[030113]
CPUのパッケージを、削ってみました *追記あり
先日、メイン・ボードからCPUを剥がしましたが、結線の手掛かりはまるで得られませんでした。(まあ、当たり前と言えば、当たり前ですが)
そのRIOS版CPU 486SXに関して、数人の方から情報を頂きましたが、その中に「周辺回路が入っているかも?」とのお話もあったので、興味津々で今度は、CPUの中を見たくなりました。
開けてビックリ!どうやら混載1チップでもマルチ・チップでもなくて、入っていたのは486DX2マイナスFPU(?)パターンのチップらしいです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
パッケージを削る
通常、ICやLSIはリード線のある側にチップが乗っていて、ロゴ刻印のある側がカバーのはず(そうとは限らなかった!)カバーの方を削って行けば、チップの表面が見えるだろうという読みで、120番の耐水性サンドペーパでゴシゴシ、ゴシゴシ_...(-,-;;;
随分削った後で、やっと配線の金線(ボンディング・ワイア)が点状に見えて来ました。
サンドペーパの番数を、1,500番に上げたら(ちょっと極端か)、今度はなかなか削れないので業を煮やして、また120番で。パターンが判別できる処で止めましたが、やはりかなり傷が入ってしまいました。(左上の写真)
最終的に、半田面からの厚みが、約1mm位になっていました。
レイアウト・パターンの比較
さて、このチップは果たして486SXなのでしょうか?照合用のチップ写真を求めて、あちこち捜し歩き(?)ました。そして、Molecular Expressionの
Chip Shots 「Intel」で、素敵な写真群を発見!
そのサイトの写真を参考にさせて頂いて、パターンを見比べてみると、どうも486(SX)には似ていません。
そこで、486DX2のパターン(左の写真の下側)と比べたら、あれま!ピッタリ。
よく眺めると、大部分は486DX2にそっくりですが、右端部は、ごっそりと大きなブロックが抜けています。もしかしたら、これがFPU領域なのかな?それと、周辺回路が入るとしたら、この辺りになりそう。(でも、パターンが単純なので、ちょっと疑問も。もっと、高倍率のルーペが必要だぁ!)
左の下側の写真は、サイトMolecular Expressionを公開されている Michael W. Davidsonさんから、当苑での使用を快諾して頂いたものです。感謝!m(._.)m
The photo image of lower one has been permitted to use on this site by Mr. Michael W. Davidson who is disclosing the website Molecular Expression. Thanks, Mr. Davidson !
高速486SXか?
大半のパターンが486DX2にそっくりであっても、FPUが無ければ486SXに過ぎないわけです。
でも、新しい方のパターンを使っているわけだから、もしかしたら50/66MHz動作が可能かも知れませんね。(まあ、無理なようですけど)
端子機能(端子割当て)は?
6倍ルーペで繁々と切削面を眺めると、端子と金線断面との対応が、辛うじて見分けられます。
これらの金線断面と裏面の半田端子との対応が付けられれば、端子機能が分かる?
おっと!その前に、チップ端子の情報を探す必要がありますねぇ。(うー、遠い道のりになりそう...)
考察-周辺回路の付加について
まだ、高倍率ルーペでの観察はできていませんので、別の側面から考えてみました。
一般に、汎用半導体メーカは開発パワー,費用や生産ラインの切り替えなどの問題から、それがペイしない限り非標準のカスタム製品は作りませんでしたから、上記の486DX2マイナスFPUに、別の周辺回路を入れたチップを作った可能性はかなり低いように思います。
ただ、パッケージを替える事については、各社ともカスタマの要望に対応して来たようです。(フィルム上へのチップのマウントなどは、その延長線上のものでしょう)
だから、RIOS版486SXは、パッケージが違うだけの486SXではないか?(今の処、そうであって欲しい!)と思ってます。
*追記 [0113]
ついでに、CPU換装時にTP230Csから切り取った標準QFP版486SXも削ってみました。
これは、裏側から削るべきでした。表面のロゴ刻印側から削ったら、チップを乗せる金属が出て来た(左端の写真)ので、慌てて裏返しにして削りました(右側の写真)。
RIOS版486SXとQFP版486SXチップのパターン、特に右側部分を、6倍拡大で眺めて比較してみると、どうやらまったく同一のように見えます。
つまり、上記で考えたように、パッケージは違っているが、チップは同じようです。
(ただ、右端のパターンがまだ汚れているので、もう少し拡大して細部まで照合してみないと、ちょっと不安も残りますが)(左の写真、上側がRIOS版、下側がQFP版)
*更に、細かい写真。
ここまで分かったのですが、チップの端子機能が未だです。QFP版を開けたら分かるかな、と期待していたのですが、ボンディング・ワイアの位置が遠すぎて、ちょと照合が難しそう。
左上端がA1で、右方向にA2,A3,...のはずなので、もし順番にボンディングされて、外部ピンに引き出されていれば、端子機能が分かるかも。(...かなぁ?)
まあ、後はじっくり行きませう。(こんな時、趣味ってぇのはいいですね。何もノルマがないので、楽しみながら気侭にやれます。でも、ちょっと削り疲れた!(-,-;?)