[091226/100201]

真空管ラジオの製作−長編 (ちょっとずつ、↓下方へ進行)
(新規設計ものは、常にグズグズと進行が遅いので、記事は順次追加式にしてあります)   ↓最終形

ラジオ箱と回路 [091216]
12Vだけで動作する真空管(12AF6 \1,500税・送料込)を買ったので、これで、「リフレックス式単球ラジオ」(以前の例)を作ってみるつもりです。

以前のものは、中身を作ってから単純な四角い外箱に入れたので、“置物”にしても、あまり面白味が無いですね。(その例
今回は、もう少し凝った外箱にしたかったので、タカラトミープラレール用「いなかの駅えき」(J-23 \599税込)で考えてみる事にしました。

回路部品は、分散すればプラットホーム下へ(楽々)入ると思うのですが、2連バリコンボリューム(バリオーム)の取り付け方や、真空管の立て方・置き場所が、難しい!

回路案は、取り敢えず、左図のようなのを考えています。

感度は、バーアンテナの短いのでも、そこそこは聴こえるだろうと思いますが、問題は音量です。
置物の場合、イヤホンで聞くのと、スピーカで聴くのとでは、置き場所や扱い方?がかなり違うので、出来ればスピーカで聴きたいと思っています。
・・・ (下へつづく)

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箱の工作 [100104]
左写真は、大物パーツを取り付けた状態ですが、そのパーツ選びに結構時間が掛かりました。(実は、まだ他に残ってますが)

始めは、2連ポリ・バリコンで、手持ちの物では厚みや高さが大き過ぎて、プラットホーム下に入らず。
また、バリオーム(ボリューム)も基板取付型では、組み込みが難しい。
結局、取り付け易いタイプを買い足したり、変更したりしました。(左写真クリック)
そのため、ツマミもそれぞれで、統一性がありません。

部品の置き場所
真空管の置き場所は、元は“WC”のあった所にしました。(左写真。これは、買った時に目を付けていた)

バリコンやバリオームは、色々(あーでもない、こーでもないと)考えた末、“待合所”の下に置くことに。(左写真クリック)

穴あけには低速ドリルを使いましたが、刃径が4mmφ以上になるとプラスチックに刃が食い込んで、油断していると本体まで振り回されます。(桑原桑原!)

後は、バーアンテナ、段間コイルの取り付けと抵抗やコンデンサ(キャパシタ)類、それに電源用、イヤフォン用ジャックの取り付けを考えねばなりません。
・・・ (下へつづく)

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基板の加工と仮作業台 [100109]
部品類の取り付けには、やはり基板を使うのが良かろうと思い、汎用基板の周囲をプラットホーム下の空間に納まるように切り取りました。(左写真クリック)

両サイドを切り落とすのは金鋸でやったのですが、凹んだ部分の切り落としは糸鋸だけでなく、ナイフで少し溝をつけた後、電工ペンチで強引に折り曲げて落としました。(左写真)

(孔開けで、やっぱり位置ずれを生じてしまい、後始末に丸ヤスリ、細ヤスリのお世話になったことは、内緒♪)

一応、基板は取り付けたのですが、更に他の大物“バーアンテナ&コイル”の取り付けを、どうやるか悩んでいます。

他方、小物部品(抵抗、キャパシタ)の取り付け場所は出来たのですが、“半田付け作業”は本体を裏返した状態で、行う必要があります。
しかし、植木などはプラットホームから外せないので、それらを付けたまま作業出来るように、元の収納箱で仮の作業台を作ってみました。(左写真&クリック)
(幅は少し狭いけど、深さはちょうど良いようです!d(^^;)
・・・ (下へつづく)

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ポリ・バリコンのウソ値? [100115]
バー・アンテナ、12V電源入力用ジャックを取り付けました。
(有り合わせのものだし、位置的にも、もう一つすっきりしないけど、取り敢えずこれで検討に着手)

で、予備実験として、バー・アンテナとポリ・バリコンとで構成した同調回路が、AM帯に入っているかどうか、ディップ・メータで調べたのですが、オカシイ??? 中波帯、短波帯を探したけど、同調点が見付かりません!(左写真クリック)

そこで、ポリ・バリコン(\230税込)だけを調べてみました。
これは、購入時に、ちゃんと最大容量150pF+70pF(片側)の2連だと、確認していたものですが。
(でも、中を覗くと、どうも羽根の枚数が少ないような気もするのですが...)

自家製のLCメータを出して来て、ポリ・バリコンの容量を測ってみました。(その前に、9V電池が8Vにまで落ちていたので、新しいのと交換)

やはり、最大容量は、どちらも約30pFでした。ウッソー!?
これでは、とてもAM帯には使えませぬ。(左写真)

因みに、手持ちの正規AM,FM両用型を測ってみると、ちゃんと300pF以上あります。(左写真クリック)
出来れば、こちらを使いたい処ですが、実は厚過ぎ/大き過ぎて取り付けられないのです。

どうして、こんなおかしな(小容量の)ポリ・バリコンを買ってしまったのでしょう?...ワカリマセン!が、どうやら、運悪く不良品 *注1を掴んで来たらしい。(本品の同等品は、ノーブランドで、中国製?のようです)
これはもう、改めて、まともな物を探して来ないとダメですね。
・・・ (下へつづく)

*注1:後日、「一言板」で、地底人さんから、“他店で買った物が、同じような不良品(30pF+30pFのAM用不良バリコン)だったので、交換して貰った”との情報を頂きました。感謝!m;(_"_)m

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ポリ・バリコンの購入 [100118]
先の失敗(不良品掴み)に懲りて、今度は慎重に、中の羽根を覗くなどして、2連型(\230税込)と単連型(\200税込)ポリ・バリコンを、それぞれ1個ずつ買いました。(左写真クリック)

しかし、今回、とんでもない誤解に気付いちゃった♪
AM用2連型と書いてあったのですが、実は150pF,70pFと片方の容量が小さいタイプ。(だと、買った後で気が付いた!)
このタイプは、スーパ・ヘテロダイン用にしか使えず、(両方に同じ容量が必要な)高周波増幅段付きストレート用には不適です。

この誤解の原因は、“150pF+70pF”と書かれてあった+70pFの方を、背中に付いている補助用トリマ・コンの値だと勘違いしたためで、+印がその元凶でした!

ポリ・バリコンの改造
(愚痴っていても、しゃーないので、)色々調べた末、苦肉の策として、改造・加工して同容量 2連型を作れないかと考えた。

単連230pFの4個のビスを外して内部を覗くと、どうやら簡単に2連に改造出来そうだったので、ちまちまと改造。

ダメ・バリコンから外した「固定電極板1枚」、「マイラーシート1枚」と「電極リード1個」を足して、“同容量2連”に仕立て上げました。
(左写真&<クリック>。尚、回転羽根は使わず)

改造後の各容量
しかし、何かヘン!?
同容量2連にはなったけど、2連のどちらも230pFには達せず、約130pF,約140pFにしかなっていません?? ありゃまぁ!
(左写真&クリック)

一瞬、改造が拙かったのかと思ったのですが、よく考えると、元の公称最大容量は230pF、これはちょうど上記の150pF+70pFに、ほぼ等しい値です。(やられた!)

(つまり、これらのポリ・バリコンは、中で切り離しておけば2連150pF,70pFに出来、繋いでおけば単連150+70pFになるって、合理化/簡略化?製品だったわけ)

さて、改造によって、両方の容量がほぼ同じになったのはいいのですが、最大容量が130〜140pFでは、少し小さ過ぎますね。せめて、200pFほどは欲しいが...
でもまぁ、取り敢えず、これでやってみましょう。
次は、これに合うようにコイル(バーアンテナ)を改造する必要がありますね。
・・・ (下へつづく)

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コイル巻き直し [100120]
バー・アンテナ(コイル)に0.3mmφの線を使って、総巻き数は約80tほどあったのですが、巻き幅が25mmと広くなり過ぎたせいでしょう、インダクタンスは約390μHでした。(かなり、少ない)
これだと、ポリ・バリコンの約130pFと組み合わせると、同調最低周波数が約700KHで、それ以上の放送局しか拾えない。

止むを得ず、再度、巻き直し。0.25mmφを使いコアの中央部に寄せて約72t巻きました。(因みに、コア長さは、約68mm)
これで、約520μH。 同調出来る最低周波数は、多分、610KH辺りまで行くだろうと思います。最高は、1,500KHz位かな?
(下のJOBKが666KHz、上のラジオ大阪(OBC)が1,314kHzだから、当面、これで間に合いそう)

大改変
当初、真空管の場所を“便所”の位置にしていましたが、ポリ・バリコンやバー・アンテナの場所を“待合所”の中にしたので、高周波関係の配線が、無駄に長くなってしまいそう。

昔学んだ事柄に「高周波関係の配線は、極力短く!」がありましたが、今回は「高周波増幅段」を設けるので“不要高周波発振”を抑制する上でも、短くする事は重要だと思い直しました。

そこで、思い切って真空管に場所を“待合所”近くに移し、同時に、便所の建屋も元に戻しました。(左/上写真&<クリック>)
これで、配線長が随分短く出来そうです!(ヨカッタヨカッタ♪でも、結果的には“公約違反 ”かな?)

しかし、線路側の階段、デザイン上では“一種の飾り”になるけど、名目的&実質的のいずれでも邪魔ですねぇ。(今だったら、“危険状態放置責任”を問われそう。被告は、JRでしょうか?それともTOMY?)
次は、そろそろ配線に掛かろうかと思っています。
・・・ (下へつづく)

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ICアンプ追加 [100126]
当初、スピーカを鳴らしたいと思っていましたが、単球では、やはり、リフレックスにしても音量が不足ではないかと、不安。

偶々、日本橋・デジットで、廉価な“ICアンプ基板”を見付けたので、低周波出力(パワーアンプ)に、これを追加してみる事にしました。(左写真、\50税込/枚)

この基板の出力部には、JRC 2073資料サイト)のBTL回路が使われていて出力トランスも不要だし、必要なC(キャパシタ),R(レジスタ)も乗っていたので、必要箇所を切り出して、両面テープで基板に貼り付け。(左/上写真<クリック>)
(上手く使えば、基板全体とVR(バリオーム)も利用出来そうでしたが、主旨が違って来るので、必要最小限にしました)

スピーカ追加
上記のICアンプと同時に、小型楕円型スピーカも買って来ました。(左写真<クリック>、\100税込/2個入)

これが、ちょうど「WCケース」に入りそうだったので、やってみたのですが...
スピーカの方が、やや大きく・厚くて、入れるのに大難儀。(目の粗いヤスリで内部を削ったり、スピーカの周辺を削ったり)

結局、下部が少しはみ出して、「WCケース」が1mmほど浮き上がりますが、何とか留められました。

全体配線
一応、全部品を取り付けたので、予定の回路構成(最上段)で、全体を配線。(左写真&クリック)

しかーし、電源12Vを与えてみると、高周波発振が酷くて、この回路、使用部品や配置の仕方ではダメですね。orz

低周波出力部の増幅度は十分ありそうだし、敢えてリフレックス方式にする必要もなさそうなので、(ちょちょいと、部品を付け替えて!高周波1段のストレート方式に変えてみました。

試作1次
この構成だと、関西の放送局数局(JOBK,JOBB等4局)が受信出来ました。(受信音の例:デジカメEX-Z600で録音)

うーむ、音が甲高いですね♪ やはりスピーカ・ボックスが「WC」では、“ちょいと、適当過ぎる ”ようです。(^^;?

鳴らし始めると、周りのノイズ(100V-ACライン誘導やPCやLAN-HUBなど)が多くて、弱い放送局が捕まえ難い事や、奥まっている“VR(バリオーム)のツマミが廻し難い”など、幾つも問題点が見え出しました。

構造や回路を色々変えてみて、(試行錯誤的に)もう少し良い形を探って見ようと思っています。
まず、試して見たいのはAGC(自動利得調整)ですが、その他、バー・アンテナの取り付け位置なども変えてみたいし。。。

放送局毎に音量が異なるので、一々VRを調整せねばなりませんが、出来れば“AGC”でそれを緩和したい。果たして“AGC”が出来るか?それが効くか?どうか、興味があります。
(あん?待てよ!それをやると、回路構成は元のリフレックス方式に似てくるなぁ)
・・・ (下へつづく)

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バー・アンテナとVRの移動 [100128]
バー・アンテナは、地面?に近い側に置くと、“感度低下”や“ノイズ増加”があって良くないのは知っていたのですが、取り敢えず!と取り付けたら、やはり状況は良くありませぬ。

そこで、出来るだけ高い場所−“待合所の壁面”に移動。
コア部を両面テープ(端子群は、セロテープ)で留め付けたのですが、心許無いので、2mmφのビスで下支え。(左写真)
これで、状況は大分改善されました。

また、操作性が悪かったVR(バリオーム/ボリューム)は、左前に移し、“低周波段の音量調節用”にしてみたのですが、ノイズや誘導ハム音などが多くなり聞き苦しくなるだけだったので、(場所はそのままで、回路的に、)前の“高周波段の感度調節用”に戻しました。(左上写真<クリック>)
(別途、音量調節には、半固定VRを基板上の半田付けで取り付け)

外部スピーカの接続
“WC型スピーカ・ボックス”、見掛けはいい/面白いのですが、情け無いほど音が良くない。
もっと工夫もしてみたいのですが、当面は、外部端子を設けて、外部スピーカを繋げるようにしました。(左写真&クリック)

ちゃんとした外部スピーカだと、聴き易さが格段に違います。
参考音:前半はWC型、後半は外部スピーカ EX-Z600で録音

(外部スピーカは、音はいいけど、やはり邪魔ですねぇ)

最終前回路

左図は、(一応)最終回路図。

左図<クリック>は、全体風景。

電源は、DC12V(ノートPC用)。

受信能力は、関西の4局。
(外部ANT不要、指向性有り)

当初の計画から、多少スペック・ダウン?/修正!しましたが、一応目標の関西圏の4つの放送局が受信出来るものに仕上がりました。(NHK-1(第一),NHK-2(第二),ABC(アサヒ放送),OBC(ラジオ大阪)

回路に関して、実状は以下のようです。
高周波段間部は、「非同調回路」にし、更にダンピング抵抗を入れて、発振生起を抑制。
(結局、ポリ・バリコンは、無理に2連にする必要は無かったのだ!orz)
検波部は、AGC電圧を生成しようと「負倍圧整流」にし、高周波段のG1へ直流分を戻した。
(しかし、AGC効果は、あまり無さそうな感じでした。詳細な電圧-電流特性表などで検討したいが)
低周波出力部NJM2073は、最大定格が15Vらしいので、ツェナーで供給電圧を7Vに。
(ICアンプのゲインが有り過ぎるので、半固定VRを入れて入力を落さざるを得ませんでした)

課題
感度が低くて聴き難い局も、外部スピーカ或いはイヤフォンだと、随分聞き易くなるので、改めて“適正な音出力器”の大切さを感じました。

WC型スピーカ”の低音域の増強や聴き易さを、もう少し良く出来ないかと、その内側空間にスポンジを詰めて、改善を試みたのですが、あまり顕著な効果は無し。

やはり、より大面積のバッフル板か、より大型の密閉箱を使わないと、ダメでしょうね。となると、始めのケース選びも肝要か?
・・・ (更に、修正)

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VRの向き変更 [100201]
一応完成はしたはずなんですが、保存のため本体を収納するのに、元の箱を使おうと思ったら、VRの向き(手前への突き出し)が悪く、そのままでは入りません。(左写真)

そこで、VRを上向きに取り付けようとしたのですが、基板の厚みが邪魔!(トホホ)
止むを得ず、中の回路を全部外して、基板を削ってやり直しました。(左写真クリック)


雑音の抑制
回路を組み直す時、ついでに、雑音や音出力歪の除去を期待して、電源系に大容量キャパシタ/電解コンデンサを足しました。が、効果はあまり無し。

むしろ、実用的な雑音抑制(誘導ハム雑音など)には、アース線を接続する方が有効でした。(左写真。外部スピーカ端子へ接続)
これは、作業机(スチール製)の上に、AC100Vの誘導電圧が一杯発生していて、ラジオがこれを雑音として拾っているせいですが、アース線を繋ぐとそれが緩和されるためでしょう。

おまけに、(電波を拾う)アンテナ効果も加わって、弱い局*注2も更によく聞こえるようになります。
(尤も、雑音の少ない別の部屋では、こんな小細工をしなくても、4局はよく聞こえるのですが)

*注2:後日、まく☆彡さんから、“JOCR(ラジオ関西)は受からないの?”ってコメントがあって、調べたら、アース線を接続すれば、弱いけど聴けました♪(受信音

再組立を完了

左写真は、最終版「いなかの駅ラジオ」。

左写真<クリック>で、最終回路図。

尚、無駄穴部は、緑円形パッチで補修 (\105。径が小さいので、複数枚使用)
保存箱入れ

VRの前への出っ張りが無くなったので、「いなかの駅ラジオ」を、難無く元の箱へ納める事が出来ました。v(^^)

ただ、元箱は、横に切込みを切れてあるし、使っている内に破れて来た箇所もあるので、完全に元通りとは行きませんでしたが。

(出来れば、もう少ししっかりした箱だといいのですが♪ ま、それは贅沢というものでしょう)


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