[2002/10/08]

65160(FP)で、(不具合レス)16MB拡張メモリを作りました.

先日、65160(FP:ファスト・ページ)チップ搭載のメモリ・モジュールを見付けたので買って来ました。何と!それは、Panasonic AL-N1用(と銘打たれていた)32MBモジュールでした。(\2,980税別)

買った目的は、以前から懸案だったPC110用手製16MB,32MB拡張メモリを使った場合に起きる「読み出すだけで、FDの内容が壊れる問題」の解明・解決のため...と言う屁理屈は兎も角として、これが最も正統的で問題の少ないチップである事は確かだと思いましたので。

オマケとして、このチップを乗せるための拡張メモリ板として、パターン剥がれのあるものしか残っていませんでしたので、その基板を使えるようにする修復作業もやりました。
やってみたら、両方共に満足のいく結果でした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
FDの内容壊れ現象と対策.
その現象は、FDを読み出すだけで起きていました。原因として、(メモリ・チップにEDOタイプを使っているので、出力時間幅が長過ぎ、それを制限する目的で)出力制限用に*UCAS信号を使っているのですが、上片側だけなのでバイト単位のアクセスに対応できていないからではないか?と考えていました。(別項、追記部参照

これの対策としては、二案ありました。一つは、出力時間幅制限の必要が無いチップを使う方法。他の一つは、*UCASと*LCASの両方を使って時間幅制限をする方法です。
今回は前者の効果(?)を確認する目的で、FPモードで動作する65160を使ってみたわけです。(後者についても、既に実験・確認済みですが、開示はいずれまた)

メモリ板の繕い.
パターン剥がれが多い基板を使う事になりましたので、4つほど前処置をしました。
  1.浮き掛けているパターンは、すべて完全に剥がして、取り除いてしまう
  2.剥がれた箇所が、チップで隠されても判別できるように、板の拡大ハード・コピーを作成
  3.非接続部をどう接続するか、事前に配線経路を検討
  4.ショート/オープン確認用に"音の出るテスタ"を新規購入(\1,480+税)

チップを乗せてから配線をしましたが、線数が増えたせいで工作・配線作業は結構面倒でした。
しかし、配線は片面だけで済ませられたので、ある意味では楽だったような。

下図は、その接続参考図です。


全部の配線を終えてから、動作確認をしたら、メモリ・カウントは"20096 KB OK"と出て来ましたが、その後はWin95のロード時にエラーのスダレ。

これは、以前出合ったのと同じようなトラブルですね。
あの時の経験から、"アドレス線の何処かで、ショートかオープンの可能性アリ"と読みました。

音出テスタを活用.
6倍ルーペで、何度も確認したのですが、目視ではどうしても不具合個所が見付けられません。それで、いよいよ(当苑での!)新兵器"音出テスタ(?)"の出番です。
(実は、手元にある昔風高級(?)テスタでは、今様のものと違って"導通確認音"が出ません。導通/非導通確認には目視が必要なので、ヘッド・ルーペを使っている時に、そんなものを使うのは御免だというのが、本音でした)

順番に結線状態を当たって行くと、片方のメモリ・チップのA4の足ピンがオープンになっている事が、"音不出"で判明。これを半田付けし直すと、Win95も正常に立ち上がるようになりました。(やっぱり、"音出テスタ"は、いい!)

FDの読み書きテスト.
PC-DOSWin95の両方、およびクロスでFDの読み書きテストをしてみましたが、EDOチップ使用時に見られたような異常は発生しませんでした。これから、メモリ出力制限に片方のCAS(*UCAS)信号だけを使うような事をしなければ、"FDの読み出し異常"は起こらない、との確信が持てました。

まあ、何と言おうと、PC110の拡張メモリ基板に一番フィットするメモリ・チップを使ったのですから、異常が起きないのは当然でしょうけど。固い事を言えば、これでは立証した事にはなり難いですね。でも、一応の傍証にはなるのでは?


[表紙頁]へ  関連記事の目次へ