/Del」キーで変化する印加電圧値が他の正常マシンと較べてどうか?は分かるだろう。

コモン電極向け端子(7本)の内の2番端子が、「Fn+Ins/Del」キー押しに追従することが分かっているので、この電圧値の変化が、もしかしたら不十分ではないか?と思った。(図7)

オシロスコープのプローブを「半固定・自在アーム」に保持させた状態で、手で「Fn+Ins/Del」キーを操作しつつ、“端子電圧波形”の変化を見た。(図8<クリック>

印加電圧は?

「Fn+Ins」キーを押し続けて、目一杯まで上げると、印加パルス電圧は約30Vp−pになる。(図9 液晶が上下2分割方式なので、半サイクル毎に反転している)
これは、正常表示の電圧値とほぼ同じだ。
ある意味では残念で、この電圧の最高値が低ければ、「コントラスト」が悪い/低いのはこれが原因だと言えるのだが、今の場合はこれではなかった!
それに、基板上の「電解コンデンサ」の耐圧が35Vだから、これ以上に電圧を上げることは、実験的にも無理だ。

他方、「Fn+Del」キーを押し続けると、印加パルス電圧は約20Vp−pにまで下がっている。(図10<クリック>
これも、通常のと同じだ。

電気的な不具合としては、セグメント電圧が、もし通常より低いとどうなるか?だが、そちらは「コントラスト」にはあまり影響しないような気がする。
そうなると、やはり、光学系不備の所為なのかな?
試しに、剥いだ元の「偏光板」を宛がってみたが、あまり変わり映えはしなかったので、新しい「偏光板」が特に悪いわけでもなさそうだ。

液晶パネル加熱では?

寒かった朝、“コントラストの悪い表示”をヘアドライヤで暖めることで改善したのだが、それをもっと徹底的にやったらどうなるか試してみた。
理屈では、整列した(液晶)分子群を“熱”でかき乱すなんてコトはご法度のはずなのだが、今回は様子が違った!

コントラスト調整の最適電圧値がどんどん下がって来て(つまり「Fn+Del」キーで電圧を下げる方向に)、(色味を問わなければ)“コントラスト”も、前よりずっと良くなって来たようだ。(図11)
これなら、視認性も然程悪くない!

...だが、加熱せずに放っておいて「液晶パネル」の温度がどんどん下がって来ると、やはり色褪せて来て、“コントラスト”も落ちてしまう。(図12<クリック>
この現象は“(短時間)可逆的”で、幾度でも繰り返し再現出来るので、
へろへろさんの仰るような“結晶化や非晶質化現象”ではないだろうと思う。

この現象の理由・原因は、良く分からないが、もしかして、電圧無印加時の液晶分子群の配向特性が、“偏光板剥離作業”によって?元よりも強くなったのではないか?(まさか?とは思うが)
その為に、液晶分子群が、標準的な印加電圧では十分に(電極方向に)立ち上がらず、初期配向状態(斜め方向)とのON/OFF比が十分でないから“コントラスト”が悪いのではないか?加熱によって、液晶分子の立ち上がるのが容易になるからでは?と想像しているが...果たして真実は?

それにしても、毎回こんな加熱をするやり方では、拙い!もっと、簡便で恒久的な方法があるなら、見付け出したいものだ!


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