[050302]
チャージポンプ式DCコンバータを、試作しました.
今までは電池管用のB電源として、下手物トランスを利用したDC-DCコンバータを色々試みて来たのですが、今回はヒータ12.6V(または6.3V)の傍熱型真空管用として使う事を考えて、実験・試作してみました。
・入力電源として、ThinkPad用ACアダプタ(16V,2.2A/3.36A)を使う
・チャージ・ポンプ式のDC-DCコンバータを試してみる
入力電圧は16V、出力目標は電圧35V以上、電流10mA以上。
やはり、入力電圧が高いと効率も良くなるようで、楽に目標が達成出来ました。35Vだと15mA以上取れます。変換効率も50%以上。w(^-^)
ただ、整流用ダイオード(実は一般スイッチング用)の逆耐圧不足が気懸かりなので、壊れたら取り替えねばなりません。
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検討回路.
今回は(トランスの制約も無いので)2石非安定マルチバイブレータ発振器で思い切り低い発振周波数を狙ってみました。
(結合コンデンサを電解型2.2μF、抵抗類を22KΩにしたら2が並び出したので、悪戯で全部2.2や22で揃えてみました。結果、発振周波数は約202Hzになりました)
最終段はエミッタ・フォロアのプッシュプル(?)ですが、これが効果抜群。当初C509のエミッタに82Ωの低抵抗を入れてやっていたのですが、発熱ばかり多くてドライブ能力はもうひとつでした。
これを100mA以上電流が流せる2SB562に替えたら、俄然馬力が出て来ました。
尚、他のトタンジスタは/も極くありふれた(有り合せの)ものを使っています。(例のトランジスタ特価袋が随分役立ってるなぁ。敢えてタイマICなどを使わないところが、当苑の真骨頂か!f(^-^;)
チャージポンプ部の構成は実験的に決めたもので、通常の回路とは少し違っているようです。標準的な回路例では、トランジスタ出力部からはコンデンサで出力する形式になっているはず。それだと、ダイオードとコンデンサが1個ずつ余分に必要なので、この節約型にしました。
ところで、これは本当に3倍圧構成なのでしょうか?(確かに、オープン出力は45V近くあるので、まず間違いは無いと思いますが、ダイオードやコンデンサの個数だけを頼りにすると説明がし難いですね)
実装品の選定.
整流用ダイオードの種類とチャージアップ用コンデンサの容量をどうするかが一番の問題でした。
ダイオードは手元に沢山あった名称不明のスイッチング用(多分電流は40〜50mA位は流せるはず)を使う事にしました。こいつは、1S1588クラスかも知れません。(今の処、トラブルはあるような?無いような?“うっかりショート”で1,2個死なせたようですが。もしかしたら、逆耐圧も不足かな?)
コンデンサ容量は大きい程良いはずです。が、場所を食います。極力小型!に拘ると47μF/50Vが限界。100μF位を使いたいのですが、何せ占有容積が大きくなるもんで...(因みに、100μFだとレギュレーションが良くなり、出力も多くなります)
色々やってみて、最終的に上のような回路にしました。後は試作として出来るだけコンパクトに組み上げる事で、9V電池サイズを目標にしてみました。(左最上部の写真。考えてみたら、試作品にアダプタ用のジャック取付けは必要無かった!)
出力と効率.
出力電圧・電流は左図のようでした。以前のトランスSF-2などを使ったものよりずっと力がありますね。効率も50%を超えています。
これなら、何とか傍熱型真空管を働かせられるのではないかと思っています。
実は未だ傍熱型真空管を低電圧で働かせた事はないのですが、恐らく電池管とそれ程変わらないでしょう。
(いや!もしかしたら低電圧では電池管より悪いかな?・・・少し、心配です(@_@;)・・・が、やれば分かる!
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