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[2010.03.25〜2010.06.08]

真空管試験器 試作

     +++ 主項目 +++
 ↓前パネル ↓全回路図 ↓双3極管試験 ↓追加記事


+++ 前書き +++ [2010.03.25]

以前、無線(Ham)に熱を上げていた頃、はるばる名古屋まで行って買って来た米軍放出品の「真空管試験器 I-177-B」(\6,000)を、長く物置に仕舞っておいたのですが、熱が冷め始めたある時、いともあっさりと早業(!)で処分してしまったのです。
後で、そそうした、自分の早業/愚か技(?)が悔しくて、夜も寝られず(昼寝して)。
(後で調べたら、回路図板だけは残していました。左写真[クリック]

昨今では、中古品でも何万円もするらしいし、実は、機能的には大した事も出来なさそうだし、使いたい真空管を1度だけ測ればそれで終りだし...と自分を説得&納得させていたのですが、近頃は、そうした試験器真空管が、また恋しくなって来て、中々留まりそうにありませぬ。

そこで、思い立って、自分で自分好みの“実験用試験器”を作ってみようか?と考えました!
どれだけやれるか分かりませんが、やれるだけやってみようと始めました。

試行錯誤の末、アルミ・ケース250mmx170mmx60mm)に組み込んで何とか仕上げました!(左写真拡大
以下は、その顛末記です。
+++(尚、2024年4月末現在でも、未だ動作中。ただし、「gmスイッチ」の接触不良?か、「DCカット用結合コンデンサ」が大き過ぎ?か、“gm値”がカシャカシャ踊る時がある)

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+++ 電源の準備−1 +++

左写真は、先日店頭で見掛け、小型で安かったので買って来たB電源用のトランス2個。(1次:100V,2次:12,20,22,24V/0.2A \250/個。大阪・日本橋:塚口勇商店

本当はB電圧として100Vほど欲しいのですが、2次側がmax 24Vでは、全然足りません。そこで、3〜4倍圧整流にして、電圧を上げることにしました。

高耐圧ダイオードが、手元に3本しか無かったので、3倍圧でやってみたら、5.4KΩ負荷(約15mA)で80Vほど得られました。(左写真[クリック])
その内、ダイオードを買い足して、出来れば100Vは確保しようと思います。

予定しているケース・サイズとの兼ね合いで、このトランスでも大きくて、場所を取り過ぎるようなので、このまま進めるかどうかも、検討中。

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+++ メータの検討 +++ [2010.03.31]

“パネル・メータ”は、3個ほど並べて、切替無しで、即値を読み取りたいと思っています。
読みたい値は、
  1.入力信号レベル(電圧)
  2.B、C印加電圧
  3.出力レベル(電圧)&ゲイン/利得(μ(ミュー)Ω-1(モー)
など。
(通常は、1個のメータだけで“スイッチ切り替え”で、読めばいいかもしれませんが、レベルも切り替える必要がある時には、構成が複雑になるので、製作が煩わしい)

取り敢えず、(左写真[クリック]の左側のような)小型パネル・メータ(\680税込)を買ってみたのですが、これを今のケース上に3個並べると、どうも面積が足り無くなりそうな気配あり。

そこで、更に小型のレベル・メータ(俗称?“ラジケータ”)を検討。(左写真[クリック]の右側)
これだと、かなり容積を縮められそうです...が、果たして、使い物になるか?


+++ 目盛板の改造、ラジケータはダメ! +++

先の“小型ラジケータ”では、やはり小さ過ぎて目盛が見難かったので、更に大型のラジケータを探しました。

買ってみたのは、そこそこの大きさで、単純表示の“VUメータ(と書いてあるが?)”、フルスケールDC-500μA(内部抵抗650Ω)で、両側にビス孔があるものでした。(\462税込)
尚、針の振れは“リニア”。(本当に“VUメータ”だったら、逆に困るんですが)

買う時に、前枠がセロテープだけで留められていて、糊付けされていなかったので、中身の取り替えは容易です。
このタイプの“改造目盛”は、直線的だから作り易いし、“目盛紙”の装着も両脇に嵌め込むだけなので、至極、楽!(左写真)

「変換用・補正用抵抗」は外付けにします。max150V表示の場合、半固定抵抗を使用し、300KΩに設定。

で、目盛板を替えて、実際に30Vを表示させてみたら、正面からは25Vに見えてしまい、これでは“視差”が大き過ぎます!(左写真[クリック])

円弧がきつ過ぎて、中央付近の狭い範囲しか、“値を読む”のには適さないようです。
このラジケータ、値段の割に、見易さ、取り付け易さは、良さそうに思ったのですが、結局は駄目でした!

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+++ SW(スイッチ)群の検討 +++ [2010.04.02]

“真空管試験器”には、沢山の切り替えスイッチが必要です。
ここには、接続マトリクスを見易くするのに、1回路6接点くらいのスライド・スイッチを(10個ほど)並べたいと思っているのですが、未だに適当なのが見付かりません。

(左写真は、その昔、アンテナ群−無線機群の切り替えに使っていた1段1回路12接点のスライド・スイッチで、日本橋・スーパー・ビデオで購入。値段失念)
(また、自作されている例の中には、ピン・プラグ&ジャックとリード線を使って、接続替えをする方式も拝見しましたが、通常はロータリ・スイッチを使う例が多いみたい)

スライド・スイッチはまだ諦めていませんが、取り敢えず、今回は無駄を承知で、ジャンクの小型ON-OFF-ON型トグル・スイッチ群を買い込んで、これで検討を始めています。(左写真[クリック] \50x32個税込)

当初、DIP-SWの利用も考えたのですが、ヒータ系の電流容量が不足するかもしれないとの懸念から、断念。

接続すべき項目と端子は、
 *ヒータ/フィラメント電圧→(例えば、Pin-1,Pin-7などへ)
 *入力信号+バイアス電圧→(例えば、Pin-3,Pin-6などへ)
 *SG電圧        →(例えば、Pin-6,Pin-4などへ)
 *B電圧+負荷     →(例えば、Pin-2,Pin-6などへ)
“自分好みの試験器”を作りたいという願望もあって、この接続は、世の中の真空管全ては考えずに、手持ちの分だけで、しかも特殊な奴は省く事にしています。
それでも“括弧で括って”、簡単化してスイッチを減らす事は、中々難しいですね。
今回は、あまり複合化などはせず、(馬鹿正直的)“1対1接続方式”にします。

・・・ 作成した「主な真空管の試験接続表](参考資料:日立真空管ハンドブック'62年版など)

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+++ 別ケース考!? +++ [2010.04.06]

普通、“真空管試験器”の回路は、殆どソケット群とスイッチ群とメータ(1個?)で構成されていますが、今回は“値群を見たかった”ので、メータを沢山設けたかった。(左図)

これらを入れるケースは、少し大き目が良かろうと、ネット・オークションでジャンク・ケースを物色していたら、カセット・テープ用の録再制御器MINISTUDIO 「TASCAM PORTA ONEが眼に留まりました。(購入費用\1,100送料込み)(左図[クリック])

...で、一時、このTASCAM PORTA ONE」を、ケースに流用しようかとも検討したのですが、やはり、全体的に"計測器"らしくないので、止めました。

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+++ 電源の検討−2 +++ [2010.04.10]

今回は、当初に買った電源トランス(12V、24V /0.2A)2個の内1個を、ヒータ用電源(6.3V、12.6V)用として使えないか、検討してみました。

でも、悔しい事に交流電圧のままだと、(電圧6.3Vの方は良いとして)12.6V用には少し足りません。
そして、真空管に電流を供給すると、電圧が約11.5Vまで落ちてしまう。(左写真)
何せ“真空管試験器用”ですから、定格通りでないと、こんな"中途半端な値"では許されません!

暫く悩んだ末、試に、“直流化”してみました。
何と!12V端子から18V超(無負荷時) が得られるではあ〜りませんか♪
これなら、御の字!(左写真[クリック])
更に、真空管を点灯しても、未だお釣りが来るので、取り敢えず、約10Ωの抵抗を入れて電圧をドロップさせて、テストを継続。
これは、後で、“定電圧レギュレータ”を入れて、定格の12.6V、6.3V、1.4Vを取り出す事にします。

(この状況は少々腑に落ちません!?直流化したからって、別にエネルギーを得しているわけでもないでしょうから、多分、テスタの機能の問題で、交流電圧の実効値と直流電圧値の違いの話ではないかと思います)


+++ 電流値の確認 +++

その後で、ひまじんtpさんから、コメントを頂いたのですが、それが切っ掛けで、消費電流の事を思い出しました。(コメント感謝!)

もしかしたら、交流(AC)点灯と直流(DC)点灯では、電流値は違わないか?ってこと・・・ (それに、感じだけなのですが、ヒータの明るさ/赤さが、DC点灯ではやや弱い/暗い感じもあるし)

そこで、追っ掛け調べたら、真空管−12AT7で、交流電流は約0.14A(≒140mA 左写真)、直流電流は約0.15A(≒153mA 左写真[クリック])でした。
(交流電流の方は、クランプ・メータを使いましたが、漏洩磁束を測る方式なので、トランスの傍だし、弱い電流の正確な値を得る事が難しい。が、一応、この値としました)

値としては、AC、DC同じなので、消費電力(≒電圧x電流)はAC点灯の方が、僅かに少ない事になりますが、まぁ、こんなのは誤差の範囲かもしれません。

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+++ ケースの最終決定、加工 +++ [2010.04.16]

...先に、「TASCAM PORTA ONE」をケースに流用する案もあったのですが、どう見ても試験装置に似合わないので、やはり止めました!
また、それのVUメータ類も、改造は無駄・無理なので、諦めました。

結局、最初に買ったメータ(目盛面はGM-50だが、箱書きはGM-45)を3個買い揃えて、これらの「目盛板」を細工して、入れ替えました。(\680/個税込)

上蓋の加工で、一番手間が掛かったのは、メータ部の孔開けで、これは、(昔ながらの方法で、)2.5mmΦドリル刃で輪郭を開けてから、ニッパーで切り落とし、半円ヤスリで丁寧に(ゴリゴリと)目分量で円形に削って行きます。これは、結構、綺麗に仕上がりました(左写真[クリック])
でも、メータを乗せたら...!?(左写真。苦笑)

真空管の孔の方は、シャーシ・パンチでやったら、数分で片が付きました。
左写真は、メータ類を取り付けた状態。
(上蓋の青色フィルムについては、後述)


+++ 回路案とスイッチ部 +++

左図は、全体回路素案ですが、まだ完全ではないので、実際に組み立て始めてから、細部を手直しする予定です。

一応、メータ群ソケット群は、ケース内部のトランスやパーツ類と衝突しないような場所に配置し、孔開けを済ませましたが、スイッチ部や電圧可変用VRの配置をどうするか、かなり考えていました。

当初は、VR(可変抵抗)類は、“下側ケース”に固定して、ツマミを手前に突き出すスタイルを考えていたのですが、“上蓋”面に、メータ群と小スイッチ群だけでは、少し貧弱な感じなので、“VR類”は上蓋側に取り付けることに決定!(左図[クリック])

尚、スイッチ群を載せている板は、蛇の目汎用基板。

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+++ 配線開始−ケース皮膜剥し +++ [100424]

大きな部品類の配置を終えた後、メータ示度設定用の“機能&レンジ切換用スイッチ群”を取り付ける加工をしました。

それまで、綺麗にケース表面にコーティングされていた「青色フィルム・コーティング」(左写真[クリック])が、次第に傷だらけになって来てしまいました!
この「青色コート」は、遠目には(左写真[クリック]のように)綺麗に見えるのですが、傷が沢山出来ると、近目には、かなり目障りでした。
なので、思い切って、それを剥しました。(左写真)

通常は、穴開け加工が終わった時点で、アルミ表面に塗装・文字入れなどをするのがベストなのですが、“アルミへの塗装”は上手くやれた験しが無いので、今回も、パス!(塗装無し)


+++ スイッチ&ソケット配線 +++

スイッチ・マトリックスの縦配線には、0.35mmΦのポリウレタン被覆銅線を使いました。(左写真)
そのついでに、真空管ソケットへの配線も、同じ線を使用。(左写真[クリック])

150V近くの電圧も扱うので、多少絶縁性が気になりますが、多分大丈夫でしょう!?
(今までの経験と"素人組立て"の気易さからですが、信頼性の観点からは、問題有りかも)

実は、小型スイッチ類も、耐圧、耐電流に関しては、あまり余裕があるものではないので、この試験装置の長期信頼性は、左程高くはありませぬ。


+++ 電源トランスの変更、部品類のこと +++

当初、高圧(B+)側とヒータ/フィラメント(H)側を、それぞれ1個ずつのトランスで賄う心積もりでした。(左写真[クリック])

でも、どうもケースの内容積から考えると余裕が無さそうなので、遊んでいた別のトランス1個(1次AC100V−2次160V,10V)に変えました。(左写真)

これを使うと高圧出力がDC200Vにもなり、逆に余裕があり過ぎて、コンデンサやトランジスタの許容耐圧やメータ目盛の面では、ギリギリなので、ちょっと困惑気味。
でも、目を瞑って、これで進行!

元々考えていた高圧側の“3倍圧整流”は、必要が無くなったので、回路は変更。
一応、+B電圧は、トランジスタ簡易回路で電圧可変制御をする予定。

メータ類の補正抵抗は、単体抵抗を選別して付けるのが普通なのですが、今回は(手間と費用を惜しんで?)トリム・ポット(多回転型バリオーム\100〜\200/個)を使う事にしました。
電圧可変用バリオーム(可変抵抗器)は、これもケチって小型普及品(\100〜\250/個)を使用。
その他、部品は出来るだけ有り合わせの物を使いたい処ですが、何せ電圧が50V以上になる所が多いので、手持ちのトランジスタ用小型部品が使えず/使い難く、四苦八苦。

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+++ 高圧部修正 +++ [2010.05.07]

当初、高圧電源部のレギュレーションが悪くて、色々回路を変えてやってみていたのですが、左図は、修正した高圧電源部で(110Vの時)50mAほど流して電圧低下が10V以下だったので、これで進める事にしました。

可変抵抗器VR1で、およそ22V〜160Vの範囲で電圧を可変に出来ます。
(最低値は、ちょっと下がり過ぎかもしれませんが、これで困ることは無い)

使用した制御用Tr(トランジスタ)は、2SC782(手持ち品)x1、2SC4001(購入品\135)x2で、いずれも耐圧300V品。(左図[クリック])

上図のVR10KΩで出力電圧を変えますが、下の固定抵抗1KΩは電圧上限を狭めるため、また、上の固定抵抗100KΩはVRの利き幅を調整するために入れてあります。(左図)


+++ 電圧レギュレーション(安定性) +++

予想では、電源トランスの容量から見て、160Vで20〜30mA取れればよい方だろうと思っていたのですが、無理すれば50mA位は取リ出せそうです。(左図)
出力電圧100V辺りにすれば、100mA位は楽に取れそうです。(左図[クリック])
(尤も、この真空管試験器で、そんなに大電流を喰う真空管を調べたいとも思いませんが。苦笑)

オープン/無負荷では200V以上出るのですが、電源トランスの方も上限だろうし、トランジスタの制御回路にもあまり高電圧・大電流を扱わせたくないので、この辺りで妥協します。


+++ 電圧計の整備 +++

電圧値表示用として、元々はDC 30Vmaxの電圧計(実は、DC 1mAmaxの電流計:内部抵抗約230Ω+30KΩ固定抵抗)に、トリムポット(トリマ・ポテンショメータ\200/個税込)を外付けし、30V用及び150Vmax用に改造・転用しました。(左写真[クリック])

左写真は、左端のメータの表示値を合わせている様子(俗に、鳴き合わせ中)です。
その他は、微小信号電圧値やgm値をさせるメータですが、一応目盛は入れたものの、調整は、後で諸実験と試行錯誤を重ねてやって行きます。

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+++ 高圧部大改善、保護回路付加 +++ [2010.05.10]

今回、真中のメータで(前の構想の“グリッド入力を見る方式”は止めて、)“プレート電流を見る方式”にしてやろうと、配線替えをした後、うっかり、クリップの先同士をショートさせてしまって、大事になりました。

矢張り、ちゃんと保護回路を入れておくべきでした!
それで、回路を変えて左図のようにし、“ダイオード・ブリッジ保護用”に0.5Aヒューズ、“制御回路保護用”に過大電流制限回路を設けました。(左図)
(電流制限回路は、抵抗1本(5Ω)、汎用トランジスタ1個(2SC509)で出来たので、始めから入れておけばよかった!転んだ後の杖?)

更に、Tr1は、耐圧だけでなく電流容量の大きい2SC2542に替えました。
これで、少々のショート事故なら耐えられるでしょう!


+++ 動作試験に着手 +++

プレート電流を見る事が出来るようになったので、先ず6AU6(傍熱型5極管)のプレート電流を調べてみました。

(値の正確さは別として)一応、プレート電圧、第2グリッド電圧、グリッド負電圧を変えると、それらに応じてプレート電流が変わる事が確かめられました。(よしよし!)
因みに、6AU6:Vp=100V,Vsg=75V,Vg=0Vで、Ip=12mAでした。(左写真)

ここまでの試験では、何やら感触は良さそうだったのですが...問題なのが、ヒータ電圧
メータの表示では、5Vしか出ていません???

オープンでは7Vほどあるのに、6AU6(0.3A)を挿すと5Vしか出てない!?
更に、6AR5(0.4A)では、4Vに下がります。6BQ5(0.76A)に至っては、2Vしか出ないと云うお粗末さ!
どうやら、この“整流回路”が拙かったか?(左写真[クリック])

それへの対策として、低圧電源部は、倍圧整流や負電圧生成を止めて、大人しく10V ACをダイオード・ブリッジで整流し、約13V DCを得るようにしました。
それを制御回路で、6Vに落としました。
その方が、6.3V出力のレギュレーションが、良さそう!

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+++ 配線完了 +++ [2010.05.18]

やっと、回路構成が決まり、配線が完了しました。
試しに、「6AK5」を調べている様子。(左写真 左上の置物は狸のチンドン屋夫婦

電源部も改良が済みました。(左写真[クリック])
ヒータ電源の方は、6.3Vは何とか確保出来た。
12.6V出力の方は、10V〜11Vに下がるので、電圧維持は無理なようですが、12V管の動作にも(多少のエミ減を見込めば)何とか使えるかも。

まだ、“課題”として残っていたのが、“gm表示”で、一応はそれらしい値を表示させる事は出来ましたが、信号増幅回路の直線性が良くないので、やはりOPアンプを使う方式にすべきだった。
...これは、トランジスタ2個のアンプに改善済。

尚、gmを調べるための信号は、当初数百KHzの高周波信号を使うつもりでしたが、配線が錯綜し漏れ信号が邪魔になりそうなので、電源周波60Hzに変更。


+++ 配線の実態 +++

主要回路を万能基板の切れ端に組んだものを、部品搭載側からみたのが、左写真。
一見、整然?としているかの如くに見えますが、基板を裏返すと、全く蜘蛛の巣!(左写真[クリック])
(何度も、部品を付けたり外したり、配線替えをしたりしていると、ざっとこんなもんです♪)

途中から、蝶番を使って、その基板を半分ひっくり返す構造/構成にしました。
これは、正解でした!
信号の確認や回路修正が、楽!

更に、線束をシャーシ側と基板側の両方できちんと固定するようにしておけば、もっと実験がやり易くなったかも。(今回は見送り)


+++ 暫定回路図 +++

左図は、プレート電流(max50mA)を見るメータ部とgm(max10Ω-1)を見るメ−タ部を抜き出したもの。(全体の暫定回路図は、左図[クリック])

参照用信号は、低圧電源の残留リップルを取り出して、VR2で約0.5Vに分圧して、用いました。
これを第1グリッドに注入し、プレート負荷50Ωの両端に現れる信号電圧を増幅・整流して、直流電流計を振らせます。

増幅処理や増幅度は、一般的な小信号用トランジスタので間に合いますが、出力はエミッタ・フォロアを使って増力してやらないと、力不足になるようです。

ただ、単体トランジスタだと(信号の振幅にも依ると思いますが)入力−出力の直線性はあまり良くない感じがします。

やってみて分かったのですが、小信号を増幅して使うので、高電圧側の“残留リップル”が、かなり邪魔!
大容量電解コンをあちこちに入れまくて、やや治まったようですが、耐圧の高いコンデンサが必要なので、結構、嵩張ります。


+++ 予備試験の状況 +++

左写真は、6AK5を調べている時のメータ(プレート電圧、プレート電流、gm値?)の振れで、約100V、約10mA、約5.2mΩ-1(5,200μΩ-1
但し、このgm値は、何の校正もしていなくて、適当にトリム・ポットで設定しただけです。

他に、6AK5複数本、3Q4、6AU6、6AG7、12AT7などを調べてみましたが、真空管毎の特性のばらつきや設定条件による増幅度の違いなどがあって、表示されるgm値に喜んだり、悩んだり。
...まぁ、きちんと校正する方法を見付ける必要がありますが、それは後述。

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+++ 検証開始 +++ [2010.05.20]

端子配置が同じ3種の3極管(12AX7,12AU7,12AT7)で、gm値はどうなのかを調べてみました。(左写真)

gm確認は、値が最大になるように、カソード抵抗を切替・設定しました。(規格表通りではないけど)
(双3極管なので、ヒータは、6.3Vで両方点灯しましたが、測定は片方だけ)

12AU7の測定試験風景。(左写真[クリック])
(スイッチ類の設定状況などが、僅かに判る!...かな?)


+++ 規格値/実測値(表示精度は不明) +++

結果は、左写真の如くで、メータは左から
[プレート電圧],[プレート電流],[gm値]。

低増幅率の12AX7のgmは約2mΩ-1
マイルドな12AU7は約3.5mΩ-1
高増幅率の12AT7は約5.2mΩ-1...と出ました〜!

因みに、これらの真空管は、どれも中古品。

現状での実測値は、規格表の値よりやや甘め/多目に出ていますが、“各真空管での違い”は顕著に出ているので、この“真空管試験器”は、少なくとも“管種識別”には使えそう。(左写真[クリック])


+++ 電池管は? +++

電池管1L4で調べようとして、うっかりヒータ電圧切替スイッチを6.3V設定状態で、通電してしまいました。(ダメですねぇ)

当然、フィラメント焼け切れて昇天!(左写真 ...葬送の調べ?
電池管の場合、ここが鬼門で、何か安全策を施したいけど良策も無いし、必ずうっかりミスはやるし、困った困った!

嘆いてばかりでは先へ進めないので、思い切って慎重に他の電池管1S5に差し替えて調べてみたけど、gmメータが全然振れません。トホホ! 明らかに、アンプの増幅度不足です。
これでは、低gm管だと測れない!当然、仕切り直しです。

この後、基板の隙間に、何とかOPアンプを組み込みました。

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+++ 完成前夜? +++ [2010.05.26]

出力増幅部にOPアンプを組み込んだら、低増幅率の球も、ちゃんと測れるようになったので、「操作パネル面」にレタリングしました。(左写真)

普通紙にプリンタで印字した文字群を、裏に両面テープを貼って、切り張り。
(個別に貼るので、ガタピシ。まだ、気に食わないので、また貼り直すつもり)

今回の課題は、雑信号(リップル)の除去、それに入力電圧の設定とgm値の較正です。
いずれも、一応、解決出来た!(やろか?)

前パネルの風景。(左写真[クリック] ...gm値が、大き過ぎてメータが振り切れてる!?


+++ 最終回路図と増幅・整流回路 +++

最終的な回路図は、[左図 クリックで拡大]

これまで、プレート電流の変化を、負荷抵抗50Ωの端子に生じる微小電圧で読み出していたのですが、“単純取り出し法”(?)だと、電源電圧に含まれているリップルが、(こちらの方は)大変邪魔/有害でした。
(リップル除去のため、大容量・高耐圧の電解コンデンサを付けていたけど、除き切れず)

今回、OPアンプで“差動増幅方式”(左図[クリック])を使ったら、邪魔ものが綺麗さっぱりと取り除けました!

更に、整流回路もOPアンプで構成したら、ダイオードの閾値以下の電圧もちゃんと拾えるようになって、万々歳!
(このOPアンプLM358、2ch分入っていて、片電源でも動作するので使い易く、気に入ってます♪)


+++ 入力量の較正 +++

実は、入力信号電圧は、ヒータ用電源のリップル分から、単純な抵抗分割で取り出しているので、真空管を替えると負荷が変わり、取り出す電圧も変わって来ます。(負荷が重くなるほど、リップル電圧も増える!)
けど、折角設定した入力電圧値も、一緒に変わってしまうのは、困る!

今の方式だと、入力量(電圧値)をどの程度にするにせよ、真空管を替える度に、手操作/手動で一定値に合わせる必要がありそうです。

そのために“切替スイッチ”を、元あった1回路3接点のスイッチから“2回路2接点”のものに替えて、コントロール・グリッド(G1/CG)への入力信号を、“出力を測るのと同じ増幅回路”で確認する一般的な方式にしました。(左図)

今回は、取り敢えず、入力AC 20mV P-Pの時、1,000μΩ-1の位置を示すように調整・設定しました。
(実は、少し手抜きをして、アンプのゲインを切替せず固定にしたので、高い方で飽和しないように“入力値”を低めに設定。ために、低増幅率の真空管に対しては、ゲインぎりぎり/カツカツ状態。今後の検討課題)

操作の問題として、後段に長い時定数の積分回路を入れてあるため、かなりイナーシャ/慣性があって、メータ位置を合わせ難いことです。(慣れればいい!のかな?)


他方、“増幅度”や“カップリング・コンデンサ”が大きいこともあって、gmメータの針が勢いよくカチン!カチン!と振り切れる事も多い。

で、通常は回路を切っておいて、測定の時だけ針を振らせるように、「手動押しボタン」を設けました。
安定した頃を見計らって、この“押しボタン”を押して、gm値を読みます。(左写真の赤ボタン


+++ gm表示値の較正 +++

gm表示値を較正するには、やはり現物を使って“スタティック法”で調べた値を使うのが、分かり易そうです。

これは、カソードに抵抗を入れた時と、ショートした時のプレート電流の変化から計算する方法で、ラジオ・シャックさん処の、「真空管gm測定器について」を参考にさせて頂きました。
元は、故梶井OMの案だったようで、お二方に感謝!

左写真&[クリック]は、カソード抵抗を、56Ω⇔0Ωで切り替えた時の変化で、これを使って、以下↓のように校正しました。


+++ 6R-R8で調べる +++

試しに、6R-R8という通信用高gm管で調べてみました。(左写真[クリック])
結果は、以下の如く。
 カソード抵抗:0Ω→18mA、56Ω→12mA  (3極管接続 B電圧100V)
  gm = (18/12-1)/56 = 0.0089 = 8.9mΩ-1
(尚、“Ω-1”の代わりに、“シーメンス”を使う例もあるようですが...)

条件を多少変えても、これに近い値だったので、“gm直読メータ”系も、これに合わせ調整しました。(左写真&[クリック])

因みに、6AK5の場合、
 カソード抵抗:0Ω→19mA、56Ω→15mA
    (3極管接続 B電圧100V)
  gm = (19/15-1)/56 = 0.0048 = 4.4mΩ-1
ですが、gm直読の方は、およそ4.0〜5.0mΩ-1(プレート電流値の逆数に依存かな?)でした。
(表示精度からすれば、下一桁は±50%程ですから、値としてはこんなものでしょう)


+++ 雑感! +++

幾種かの真空管を診て、意外に低いプレート電圧までgm値が頑張って?いるのが分かりました。
これは、この試験器がおかしいってわけではなく、左図のようなハンドブックの詳細データを外挿してみれば分かる事なのですが、実際に操作して値を見ていると、それが実感できます。

この装置は、実際には使えないエミ減(エミッション減少)真空管を、早めに捨てるのに役立ちそうです。

+++ 課題? +++

設定を変えていて、試験器のgm計がカツンカツンと振り切れるのが、少し気になりました。
例えば、後述のWE418Aなどでは、gmが20mΩ-1を超える場合もあるらしいので、今の最大表示10mΩ-1では足りませぬ。

しかし、もし、沢山の高gm球を調べる時に、単に“10mΩ-1を越える球”で済ませて良いのであれば、“振り切れない設定”にしておいて測れば、このままでも良きかな、と。

−−−−−− 追加記事 −−−−−−

+++ 電源部の壊れ +++ [2010.06.08]

...何とまぁ!この真空管試験器、テストしている間は元気だったのに、数日おいてから電源を入れたら、B電圧が30Vほどしか出なくなりました。つまり、電源部が壊れてしまったようです。

調べたら、2SC4001が3個共壊れていて、(テスタで測ると)CE間が60Ωだったり、CB,BE間が50Ωだったりで、どうやら耐圧不足で壊れたようです。
(2SC4001:VCBO=300V,VCEO=250V)

多分、160V整流電圧が、無負荷時に230V近くまで上昇していたのに、これを無視・放置していたのがいけなかったのでしょう。(不作為の罪?!

日本橋の2SC4001を買った店には、このサイズで更に高い耐圧のトランジスタが無かったので、止む無く別の店で探して、1個\50の2SC3425を見付けました。(2SC3425:VCBO=500V,VCEO=400V)

それを10個ばかり買って来て(左図[クリック]、右側のトランジスタ)、付け替えて修理完了!
今度は、多分、大丈夫...でしょう。

ところが、この中に2個、2SC3423(耐圧150V)が混じっていて、うっかりそれを使うところでした。
あやうし!
...ま、2SC3425は、残り8個あるので良かった!もしこれが、ちょうど必要数だけだったら、アウト!


+++ 珍空管を入手 +++

試験器を修理した時、ちょうどオークションで“不良品”として出品されていたWE418Aという、あまり見慣れない/珍しい真空管(マグノーバル管)を見掛けたので、(好奇心一杯で)買ってみました。(総費用\810/5本)
(オーディオ界では、お馴染みの球らしいです)

これは、第3グリッドが無い変則5極管(4極管)ですが、これももしかしたら低電圧動作が可能なのでは?と見込んだもの。

元の“不良内容”も、どのようなものなのか、まったく分からないのですが、多分、あるプレート&スクリーン電圧範囲でなら“正常動作”するだろうと予想。
そこで、別途、ネットでマグノーバル管用9Pソケットを購入して、準備しました。(総費用\700/2個)


+++ 軽実験 +++

9ピンMTソケットを利用したアダプタを作って、当試験器で、テストしてみました。(左写真&[クリック])
4本は、プレート電圧50Vで、gmが(静測定で)3〜5mΩ-1ほどありましたが、残り1本は、プレート電流が流れず、gmも測れませんでした。

これらが、正常な球なら、電圧50V以下でも動作させられるかも。
それに、この4極管は中和が不要らしいから、高周波段でも使えるかな?

でも、低周波出力用3極管相当品だし、形は大きいし、ソケットもやや特殊だから、並みの利用は難しいかもしれませんねぇ。


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