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[181218]
Iwatsu SS-3310ジャンクを買って、修理した

−−−“ソフトウェアのフン詰まり”でストレスが溜まり、“ハードウェア弄り”に逃げ込もうとして、オシロ“SonyTek.335の修理不全”で、更に、それが重積して来たので、“これではイカン!”と、ストレス発散を狙って、「Iwatsu SS-3310」のジャンクを買って、果敢に修理に挑戦してみた。(笑) −−−

このジャンク、(人気があるらしい?)小型機とは言え、帯域がDC〜25MHzしか無いのに、酷く高値だった。(が、“値下げ交渉”で値下げして貰って、一人落札した。¥2,990税込・送料込み)
症状は、“電源は入り、輝点は出るが、横軸の掃引/輝線が出ない不良”だった。(図2<クリック>

内部の調整用VRを弄り捲くったら、何とか横線(横掃引)が出るようになり、波形も描かせることが出来た。

ところが、“時間軸の長さ”が、何やら可笑しい!短か過ぎ?!
例えば、参照用の1KHzが、所定の7割ほどの長さでしか表示されないのだ。
これを、苦心して修理(?)・調整して、ほぼ正常状態に戻した。万歳!万歳!(図1)
余勢を駆って、SonyTek.335の方も、再度挑戦してみようか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−− 調整 −−−

まず、点でしかなかった“水平掃引”は、(一杯廻し切ってあった)「R617 SWEEP CAL」というVR/可変抵抗器(図4<クリック>の下部)を調節/少し戻してみると、“輝点”から“輝線”に変えることが出来た。

しかし、“輝線の長さ”が少し短い!?...右端が欠けるが、これ以上長くしようとVRを廻すと、(無音だが)パチンと“輝点”に逆戻りしてしまう。(図3)

まぁ、このままでも何とか使えるかな?と、暫く、内部の様子を眺めていた。
結構、配線が走り捲くっている!(図4<クリック>
これの、基板を取り出して、部品交換などの修理は難しいかな?と見ていた。
...でも、「コネクタ」が多用されているし、“線群”はきちんと分類・整理されているようなので、あるいはやれるかもしれない。


−−− 時間軸がヘン?! −−−

輝線が出てから、まず“FOCUS”、“ASTIG”系を弄って、線が細く描けるように、其処此処を弄った。
本来なら、もう少し鋭く細線化出来るように思うが、まだかなり甘め/太めだ。

次に、“キャリブレート出力”を使って、“高さ”を合せようとしたが、何やらヘンだ!
“幅”がかなり狭くなって、しかも調整の限界に来ている。(図5 こりゃ困った!)
当苑の常用オシロ(SS-5711Dを参照(図6<クリック>)しながら、関連しそうな調整用VRを、総当りしてみたが、一向に改善出来ず。
これは、もうVRの調整だけでは片が付かないだろうと読んだ。

−−− トランジスタを交換! −−−

幸い、機種は違うけれど、以前「SS-5711D」を修理した時に岩崎通信機・サービス部門から購入した「マニュアル」があるので、それを参考に回路を追ってみた。(図8<クリック>

“輝線の長さ”は、きっと「水平増幅部」のゲイン/利得不足だろうと見当を付けて、(怪しげに見えた)トランジスタ「2N3905」(KORIA製?)を、日本製の「2SA953」に交換した。
だが、これは違ったようだ。殆ど変化無し!?

“水平5倍拡大”のスイッチを引っ張ると、十分横に広がるので、やはり“増幅度の低下”による輝線の長さ不足ではないのかもしれない。

それで、恐る々々、偏光板駆動電圧を発生する「パワー・トランジスタ」の電源電圧をテスタで調べてみた。(図8<クリック>

−−− 水平系高圧の不足 −−−

測ってみると、やや!?“電源電圧”が、約50〜75Vほどしか無い?ではないか!

因みに、「SS-5711D」では、+129Vだそうな。
まぁ、この「SS-3310」は、それと比べて“CRTの画面幅”がおよそ65%ほどだから、ザックリ見て、およそ80Vほど必要ではないか?
うーむ、つまりは、“電源電圧”が足りないってことらしい。

電源部を開いてみたけど、特に焼け焦げた所も見当たらないし、電解コンなどを取り替えても回復しそうにない。(図10<クリック>
そこで、今まで試していなかった、「R908 HV ADJ」を触ってみた。(図9)
(パチンとはじけるのも嫌なので、)恐る々々VRを廻して行くと、輝線が徐々に広がって行く!
結局、最大(最小?)まで廻し切った処で、“輝線の長さ”が丁度良くなった!
(ということは、これ以上悪化/劣化したらもうお手上げ!ということかな)
兎に角、これで、ほぼ正常化出来た。(はずだが)

−−− 垂直振幅もヘン!? −−−

ところが、後回しにしていた垂直(感度/利得)の方も、実はちゃんと見ると、“高さ”がヘンだった。
参照用「CAL出力(1KHz、0.6V)」を測ると、0.8V近くになってしまっている。(ギョッ)
こりゃいかん!...で、また分解して、調べた。
どうやら、CH1は「R130 X1」、CH2は「R132 X1」が利得調整用らしいので、それぞれ所定の値を示すように、これらで調整した。

至極いい加減な調整だが、まぁ素人使用の測定系なので、然程厳密さは必要無かろうと思っている。


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